非リアの叫び
「今年のクリスマスは誰と過ごすのー?」
12月に入ったとたんこれだ。
街は赤と緑に染まり、ガキどもはお父サンタからのプレゼントをうずうず待っている。
友達は彼女をつくりだしていちゃいちゃしてやがる。
はっ! そんなおかしいことあるか!
どうせそういうカップルってのは、あけましておめでとうしたら別れるんだぜ。
っていうか恋人になったところでなんだ。
イルミネーションを見に行く?
イルミネーションってただの光の集まりだろ?
じゃあお前ら、二元一次方程式のグラフの直線も「解」の集まりなんだぜ?
それをみて感動するのか!?
違うだろ。
イルミネーション見るくらいなら、家で数学しろ。数学数学。
……え、なに? オレは今年どうするかって?
家でごろごろだよ。
バイトはいれないの? って?
……バイトは一応空けておいてるんだよ。
別になんか期待してるわけじゃないけど。
ホントにホントだ! お前らニヤニヤすんじゃねぇ。
オレは家でゲーム全クリすんの!
そう全クリスマスだよ。
え、なに?
Aちゃんがオレになにか言いたいことがある?
なんだいAちゃん。
……え、お、ちょっ、え?
クリスマス空いてるか?
空いてる空いてる。
Aちゃんは?
……え? 空いてる?
じゃあ一緒にイルミネーションにでも、どう?
……は? ムリ? ってうおぉぉぉぉぉぉっ。
Aちゃんにオレのバッグひったくられたぁぁぁぁっ。
ひったクリスマスじゃねぇーか!
オレビックリだよ。
ビックリスマス……みたいな。
ぁあ? すべってる? 知らねーよそんなん。
そんなんだから彼女できない?
いいよ、そこまで言うならつくったるよ。
腕まくりして、腕まクリスマスだ。