第四章 ぷにぷに 第七節 黒渦深夜閲覧注意
「なんだその他人を見下したクソ生意気な目つきは……!」
鳶にも勝利するんだ。
パフィンなんてカラスにとっては、鈴虫の前の茄子だった。
「解らないのですか? 答えたくないのですか? それとも思考する能力が欠如しているのでしょうか、この裄丈も無い尿には?
『法律で決まっているから』。『馬鹿か何がなんでもだ』。『悲しむ人がいるからデス他人ノタチバニタッテカンガエマショウ』。『好きなようにすれば? ソノカワリジブンガオンナジコトヲサレテモモンクハイウナヨ』――
まあこんなところですか。『そんなコトを言い出す時点でシアワセのなんたるかが解っていない』――よく聞く言葉ですねえ、『論点がズレている!』いいえズレていません!
私も苦しいのですよ? 取り除けるものなら取り除きたい、常々そう真剣に考えながら頑張って食べてます♪ いえ極力残さないようにしようと努めてはいるのですよ?
お前達こそ何を食ってんだ!? 出た――ッww!! DOUBTは人間様の下位存在だからという恣意的極まる理屈で善人サイドにしがみつこうと試みなければ頭が狂ってしまう”正義の襁褓”共の臭い息!
それでは豚の上位存在が誕生した暁には、喜んで食肉になりますと宣言しているようなものだ……。
だから一体どうしてだと訊いているんだッ! 酷だろう!? 涙が出るだろう!? それなら今直ぐに辞めろッ!! 巻き込んだ側に全責任を転嫁して、見よう見まねで強がっているだけのお前に、国家自称魔法少女は勤まらない……!」
「黙れ、手前みたいな阿房と喋っていると、脳味噌に蛆が湧く」
「話をすり替える! それを職務怠慢と言う! 逃げ腰! 明日にでも自殺に見せかけられて、海の底で永遠に王子様のやってこない眠りにつくつもりなのでしょうか?
嗚呼っ! たった一度でも腐った血の匂いがついてしまえば価値がなくなるというのに……。仕方がない、仕方がない、本当に仕方がないですけれど、君のトモダチは、実にその――、」
「、殺して食べちゃいけないからだよ」
「それは私が言いました」
「やっぱり阿房だ。頭が悪い。殺して食べてもよくなったら、そこには奴隷用の雑用作業しか残らないだろうがボケ。罪悪感ばかりを渇望するような生き物は、少なくとも人間の上位存在ではない。つまりそれは好奇心ではなく天邪鬼。しちゃいけないからしたいだけだ違わない」
「…………」
「そうしたらお前は金の力で別の誰かに屠殺をさせて、結局スーパーの鶏肉で舌鼓を打つだろうよ。誰がどう考えても獣肉の方が、臭くてまずくて栄養価が低くて、太り易くて健康に悪いからな」
「……、……まさに、」
そうですね実は私、鶏肉が一番好きなんですと、クロウズグリードは笑った。
「人生詰んで、天まで踊れ――」
頸部を握り締め上げていない、右手が胸元へ移動する。
遠すぎて、よく見えない……。
女性かと思った、女性だと思った、焼きすぎたお餅のように膨らんでついにバツンとはだけて、
「《黒渦深夜閲覧注意》ッッ!!!!」
鬼黝く黥まれた白堊の天馬が、そこから幾千も飛び出した!!
「ふぅN!? ガッ、H9ががあが! おっおー……!」
「くふぅっ、『おっおー』。ガァギャギャギャギャギャ!」
パフィンブラッドオレンジソードスミスが空中で明滅。
夜々・オリーヴィア・ヴァンダービルト女子小学生の姿へ戻る。




