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第三十二話 コロリン族

 小さな丸い体に、小さなドクロの仮面。

 全身は茶色い毛に覆われて、フワフワしている。

 そんな生物が、草むらから飛び出してきた。


 ワンが言った。


「あれはコロリン族だ!」


 コロリン族は、世界中の森で密かに生活する部族だ。

 なんと、この世界樹の森にも住み着いていたのだ。


 草むらから飛び出してきたコロリン族は、何やら慌てている様子だった。

 彼はロゼッタ達に近づいて、何かを訴えてくる。

 しかし、コロリン族は独自の言語で会話をするため、何を言っているのかが全く分からない。


 すると、ワンが彼に近づいた。


「おい、何があったんだ?」

「ウィウィウィイイ!」

「ふむふむ」

「ウィウィー!」


 なんとワンは、コロリン族の言葉が分かるようだ!

 ワンは彼の言葉を、頷きながら聞いていた。

 そしてワンは、一通り聞き終えてからロゼッタ達に向き直った。


「どうやらコイツらの村が、他の部族の襲撃を受けたらしいぜ!」


 三人は驚いた。

 ワンは続ける。


「コイツは、俺達に助けを求めてるぜ! どうする?」


 クリフは、コロリン族を見た。

 確かに、助けを求めている様子だ。


「みんな、彼を助けてあげよう!」


 ロゼッタとカトレアも、彼を見捨てて置けなかった。


「分かった。行きましょう!」


 三人は荷物をまとめた。

 そして、コロリン族の案内に従って森を駆けた。


 キャアアアアアアア!


 森の奥で悲鳴が聞こえた。

 きっと、コロリン族の村からだ。

 三人は、姿勢を低くしながら茂みを進んだ。

 少し先に、開けた場所が見える。


 広場の真ん中に、古くて立派な木が生えている。

 その周りを、青い毛のサル達が囲っていた。

 よく見ると、木の上には沢山のコロリン族が籠城している。

 彼らは木の上から、サルに向かって風魔法を放っていた。


 サルは木に登ろうとするが、彼らの風魔法に阻まれて登れない。

 後方のサルが、木の上に石ころを投げつけた。

 すると、木の上でコロリン族の悲鳴が響く。


 キャアアアアアアアアア!


「やめろ!」


 クリフが、進み出た。

 サル達が、一斉に彼を見る。


 ロゼッタとカトレアも、現れて戦闘態勢をとった。

 すると突然、クリフが二人を制した。


「ここは、俺に任せてくれないか?」

「え?」


 二人は、彼の突然の提案に驚いた。

 ワンが、二人の隣で腕組みをして言った。


「アイツに任せな! 特訓の成果を見せる良い機会だぜ!」


 ロゼッタが、呆れた顔で返した。


「でも、ちょっと練習しただけだろ……」


 突然一匹の青いサルが、クリフに向かって駆け出した。

 サルの鋭い爪が、クリフを襲う!

 しかし……。


 スッ!


 クリフは、ステップで回避した!


 サルは更に追撃する。


 スッ!


 クリフはステップで回避する。


 ロゼッタとカトレアは、その様子を見て声を上げた。


「おぉ!」


 ワンが、ニヤリと笑う。


「こんなの、まだまだだぜ! クリフ! やれぇ!」


 クリフは再び、サルの攻撃をステップで回避した。

 そして、サルの側面に入り込む!


 サルは油断した! というような表情をしていた。

 クリフは、サルの顎を目掛けてパンチを打ち込む!

 彼のパンチは、サルの顎にクリーンヒット!

 

 サルは、フラつき倒れた。

 ノックアウトだ!


 カトレアが驚いて、ワンを見た。


「彼、魔法なしで敵を倒したわ!」


 ワンは口角を上げて、クリフを見守る。

 他のサルは、仲間を倒されて怒り狂った。

 今度は、一斉に飛びかかってくる。


 しかし、クリフは一匹一匹の攻撃を見極めて冷静に回避した。

 そして、隙を見ては相手の弱点にパンチを打ち込んだ!

 全て、魔法無しだ!


 サル達が、次々に倒されていく。

 信じられない光景だ。

 クリフは、本当に短時間で成長したのだ。


 ドンッ! ドンッ! ドンッ!


 突然、地響きがした。

 次の瞬間!


 ドーーーン!


 急に、広場が砂埃に包まれた。

 砂埃の中には、何やら巨大な影が見える。

 影はゆっくりと、クリフに向かって前進して来た。


 クリフが身構えると、影が正体を表した。


 ギョエエエエエエエエ!


 その正体はなんと、巨大な青いサルだった。

 きっと、このサル達のボスだろう。


 ボスザルは突然、自分の胸をドンッと大きく叩いた。

 どうやら、クリフに対して挨拶をしている様子だ。


 ワンが叫ぶ。


「ソイツは、お前との一対一の勝負を求めてるぞ!」


 クリフは、自分の胸をドンッと叩いて挨拶を返した。

 ボスザルは、何やら喜んだ様子だ。


 突然、ボスザルは腕を大きく振りかぶった。

 そして、一気に振り下ろして地面に叩きつけた!


 いつものクリフだったら正面から受け止めるが、今回はステップで回避する。

 ボスザルは、クリフを追って追撃する。

 速い! 先ほどのサル達とは比べ物にならない。


 ロゼッタが心配そうに見守る。


「魔法を使わなきゃマズいぞ!」


 ワンが、腕組みをしながら真剣な眼差しでクリフを見た。

 クリフは魔法なしで、ボスザルの猛攻を必死に回避している。

 ボスザルが、再び巨大な腕を大きく振りかぶる!

 その時!


 ワンが叫んだ!


「今だぁ! お前の新技を見せてやれぇ!」


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