低ポイントで書籍化狙うくらいなら、高ポイント狙ってみたらどうだろうか。
低ポイントでも書籍化出来る。低ポイント書籍化作品でも売れる。ポイント絶対主義を破壊する。
このようなことを、件のエッセイは主張しております。まぁ書籍化は実際出来た人もいるのですからその低確率については目をつむるとして、問題はその先です。売れるの、それ?
ちなみに件のエッセイの作者は自作の売上について驚くべきことに一切、何一つ言及しておりません。いや、そこは最初に語ってくださいよ、語るべきでしょうよ。
夢のある内容のエッセイを書こうって時に、具体的な成功例については伏せるのかよ、と。
低ポイントでも売れることはどうやって証明するんですか?
そもそも、売れるってどの程度の売り上げを言ってるんですか?
10万部? 100万部? まぁこれくらい一冊で売れるんなら、低ポイントでも売れると言っても問題ないでしょう。
出版社に、プロに対して、低ポイントでもちゃんと売れるんだと印象付けるためには、高ポイントの作品以上の売り上げを叩き出さなくてはいけません。だって、高ポイント作品と同等以下なら敢えて低ポイントを拾い上げる意味が無いですからね。
どうなんでしょうね、実際。誰かデータをお持ちの方がいたら教えて欲しい。ただ僕の考えを先に言わせてもらえば、そんなには売れなかったんじゃないかな? だって現状のポイント絶対主義に何ら変化ありませんし。
一つのたとえ話として、車の事故による死亡者数と飛行機の事故による死亡者数を比べた場合、もちろん前者の方が圧倒的に多いですよね。でも飛行機事故はいざ起こった場合ニュースでも大きく報道されますし、墜落した時に乗客が死亡する確率は車よりずっと高い。
このことから飛行機が危険な乗り物であるという漠然とした不安を抱く方は一定数いらっしゃると思います。けれど個人の印象を排除して単純に数字だけで語るならば飛行機よりも車の方が遥かに危険な乗り物なわけです。
同様に、低ポイントでの書籍化は稀な出来事ですが可能性が0ではないですし、凄いことなので実際以上に大袈裟に捉えられがちなのではないでしょうか。低ポイントと高ポイント、どちらがより書籍化されやすいかと考えたら、自ずと書籍化へと至る最短距離も見えてこようかと思います。
ここで一応念押ししておきたいのですが、ポイントを取るためのアクションと作品自体の質とはほとんど関連はありません。いや、つまらない作品でも大丈夫と言っているわけではありませんよ。作者はみんな自作を面白くする為の努力を行っているのだから、どれもそれなりには面白いと仮定しようじゃありませんか、ということです。
更に言えば、どのような作品にもヒットの芽はあるのだから、できれば自分が面白いと思って書いているその作品が人気になるような方法を考えたいじゃないですか。
なろうはテンプレだらけであるなんて言う人もいますが、僕はそうは思いません。作品にテンプレがあるのではない。多くの読者が求めている要素に、作者の方が寄せているだけです。需要と供給の問題です。まぁ最近は供給過多な気がしないでもないですけどね。
というわけで、今回はシンプルに、どうやって作品をプロデュースしてゆくかという点だけを考えてみようというわけです。
結構いろんなエッセイで言及されている内容だと思うのですが、なろうでヒットを飛ばすにはまず、タイトル、あらすじ、タグ、書き出し、これらは抑えておきたいところです。
なろうの作品数は膨大です。60万作品以上あります。しかも毎日更新している作品も多いし新作もどんどん投稿され続けている。新着の作品欄も、ランキングも、恐るべき速度で流れている激流です。その中で読者に対して自作の面白さをアピールする為には、パッと見で面白そうと思っていただかなくてはならない。
なので、タイトルですね。タイトルで、その作品がどういう内容でどういう結末を迎えるのか、何がウリなのかを全部書いてしまう。
次にあらすじ、ここも内容をほとんどネタバレに近い形でもいいのでわかりやすくまとめつつ、その作品の楽しさを前面に出しておく。間違っても苦しい修行であるとか鬱展開多めとかは書かない方が良いですよ。
タグについては、検索上位にあるものの中から自作に少しでも関連していそうなものは片っ端から放り込んでおくとよいでしょう。たまにジャンル警察とかが飛んできますけど無視してください。今は売り込み方のみの話をしているので、モラルについては後に考えればよい。
あとはなにせ、書き出しですよね。第1話。ここでも変なポエムとかは絶対書かない方がいいですよ。本筋のお話に即座に入るのがいいと思います。あなたがもし無名の書き手なら、絶対に面白い場面をいきなり第1話に持ってくるべきです。自分の作品は5万字過ぎたあたりから俄然面白くなるから~とか言ってちゃいけません。すぐに、冒頭から面白くあるべきです。こんなこと言ってる僕もそんなうまく書けません!(笑)
のような4つの要素はもう語り尽くされた感がありますしプロでも言ってることなので可能な限り実践しておいた方が良いでしょう。ちなみに個々の話題はさらっと流します。具体的には他の方のエッセイやツイッターでプロの創作論を読んでください(人任せ)。
あと、なろう限定ですが作者同士の横の繋がりもやはり大事だと思います。相互評価クラスタに入れと言っているわけではありませんよ? 相互クラスタを否定もしませんけど。
せっかく活動報告という素敵な機能があるのですから、勇気を出していろんな作者と交流して、顔を売っておくと得なことが多いです。
とにかく、新連載でロケットスタートをきるためには最初にいかにポイントを稼いでランキングに載せるかが重要。そのためにはちゃんと読んでちゃんと評価してくれる人間は多いに越したことはない。それに創作活動とは孤独な勝負です。だからこそ、苦しみや楽しさを分かち合える仲間がいることは素晴らしいことですよ。他の作者の頑張りに感化されてモチベーションも上がるかも。あと読み合いすると勉強になりますしね。
なろうに限った話をすると、ツイッターでの宣伝はあまり効果はないと思います。なろうは他の小説投稿サイトとはけた違いの人口を誇るサイトであり、活動報告によってツイッターと同じように交流が可能だからです。むしろ内部で頑張って宣伝した方が手っ取り早い。ツイッターはサブウェポンくらいに考えるといいかも。まぁこれもフォロワー数が1万を超えるような人なら話は変わってくると思いますが。今から宣伝の為にツイッターを始めようかなと思ってる人は、先になろう内で顔を売った方がもっと早く幸せになれますよ。
おお、なんか今回は普通過ぎる内容で全然過激じゃないな!(笑)
まぁたまにはいいでしょう。
次回は、こういう方法とは別に、なろう小説に求められている役割、ニーズなんかの話をしたいですね。
主にSNSやソシャゲとの関連から論を進めることになると思います。
どんどん内容が普通の創作論になってきていて申し訳ありません。でも、変に近道しようとするより普通に努力した方が良いと僕は思っているので。
ではー!
アカン、内容が普通過ぎる!全然喧嘩売ってねぇ!←そこかよ!?
うーんでもこのエッセイ、作者に対してはそれなりにタメになる話をしていると思うけど読者にしてみたらいい迷惑な話かもなぁ。