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第四章 単なる技術の問題だ 03 お金儲け

 お金儲けについて。


「ないまぜにしてるというか。一緒くたにしてるというか。細分化を試みようと閃くのもまれなのね? 大概の人は。なんとなく把握してるの。でもそれじゃあいけない。いけなかった。大きく分けてふたつあるのはわかるわよね? そう、十二分な資金が手許にある場合のマニュアル(A)と、そうでない場合のマニュアル(B)。


 大金持ちでありさえすれば、お金儲けができるのか? いいえ資産家の域に達すれば、動機の方を失ってしまうでしょう。相続した三代目が破産する話や、当選した宝くじに地獄へ連れて行かれた話なんて枚挙に遑がない。


 そうでない場合――お金儲けをできる最低のレベル――というのも、世界全体に視野を広げれば相当に高いものなんだけれど。でもたとえばこのジャパン州で、スマホとPCを所有していさえすれば、一生路頭に迷うことがないかと問われれば、ぜんぜんそうじゃないわよね?


 四タイプある。

 今度は『稼ぐ』という方向へ歩みだした段階の人々の分類よ。


 一、お金持ち。二、借金をすればお金持ちと同じステージに立てるという閃きに、疑いを差し挟むことができない博徒。三、普通に生まれて普通に生きて、普通な金額だけ稼げればいいやと考える普通人。そして四。親が金持ちだったわけでもなく、かといってわざわざ借金をしてAのマニュアルで稼ごうと試みるつもりもなく、またごく普通の収入で妥協する気もさらさらない野心家。


 そう、細かく分ければ三種類はあるのよ、手引きの方は。

 一番目は何度も言ってるように、あらかじめ大金持ちであること。マンションを建設してその管理人になるために、前代未聞の着想なんか、傑出した想像力なんか、1ピコたりとも要らないわ。

 二番目ももう一度説明すると、お金を借りてアパートを建立してそのオーナーとなるたぐいの技法。なければあればいいんだ以上の妙案に辿り着けなかった、Bの表といったところかしら。


 三番目。

 Bの裏。

 四の人が活用するお金儲けのマニュアル。


 これが――『損して得取る』というやつでね。普通人は閃いたら実行しなきゃ意味ないと思ってる。これが大間違いなのよ! お金儲けに関する話題に興味がない人間など居るわけがないという真理まで獲得しておきながら! アイディアを捻出する努力が絶対に0円で済まされるでしょうか? 閃きを開示すれば嫌われますか? 作中で架空の金銭を、実際に動かして見せましょう」

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