第四章 BRBB 03 規格外
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先日の『ずうふぁ騒動』について、少しだけ補足しよう。
味噌顔ティシューペは現在独りで入院中だが、五砂時穂はどこかへ消えた。
…………。
少しだけ。
だってもう正直、わけわからんよ。
情報が多すぎて脳で処理できない。
あるいは異質すぎて。
今はいつなのか?
五月十二日、土曜日の、午後一時十五分だ。
今日初めて読んでくれたお友達もいらっしゃると思うので、天候まで説明すると、曇天も曇天、ほとんど夜とたがわぬ暗さの、屋外はだいたい氷点下30度前後だ。
今日はこれから用事があるから、自分語りをさせてもらうと、あらかじめシフトを代わってもらっていて、朝にコンビニで、レジ打ちとコーヒーの手渡しとレジ打ちをやってきたわけだおれは。
午前中にここで何があったのか?
今度は妹を引き連れて、大冒険をしてみたらしい。
埋火家のキッズはちょっと、なんだろうね? 『規格外』だよな。
大冒険と言ってもまあ、タクシーでうちまで、お姉ちゃんに会いに来た――程度の話だが。
あと特筆すべきことと言えば、まあこれは現在進行形でもあるのだが、埋火カグラザと白亜木てぃら美が、意外と馬が合っているという事実、の報告?
おれが分析するに、おっぱい大好きを隠しもしないJSも、短足にも神乳にも自信と誇りを持っている、ロシアンクラスの甘党ちゃんも、少数派というくくりの中では同族だからだ。
ただ、飯の後に、おれに勉強をさせるかどうかで、意見が分かれはしたけれど。
てぃら美:「えっ、うん……1回だけしたよ、んふw おっとなだからね♪」
カグラザ:「クソハーレムルート進んでんじゃねえか!」
献立はこんな感じだった。
塩味が足りてるヴィニグレートサラダ。
マヨネーズで簡単に自宅でもサクサクの天ぷら(シソ・ちくわ・ナス・イカ・かぼちゃ)。
モツの味噌汁。
豚とレタスのしゃぶしゃぶ鍋。
細流ママがおれを見たときのリアクションは、目の覚めるような食欲減退色だったのにもかかわらず、上着を脱いだ人妻の、ノースリーブ縦セーターと、鼻腔へそよぐ女の香りと、あんな所にもあったセクシーすぎるほくろのシナジーが強烈すぎて記憶から飛んだ。
ベタとか王道とか直球は、努めて敬遠しているつもりだったのだが、ノースリーブじゃなかったとしても、縦線多めの縦セタだけにはもうほんと、なんと言えばいいのか……、『脳殺』を字義通りに履行できる魔力があるというか……。
(ちなみに職業は歯科助手らしい)
(殺す気だ)
筋肉マニアじゃない女子でも、隣にバルクアップ中の半裸のボディビルダーを寄越されたら、きっとこんな気持ちになる。
男は別に筋肉じゃない派に、人は中身だと主張する立場に、揺らぐことなく屹立していたかった正義の過去と、妙な言い訳で対話を試みる。
(嗚呼おれは、“谷間”がおっぱいの中で、一番興味ないだけなのかもしれない)
尻尾がシャークなキメラバニーカルカは、うちの鋼の心臓席で、右胸の上にほくろがあった。
細流百合あが必死に真顔で、咄嗟に隠した瞳の奥の、頭の中はわーってなってる。
中身がオヤジな中年爛漫川は、煩悩を包み隠したためしがない。
誰もが食べる前に連写する。
カグラザ、リザメが食事を終えても、好乃が「かわいい」を連呼する。
白米の方が高価なので、土木作業陣への差し入れは、貰い物のチキンソーセージだ。
カルカ:「みてみて好乃、『クラスパー』ww」
好乃 :「ファーwww やっちまったな! 男は黙って、ゴノポディウムww!」
青と赤:『やめなさい! はしたない!』
本日の白亜木てぃら美は全てが赤い。
(朱トゥルムテュラ美というか)
(ブラッディデスザウ美というか)
気に入ったのか、こないだの真紅のカラコンはそのままに、こないだのバーニングツーサイドアップ? の、黒の部分を赤に変えてる。
髪を留めるのはリボンでも鋏でもなくて、揚々と燃え上がるスカーフ。正義の魂、ライダーマフラー。
(葉っぱまで真っ赤な薔薇……)
最後に――、どうしようか迷ったけど、すまん、やっぱり言う。
ぶっちゃけた話、この地点も、加筆と修正の境目なんだ。
だから以下は、ちょっとどころか最後まで、ノリが痛かったりボケが寒かったり、ネタの鮮度が悪かったりする。
細部が矛盾したりする。
同じことを言うかもしれない。
似たような話を馬鹿みたいにぶつだろう。
本『区切』の漢字遣いのニュアンスに、統一性がなくなってしまったり、経験を積んで成長したはずの心情描写に、違和がバリ感じられたりする。
地味に深まった絆が、人間関係が、リセットされてると受け取られなくもないかもしれない。
『ご容赦願いたい』。
おれは今から、ジューロルマ、じゃなかった、プルエルフ登場の話で、ぼくじゃなくならなきゃいけないんでね。




