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第四章 単なる技術の問題だ 04 濡れ手で栗に加筆する

「うわっ! なんか車の画像ばっか出てきた! KGB」


「車ぁ? うわまぢKGB」


 話は変わる。前述したように、俺はこのクイズの解と、今回の話の大団円を、同一視してはいないのだ。七七七瀬なななせ瞑鑼めいらなら間違いなく、首以外には目もくれないはずだから。


(あいつなら意外と憶えられるんだ)


 俺だって憶えられないわけではないが、とちおとめ、あまおう、さくらももいちごを、いちどきに紹介された場合などは、リンク先の修正に後々追われがち。河馬、河豚、海豚の三つもわりかし混線しがち。海鹿を提案したら地名にあった。濡れ手で栗に加筆する。


「ティナちゃん、パパもそれ食べた~いって♪ あらやだママにくれるのぉ? うれしー♪」


 大体どこでも猫キャが一番、正妻ポジを応援されがち。スプーンに乗せられたフライドポテトに苦戦する。今のこあくちゃんを鏡に映したような前髪。和スイーツな和装ファッションで、ピザもチキンもスプーンで、いくのかお前。無理だろ、ぷるぷる。ボト。グサリ。……。


 この子の名前は……アルア、リータ。揶揄されて然るべき中年が、どうしてかクソ生意気にデリケートな、その、所謂、長幼序だ。こいつとこそ一緒に入りたかったって? まあまあ。俺よりも背の高いあの腕白な三人が、実は小6でした~とかはいいから? まあまあ。


 絹のような肌触りであろう脱色ロングは定石通り、浴外でも女子好みに編み上げられたまま。白と銀のチャイナドレスから赤褐色のおし、腰をのぞかせているのが、タルサちゃん。お尻。

 ゴールデンレトリーバーぱつって俺が言う。髪型は姫カットで虹彩はピンク。屋内なのに手袋までして、春なのに遠赤外線ヒーターをはべらせているのが、ナイデスちゃん。京の着痩せ。

 目が合うと同時に笑って瞳の奥を隠す仕草がどうも他人とは思えない。流されて困ってるんです~の演技がまだまだ青い。自己主張は靴下だけに留めているのが、ゼヲアちゃん。女眄おんなななめ


「丁字路の丁に、寧馨児ねいけいじの寧だァ――ッ!」


 お前の名前は知ってるよと、俺に言わせないためだけにかよ。

 お前の心臓は知ってたけど鋼だよ。


「……………………」


 これ以上俺の男の声で回想する代わりに、彼女・・に今度は更に詳しく、あらためて語ってもらえれば、それが一番だったのだけれど。とてもそんなことをお願いできる空気ではなかった。目先の勝利を積み重ね続けたい殉情じゅんじょうは、総得点で上座に着く真の勝者と実に相性が悪い。


 何が起こったのか。

 ひとつ前の騒動を紐解かないわけには行かない。

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