表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/401

第三章 鬼謀 A‐02 大家族密着ドキュメント

 わけもなくこのまま集団で凍死するのもなんなので、ひとまず屋内で暖を取りながら悲しみに暮れようと引き返すと、目を覚ました氷麻ひょうまがまた、熱造ねつぞうを亡き者にしようとしていた。


「キャーッ!」


 メイドごっこの絶叫で、ぱっちりと目を覚ました超絶ニセモミアゲが、咄嗟に転がって箒をかわす。どご、と枕が撥ね飛んで、着地した野良猫が猛然とタックル。飼い猫が背中を強打して、血走った目を見開きながら拳を振るう。箒が間で弄ばれる。髪の毛が一束、あんまりにも無慈悲に毟り取られる。


「あいだぁっ!?」


「僕はお前みたいな……! 大人になってもチャラチャラした不良が……!」


 熱造ねつぞうが何やら大声で喚いた。

 直後に氷麻ひょうまもそれに倣った。

 二匹の獣が狭い室内で大暴れ。


白亜木はくあきさんは、僕が護るううぅぅぅっ!」


 怖い、怖い。


 細流せせらきフォビアのメイド見習い長にぎゅっとしがみつかれていたため、今回は格好良く喧嘩を止めることはできなかった。

 前回も格好良く喧嘩を止められたわけではないが。


 オリザ姉が革新の氷麻ひょうまを、万能杉ばんのうすぎが保守の熱造ねつぞうを捕獲。

 うちはいつから大家族密着ドキュメントをやるようになったんだ。

 頼るまいと思っていたのだが、やはり、どうしても、冥土爛漫川の顔を見てしまった。


「大丈夫だよ、バイトはね、平気です全く問題ありません行かせますって言ったんだけど、『馬鹿か安静にしてろ』だって♪」


 おれは半ば上の空で隠喩的回転寿司を海馬へ詰め込みながら、やっぱり親父とおふくろってこんな感じなんだろうなと、全力でエア歩きスマホした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ