表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/401

第四章 単なる技術の問題だ 05 AI探偵

 新生寧鑼チームのリーダーを、ひとめ見た一月拱が、大団円をぶち壊してがなり立てる。


「お前の所為だ! おまえエェッ! 全部お前が悪いんだ! 聞いてるんだろおぉがぁ!」


 驚かれるかもしれないが、たとえこんなときでなくとも、七七七瀬なななせ寧鑼ねいらは喧嘩を買わない。

 小さくなって俺の後ろへ。姉ながらかわいい。

 七七七瀬なななせ瞑鑼めいらなら?


「ちょっと、いきなりどういうこと?」強熊こわくまこあくは買う人だった。浮遊機のドアをばたんと閉める。「見てわかんない? 私たち今来たところなんだけど? この子に何か因縁でもあるわけ?」


 主人公は――とか、そんな格好いい理由じゃない。

 単に全滅を防ぐために分けてただけ。


「誰ひとりとしてお前らとは繋がっていない状況で発生する事件にばかり主人公を遭遇させ続けたら、そのことそのものが解き明かさなきゃいけないミステリーになっちまうだろうが! はい解けましたっ、犯人は作者! 犯人はオレ~っ♪ チッ! くそが! 終わりだよ! 今後の探偵小説のタイトルはみ~んな、AI探偵っ♪ で決定♪ ぼくの考えた真新しい探偵も、わたしの温めてきた奇をてらった探偵も、みぃぃ~んな『AI探偵』で固定ですっ!」


「はあ? クスリでもやってんの?」


「お前の所為でオレたちは、全部おしまいなんだよ! おまえらのせえでえええええっ!」


 俺は犯人の口による、言い訳がましい自分語りに、さほど抵抗がない方だったのだけれど。


「あっ! あっ! あああ――……っ」


 何が起こったのか。事実を並べよう。一月拱がこぶしを握り締めて殴りかかった。長身のこあくちゃんが、掴んだ右腕に冷たい視線を落とす。後遺症のことを知らなかった一月拱が一瞬、感電したことに驚いて、そして――?


 何かが吹っ切れたらしく、力なく笑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ