きっかけ
「はぁっ、はぁっ!」
無我夢中で走り出す。でなければ死んでしまうから。今私はダンジョンを攻略していて、魔物に追われている。一緒に攻略していた剣士のホシが転移トラップにかかってしまったようではぐれ、魔法使いである私は詠唱できず逃げ回っている。
「ぐるるぁ!ぐぁぁ!!」
恐ろしい唸り声を上げながら襲ってくる魔獣、幸いまだ深くまでは到達していなかったので、何とか逃げられそうだ。
「身体強化、筋力上昇っ!」
私はバフ系の魔法を詠唱なしで発動することができる。そういう何かしらの才能が生まれた時に開花するのだが、その才能の事を「スキル」と言う。中には2つ以上持って生まれた人もいるらしいが、ここ数百年はいないらしい。
とそんなことを考える余裕も出てくるくらいには、逃げ切れる自信があった。
とりあえずダンジョンを脱出した後、ギルドに捜索願を出してベテランの人達に探してもらおうと。そう考えていた。
そう甘くはなかった。
突然足元が光り、魔法が発動する。
「これっ、拘束魔法っ!?」
慌ててどうにか足を動かそうとする。動かない。拘束解除魔法は使えない。まずい。
「凍てつく粒よ、結晶となりて敵を貫け!アイスバレット!」
魔法を使う。ダンジョンは狭い密室なので炎の魔法などは使えない。
「がうっ!?がぁぁ!!」
魔法が命中し苦しんでいる、もしかして倒せたのか?早く魔法陣を破壊しな
その瞬間、魔獣が私に飛びかかり
意識を失った。
作りたくなったんです