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これが私のご主人様

激しい爆音と共に、街道に大きな火柱が上がる。


その爆発に巻き込まれた盗賊たちは、全員が黒焦げになって倒れていた。


「おお〜流石はご主人謹製の爆弾。

容赦ないねぇ」


「いや、東雲さんの特性の効果が強いのもあるよ」


「あ〜また苗字呼びでさん付けになってる。

もうすぐ街に帰り着くんだから、ちゃんとしてよね」


「ご、ごめんね……えっと、雲母さ、雲母(きらら)

そ、それよりもこの人達はどうしようか?」


「街に連れて行けば懸賞金とかは貰えると思うけど……連れて行くのしんどくない?」


「そうだね、このまま放置でいいかな。

あ……でも、その前に……」


僕はそう言ってカバンの中から水色の液体が入った瓶を取り出した。


「これ、お願いできるかな?」


「……ん〜しょうがないか。

その甘さがご主人だもんね」


雲母は僕から渡された小瓶の中身を盗賊の1人に振りかけた。


すると、その盗賊の傷は見る間に治っていき、即座に意識を取り戻した。


「あ、あれ……俺は……ぶべぇ!?」


意識を取り戻した直後に雲母さんの拳がその男の顔面にめり込む。


「おい、勘違いすんなよ。

お前はご主人様の温情で生かされたんだからな。

ここで余計な事をしたら今度は即座に殺す……分かったな!」


「は、はい!!」


「分かったら正座!!」


「はいーーー!!」


完全に怯えてしまった男は、雲母の言う通りにその場で正座し始めた。


「という事でごしゅじんさま〜準備が整いましたわ」


男にはドスの効いた声色で脅しておいて、僕の方には媚びたような声を出す雲母に若干引きつつも、僕は男の前に襲ってきた人数分の小瓶を置いた。


「これ、治癒のポーションだから使って。

ただ、君に使ったものほどの効果は無いから、そのあとは暫く治療に専念する事になると思う……大変だと思うけど頑張って」


「え、こ、こんな……」


「もし少しでも恩義を感じてくれるなら、自首するなりして罪を償ってから真っ当に生きてほしい」


「あ、ありがとうございます!!」


男は地面に深々と頭をつけて僕にお礼を言った。


「ご主人の好意を無碍にするなよ!

次に会ったら全員本気で殺すからな!!

さ、行きましょう」


「え、あ、うん」


盗賊の男に念を押してから、僕の隣にやってきて腕に手を絡める雲母。


そんな雲母に引っ張られながら思うことはただ一つであった。


(やっぱりまだ慣れないなぁ)




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