表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/94

第六十八話 魔剣

 アジトのいたる場所から、爆炎が上がっていた。

 王の猟犬が、無差別に魔法を放っていたのだ。


 アジトの中は、乱戦状態だった。

 地上には、王の猟犬と地を駆ける魔物。

 空中には、ハウンドと彼の直属の忠犬達、そしてトリ型の魔物が飛び交っていた。

 それを、ヤマネコの迎撃部隊が迎え撃つ!


 ロゼッタは四体の魔具を使って、次々と襲い来る敵を薙ぎ払った!

 テディが、襲いかかってくるオオカミを叩き潰す!

 今度は、レイニーとサニーが赤い衣の魔術師を挟み撃ちにする!


 すると空から、ハウンドの忠犬達が魔法を発射!

 ロゼッタは空から降りかかる攻撃を、ツイスターを使って回避した!

 彼女は、高速で後方へと退く!

 しかし!


 彼女の着地地点を目掛けて、ヤギ型の魔物が突進して来た!

 ロゼッタは焦った。

 このままでは、衝突してしまう!

 すると、次の瞬間!


「ロゼッタ!!」


 突然、銀色の狼男が割り込んで、魔物を蹴り飛ばしてしまった!

 ファングが、助けてくれたのだ。

 彼はロゼッタを見て、一言声を掛けた。


「さっきの借りを返したぜ!」

「フンッ、やっと名前で呼んでくれたな!」


 ロゼッタは、少し笑みを浮かべて返した。

 ファングも、軽く口角を上げる。

 

 すると突然!

 空中からハウンドの忠犬達が、二人を目掛けて急降下してきた!


 速い!

 彼らは高速で、空を飛んでいる!

 ファングが、何とかスピードに反応して攻撃を受け流す!

 忠犬達は、ファングを魔剣のようなもので斬りつけながら彼の背後へと抜けていった。

 しかし、ファングの剛毛は硬い!


 ロゼッタは、テディのシールドを展開して攻撃を防ぐ!

 すると、彼女達を斬りつけて背後へと抜けていった一人の魔術師が、突然爆発した!

 ロゼッタは、驚いて振り返ってみる。

 すると、そこにはカミーリャの姿があった。

 彼女が、逃げ去る魔術師を撃ち落としたのだ!


 しかし、爆散した魔術師は、すぐにパーツが繋がって復活する。

 ファングは、それを見て苛立った。


「これじゃあ拉致があかねぇ! ハウンドの野郎を引きずり降ろさねぇと、キリがねぇぜ!」


 ロゼッタは、考えた。

 遠距離攻撃ができる自分が、ハウンドに全力で攻撃を浴びせよう!

 彼女はそう決意して、四体の魔具を周囲に集める。

 しかし!


「二人とも! 動かないでください!」


 突然、カミーリャが叫んだ。

 彼女は周囲を見渡しながら、警戒している。

 そして、彼女はロゼッタ達に告げた。


「周囲に、パペッティアの魔力の糸が張り巡らされています!」

「糸!?」


 ロゼッタは、目を凝らして周囲を見渡した。

 確かに、よく見ると広場全体に魔力の糸が張り巡らされている。

 恐らく、先ほどのハウンドの忠犬達が仕掛けていったのだろう。

 彼女がそれに気づいた、次の瞬間!


 空から、トリ型の魔物が襲いかかって来た!

 しかし!


 スパッ! ボトッ!


 突然、魔物が空中で真っ二つに斬り裂かれてしまった!

 魔物は無惨な姿で、地面へと落下する。

 ロゼッタは、その光景を見て驚いた。

 驚く彼女に対して、ハウンドが上空から声を掛ける。


「なんだ、知らなかったのか? パペッティアの糸は、刃物としても使えるのだよ!」


 そしてハウンドは、真っ二つになった魔物に目をやった。

 彼は口角を下げて、哀れな魔物に声を掛ける。


「馬鹿なトリだ」


 ロゼッタはそれを聞いて、再び周囲を見渡した。

 周囲は完全に、鋭利な糸に包囲されていて身動きが取れない。

 彼女達は、知らぬ間に動きを封じられていたのだ。


 すると、彼女達を取り囲むようにハウンドの忠犬達が降り立った。

 そして彼らは一斉に、両手のひらをロゼッタ達に向ける。

 これは、まずい状況だ!

 逃げ場がない!

 彼女達が絶望した、次の瞬間!


 ビュウウウウウウウウ!!


 突然、突風が吹いた!

 それと同時に、ロゼッタ達を取り囲んでいた糸がプツプツと切れる。

 ハウンドの忠犬達は、突然の出来事に動揺して周囲を確認していた。

 すると……。


 バタバタバタバタバタッ!


 五体の忠犬が、急に真っ二つになって倒れてしまった。

 どうやら、ロゼッタ達の後方から複数の斬撃が飛んできたようだ。

 ロゼッタは、後方を確認した。


 するとそこには、ブレイズの姿があった。

 ブレイズはロゼッタに近づき、突然告げる。


「パペッティア、これを使え!」


 彼女はそう言うと、両手を地面へと向けた。

 すると突然、大量のナイフが地面に突き刺さる。

 いや、ただのナイフではない。これは、全て魔剣だ!


 ロゼッタは驚きながらも、言われるがままに魔力の糸を使って無数のナイフを拾い上げた。

 それを見て、ブレイズは続けた。


「魔剣士の剣は、魔を斬る剣! パペッティアの糸を斬ることなど、造作もない!」

「あぁ……もし、お前が敵だったら、厄介だったな……」


 ロゼッタはブレイズの言葉を聞いて、少し冷や汗をかいた。

 すると今度は、ブレイズが左手を体の前へと突き出す。

 彼女の手には、魔力が集中していた。


 すると、次の瞬間!

 突然、ブレイズの左手に燃え盛る魔剣が生成された!

 先ほどまで彼女が右手で握っていた剣も、同時に燃え始める!

 彼女は突如として、二刀流になったのだ!


 その間に周囲では、忠犬達が復活して後退しようとしていた。

 しかし、ブレイズは彼らを逃さない!

 忠犬達が起き上がると同時に、バッサバッサと彼らを薙ぎ払った!

 彼女に斬られた忠犬達は、炎上する!

 そして、プツリと糸が切れてそのまま倒れてしまった。


 逃げようとする忠犬は、カミーリャが撃ち落とす!

 そして、ブレイズがトドメを刺した。

 五体の忠犬は、ことごとく炎上して倒れた。


「チッ」


 空中からハウンドが、その様子を見て舌打ちをする。

 すると今度は、広場に張り巡らされた糸が、次から次へとプツプツと切れ始めた!

 広場の中を、無数の魔法のナイフが飛び交って糸を切断したのだ。

 そのナイフを操るのは、ロゼッタだ。

 彼女は、魔力の糸で魔剣を振り回している!


 これで、形勢が逆転した!

 しかし!

 ハウンドも負けてはいない!


 彼は右手を掲げ、召喚魔法を使用した!

 広場には、次々と魔物が召喚される!

 大きな広場は、あっという間に魔物で埋め尽くされてしまった。

 これはいくら何でも、数人で対処できる数ではない。

 それに……。


 ロゼッタは、ブレイズに目をやった。

 彼女の魔剣の炎が、消えていた。

 そして彼女は、呼吸を乱している。

 恐らくあの魔法は、かなりの魔力を使うのだろう。

 彼女の魔力が、底を突きかけているのを感じた。


 ロゼッタ達は、再び絶体絶命。

 四人は、広場の中央へと固まった。

 彼女達の周囲を魔物が取り囲み、ジリジリとにじり寄ってくる。


 その光景を見てロゼッタは、ある人物の事を思い出していた。

 そして咄嗟に、一つのアイデアを思いついて全員に告げる。


「ここは、わたしが何とかしてみせる!」

「あん?」


 ファングは、訝しがるような表情でロゼッタを見た。


「何とかって……この数を、一人でどうするつもりだ?」

「彼女の魔法を使うのだ」

「?」


 ロゼッタは言うと、レイニーを握りしめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ