表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/33

キモすぎて近づきたくない

当たり部屋の鉱石は粗方取り終わる。


鉄や銅といったメジャーな鉱石の他にも、亜鉛や錫といった鉱石が見つかり、少量ながらも金や銀鉱石も見つかり、正にウハウハ状態といったところだろう。


僕が作ったツルハシを使う関係上、殆ど雲母に掘ってもらったのは申し訳ない所ではあるが。


戦闘系の役割のために腕力が高く、更にアイテムの増幅効果もツルハシに上乗せされているので、さながら削岩機のようなペースで掘り進めているのには驚いたものである。


「ご主人、もう少し見て回る?」


「いや、このくらいあれば十分だと思うよ。

一回で大量に市場に卸しても混乱を招くだけだからね」


現在は鉱石不足から価値が高まっているが、だからといって大量に卸して価格崩壊を招いて良いわけではない。


ここで稼いでいる冒険者も少なくはないので、彼らの稼ぎを奪うのは本意ではない。


マジックバックに鉱石を詰め込み、さて帰りますかと来た道を戻っていた時の事である。


「ご主人、あそこ……なんかいる」


「え……うわ、この世界ってあんなのいるんだ」


「キモいんだけど、あれ何?」


「多分、ローパーっていう魔物かな。

イソギンチャクのでっかいやつって感じなんだけど……多分、女の子を捕まえて襲ってくるタイプっぽい」


道の先にいたのは、細長いブヨブヨの身体に、ヌメヌメとした無数の触手を動かす生き物であった。


その触手の先からはヌルヌルとした液体が滴っているので、おそらくは間違いないだろう。


「え、ご主人ってそういうゲームやってた感じ?」


「やってないやってない!

知識として知ってるってだけ!!」


「ふーん、まぁ良いけど。

じゃあ、魔法でサクッとやった方がいいかな?」


「そうだね……炎はこの狭い通路では怖いから、氷系とかいいんじゃないかな?」


「オッケー、サクッとやっちゃうね」


腰に佩いた短剣を装備する雲母。


彼女が意識を集中させると、その短剣の柄に嵌め込まれた無色の宝石が青色へと変化する。


「いけ!」


雲母は掛け声と共に短剣を横に薙ぎ払う。


その軌跡から無数の氷の礫が現れ、まだこちらに気付いていないローパーへと向かっていき、その身体に突き刺さり、職種を切断していく。


氷の礫を受けたローパーは力無く倒れ、その触手の動きもピタリと止まった。


「ご主人、この武器は本当にいいよ」


「雲母に合ってるから本当に作った甲斐があったよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ