逃げ惑う
次に意識が戻ったのは、どことも分からない薄暗い場所だった。
痛い。痛いなんてものじゃないくらい全てが痛い。魔獣にいたぶられて...なんで生きているの?
もしかして魔法を当てたから怒って痛めつけてやろうと思ったのかな。そうだったら無闇に魔法は使えない。私が死んだと勘違いしてるなら使わない方が襲われないから。
息を殺しながら思考を巡らせる。ダンジョンの中だとしたらここは何処なんだろう。暗いってことはまだ人が到達してない区域なのかな。
そもそもダンジョンで到達してない場所ってどこなの、ダンジョンが発見されてからもう120年も経ってるって言うのに。
段々と目が慣れてきて、周りを見渡すと確かにここは魔獣の巣?のような所だった。
今魔獣は寝てるみたいだし逃げれそう、だけどここがどこかも分からないし、無闇に逃げれない。
ホシは大丈夫かな、
そんな事を考えていたその時、考えうる中での最悪が起こった。
魔獣が私が生きていることに気がついたのだ。まずい。私は走り出す。
「うわぁっ、あぅっ、やだぁぁっ!!」
みっともなく泣きながら逃げようと巣の出口のような所に走り出した。鼻水が出ていようとお構い無しに。
今度こそ捕まれば死ぬ。あぁ、助けてよホシ
すぐそこまで魔獣が迫って来たその時、
私の足元が光って 転移魔法陣が発動した。
頑張ってます