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最弱魔術師のパペッティア  作者: がじゅまる
サブストーリー3
26/94

ラークの調査報告


 ––ここは町の騎士団支部。


 ハル・レオンハート隊長は、ラークからの調査報告を聞いていた。


 ラークはゴホンと一つ咳払いをすると、報告を開始した。


「まず、最初の案件です。先日、神殿で拘束した魔王教団についての報告です」

「うむ。ロゼッタ達が倒した連中だな」


「はい。拘束したメンバーが教団の支部の情報を暴露しました。現在、真偽を調査中です」

「なるほど」


「また、検死班からの報告です。殺害された祭司の遺体を解剖したところ、血液が全て抜き取られていたとのことです」

「祭司は搬送された時点で、干からびていたそうだな」


「はい。この事から、魔王教団は人間の血液を吸い取り、何らかの方法で魔力に変換しているのではないかと考えられます」

「なるほど」


 ハルは、窓の外に見える神殿に目をやった。

 ロゼッタ達が、魔王教団と戦った場所だ。


 魔王教団のメンバーは赤髪の少女が、ぬいぐるみを使って戦っていたのを目撃したと証言している。

 ハルは出来る事ならば、この件は上には報告したくなかった。


 ロゼッタがパペッティアである事が知れたら、王の猟犬が必ず彼女を殺しに行くだろう。

 ハルは、何の罪もない少女が死刑になる事に納得がいかなかった。

 彼女の正義が、許さなかったのだ。


 しかし、立場上無視するわけにもいかない。

 ハルは、魔王教団のメンバーが錯乱状態にあると報告していた。




 ラークは、二つ目の案件の説明に移った。


「次の案件に移ります。先日、カトレア様の協力で逮捕に漕ぎ着けた商人の件です」

「闇のマーケットで、人身売買を行っていた事件だな」


「はい。その後、他の支部の騎士団と協力して売買された人々の行き先を調べてみました」

「ふむ」


「その結果、売買された人々は最終的に王都に送られていたことが判明しました」

「王都だと」


「はい。王都のどこに輸送されていたのか、詳しいことは現在調査中です」

「何故、王都に……」


 王都で人身売買が行われているとすれば、余程の権力者でも無い限り隠し通せないだろう。

 これはかなり、危険な案件なのかもしれない。




 ラークは続けて、三つ目の案件についての説明に移った。


「最後の案件は、魔物が人語を発するという現象についての報告です」

「うむ。最近、確認される様になった怪奇現象だな」


「はい。ここより東の村でヤギ型の魔物が”クルナ”と発した。更に北の湿地ではブタ型の魔物が”ウソダ”と発した。と報告を受けております」

「……」


「恐れながら私の推測を申し上げますと、魔物達が我々に何らかのメッセージを伝えていると考えられます。しかし、具体的に何を伝えようとしているのかは不明です」

「”セカイジュ”だ……」

「はい?」


 ハルは、この現象の最初の事例をクリフから報告されていた。

 ただ、当時はまさかと思い、あまり重く受け止めていなかった。

 しかし、これだけ同じような現象が多発しているのだ。

 これは何らかの意味を持った現象だと考えた方が良いだろう。


 セカイジュ、クルナ、ウソダ。

 誰かが、世界樹に来るなと言っている。

 いったい誰が、何のために、どうやって。

 嘘とは一体なんだ?

 分からないことが多すぎる。


 ハルは椅子に深く腰掛け、天井を見た。

 するとラークが、優しく声を掛けてくる。


「お茶になさいますか?」

「ああ、頼む……」


 トントントンッ!


 誰かが、ドアをノックする音がする。


「失礼致します! 急ぎの報告であります!」

「なんだ、入れ」


 騎士団の隊員が一人、入室してきた。


「ご報告いたします! 王の猟犬が、こちらの支部に向かわれているとの事です!」

「なに!!」


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