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第四章 BRBB 18 硬骨


        16



 熱を感じて振り返る。

 右腕が蛇のように何かを捜す。

 おれは咄嗟に埋火うずみびリュミナの顔面を、自分の胸へ抱き寄せた。


 間一髪!

 ファビュラスマゼンタの鋭い瞳がカッと見開かれ――、

 意外にも落ち着き払って起き上がる。

 しかしその目はしっかりと、標的を()めつけたまま。


 ゆら、ゆら、ゆらりと引っ掴んで踏み込んで、一陣の風になった彼女は、飛び込むと同時に平手打ちを食らって土瀝青(どれきせい)へ突っ込んだ。細流せせらきらいあがカルカと叫ぶ。細流せせらき氷麻ひょうまが目を覚ます。白銀のキングチーターが、シロップとアイドルソングを喀血しながら、虚空へと吼え散らかす。


 香然の気で分身が作れたか、いや秘書になる前のバーコードがそもそも共犯だったから――!

 変わり果てたマオにゃんが、右へ左へよろめきながら迫り来る。レッドがグリーンを抱きしめる。そうだ好乃いいのは全くあてにできないんだった! どうしよう!?


 気合を入れる掛け声に続いて辺り一帯に春が来た。

 全てのお弁当が本来の五月を取り戻し、鼻と口にタラが入って、氷麻ひょうまが凍死を免れる。


(なんという、食事と時短の複合技……!)


 ブッ刺した剣を杖にして、よろよろと立ち上がった彼女は、全員が見守る中、とんでもない行動に出た。ブラッドレッドブレッドブレイド、《鋸先輩ノコギリセンパイ》を引き抜いて――ホームラン予告。暴走の雪女猫(ゆきおんにゃ)が、猫科で唯一引っ込まない爪を、再び我らが御飯鮫へ振り下ろす。


『今日を絶対、生き抜くんだ!』


『どんな手を使っても!』


『恍惚合体!!』


 ごはん・メカ複合もくだったからこそ成し得られた芸当!

 ここぞとばかりに開かれた、自慢の鮫歯が(つるぎ)を喰らう!



『ノコギリ・(サクラ)・メガロドン!!』



 そんなメガロドンはいねえ!

 戻ってきた翡翠の目玉が桜色の肌に光る。小柄なチートへ体当たり。罵り合った二体によって、バトルステージが上昇し、競い合った二体によって、おれが感動に涙した。

 あれは……!

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