エタるのは悪か否か。
今回はさりげなくかなり重要な話をしておきましょう。手っ取り早く高ポイント、からの書籍化を目指したいエコ志向な人はいらっしゃいますか?
本当に効率だけを考えるのであれば、数打ってウケなかった作品は片っ端からエタらせていくのが良いです。そしてヒットした作品だけを続けていく、これは1つの正解ではあると思います。
モラルとか読者への配慮とか、そういうのを一切無視すればこれが最適解かもしれませんね。
でもここではまず、1つの作品を完結させるメリットから考えましょう。僕が思うに、長編連載を完結させるメリットとは3つ。
1.完結作品を持っている作者という称号が得られる
2.1つの作品を完結させたという経験値が得られる
3.完結ブーストの恩恵に預かれる
こんな感じでしょうか。
1は外へ向けたアピールとしてはとても良いですね。この作者は作品を完結まで導くことが出来る人だ、という評判は非常に重要だと思います。僕も欲しいです。←エタる人。
2は自分自身の経験値として、ですね。長編のしっかりと終わらせるのはとてつもない重労働です。そんな一大プロジェクトを完遂したなら、書き手としてかなりレベルアップすることでしょう。この経験は次回作の執筆の際にも必ず活きてきます。
3は完結直後から猛烈にアクセスが増える現象です。これは、なろうのトップページの“完結済みの連載小説”欄に載ることから起こる現象です。通常の数倍、数十倍、うまくすればそれ以上にアクセスカウンターが回りまくります。圧巻の光景ですよ。ここで流れを掴めば、完結してからランキングを駆け上がれる可能性もありますね。
さてどうでしょう。連載作品をしっかり完結させることにはそれなりのメリットがある気がしますよね。実際、何物にも替えがたい達成感は存分に得られますし、悪くないですよ。酒が旨いですね。
なろうで連載作品をちゃんと完結させられる作者というのはかなり希少なようなので、読者に対する誠意や読者からの信頼という観点からすればもちろん終わりまで書ききることが大事なのは言うまでもないことですね。
冒頭ではエタってもいいから数を打て、なんて言いましたが僕は可能であればお話はすっきり終わらせたい派なのです。
でも、いくら書いても全く読者から反応が返ってこないしポイントも伸びないしモチベーションも急下降、苦しい、連載することがもうしんどい。こんな状態になってまでその作品に固執する必要はないと思います。
たった1人でも読んでくれている人がいるなら書き続けなければ、というのが本当に原動力になるなら続けてもいい。ただ自分に言い訳しているならきっぱり止めてもいいでしょう。実際、アクセスがあったからといってそれが固定客かどうか判断は出来ませんよね。毎回感想をくれる人とかは別にして。
書籍化を睨んで書き続けているなら、あまりにもウケない作品は切った方が精神衛生上は良いです。エタらせることに強い抵抗を覚えるなら、一時的に連載をストップしているとでも考えておくと良いでしょう。心に余裕が出来たらいつでも再開は出来ますし。
あくまで読者側からの、エタは悪、という論調に負けてはいけません。エタるのは作者だけの問題ではなく、読んでいるのに何の反応も示さない読者にも問題があるのです。そう考えましょう。
なので冒頭の主張へ繋がるわけです。最短距離を目指すなら、エタは仕方がない。
でももっと計画的にやればエタらせずに数を打つことも出来ますね。それは書き溜めをするということです。
理想的には作品を完結させてから公開すること。これならエタは絶対に起こりませんし、毎日更新を続けながら別作品に着手も出来ます。しかも今の作品が人気出なくても冷静に分析できるので執筆のモチベーションにほとんど影響を及ぼしません。
が、既に作品をスタートしてしまってて、人気が出ず苦しんでいる方は、一度その作品から手を引くのを考えてみてもいいと僕は思います。
自分の話をすれば、あまりにもクオリティが低いなと感じた作品はエタらせて非公開にしたりしています。自分の名前で作品一覧に置いておくことの価値が無いと判断したら容赦なく切り捨てます。そして見えないようにする。これもプロモーション戦略の1つであると思います。
自分で自分を縛り過ぎる必要はない。プロの世界でさえ、売れなければ切られます。ましてやアマチュアが、ウケないものを後生大事に置いておくことはない。
それと、なろう発の有名作品について少し考えてもらいたいのですが、アニメ化したり100万部売れたりしているものでも、作者名をすぐに思い出せる作品っていくつありますか?
なろう小説の作者名ってあんまり覚えてなくないですか?
実は、なろう小説は作者というより作品そのもので評価される傾向にあるので、たとえエタを連発する作者であってもそれほど当人の評判は落ちないのです。
多くの読者は作品単位でしか見ていない。もちろん、面白ければその作者の作品一覧を漁る方もいるでしょうが、大勢ではない。
なのでエタで読者の信用を失わないかと心配になったら、プロでもやってるし大丈夫と考えてください。大切なのは自分が楽しく書き続けられること、手応えを感じながらステップアップしていくことの筈です。
色々と試行錯誤して行くなかで磨かれるものもある。エタを連発するということは作者としての甘さではありますが逆に、作品の書き出しをたくさん練習しているとも言えるわけで一長一短です。
周りの声に惑わされず、自分がどれだけ目標に向かって合理的に進みたいか、健康に書き続けたいかで判断していいんじゃないでしょうか。
お、今回はなんかいいこと言ってる気がする!
前回とは大違いだな(笑)。
次回からはこのエッセイも大詰め、最近の音楽業界のちょっとエエ話を紹介しつつ、高ポイント=面白いという当初からの主張について改めて考えてみたいと思います。
気づいた方もいらっしゃるでしょうが、実は前回の予告とは違う内容になっています。というのも、なろう小説とソシャゲの関係については結構な分量書いたのですが今一つまとまりのない文になってしまい、もう少し推敲が必要だと感じたので後回しにしました。いずれ、もっとすっきりまとめて公開しますね。