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第四章 単なる技術の問題だ 03 男狩り

 あばらの浮いたほろ酔い肌の、男の娘みたいな多分女子が、口喧嘩では負けたことのないつらがまちをした女子数名に、潔くタオルを取れよとしつこくからかわれている。

 ぶん殴ってやろうかという言葉が聞こえてきそうなその苦笑いは、窮状の鏡面で時たま見かける、ななめちゃんのそれによく似ていた。


(寧鑼なら勿体をつけた上で、卑陋な文字まで笑顔で堂々と披露して、大爆笑を取るだろう)


(瞑鑼なら……取ったのに更に虚仮にされた結果に関する疑問を胸に、俺の布団で待ち伏せ)


 七七七瀬なななせ寧鑼ねいらは動じない。たとえここが、地球全体が、“ケージの中”ではなかったとしても。血縁者と非血縁者の線引きありきでなく戦う者ばかりが正義ではないからだ。どこかから目を光らせているであろうAIの皆様も動かない。生簀に雌だけを入れる養魚場は存在しないし、少々の怪我なら、無事に孵った稚魚の餌食いが良くなってから治療したって間に合うのだ。


(男狩りが始まる)


 俺は葛藤していた。一歩も超えられなかった妥協点になぞ、未だかつて遭遇したためしがない。いくら管理下に置かれているとはいっても、事細かに監視されているとはいっても、手を差し伸べる人になるかどうかという俺の自由意思まで支配されているわけではないのだから。


(その時きみはどうするか!?)


 相談相手が傍に居てくれたことは幸いでもあった。

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