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君のありか

作者: 飛水一楽

クローバーの花言葉

「幸せ」「約束」「復讐」

を元に作ってみました。



「クローバーってシロツメクサのこと。カタバミじゃないの」

 頭上で始まる君の主張に、呆気に取られる僕。

「ごめん、どっちがどっちか見当もつかないんだけど……」

 寝転がる僕の顔に、君が息巻いて両方の草を示した。

「いい? これがシロツメクサ。花冠にするやつ。で、こっちが」

「カタバミ……ね」

 僕の溜息に、君が満足そうに頷いた。




 四葉のクローバーは、突然変異なのだと君は言う。

 あるところにはあるし、ないところにはない。


 幸せはあるところにはあるし、ないところにはない。

 そんな風に言われているみたいだと、僕はふてくされる。


「がっかりした?」

 心配そうに尋ねる君に、

「聞かなきゃよかった」

 と僕はつぶやき、それから屁理屈を言った。

「あるかどうか分からないのを探すのが面白いのに」


「そうだね」と舌をちょっと出して、君は隣に寝転んだ。

 そんなあどけない君の横顔を、僕はいつまでも見ていたかった。




 幸せを探していた。その時間こそが幸せなのだとしたら。

 どうしてあの時、気付けなかったのだろう。


 この広い世界で巡り会ったこと。

 毎日教室で一緒に過ごしたこと。

 当たり前なんかじゃなかったのに。


「またね」

 そう約束して別れたあの日。

 君は微笑っていた。

 その笑顔に、僕はいまも復讐され続けている。


四つ葉は突然変異だという下りがありますが、

実際には、人などに踏まれて、原基(葉っぱの赤ちゃん)が傷つけられることで、三つ葉が四つ葉(もしくは五つ葉、六つ葉…)と変化するようです。

ちなみに最高枚数は56つ葉で、岩手で見つかってます(どういう踏まれ方をしたのやら)

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