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結構やばめの世界のお話

どんどんいきまっせ

俺の転移する世界についてだな。まあ、ここまで来れば世界観はあれだよなぁ。


「この世界はのう、地球での科学の代わりに魔法が発達した世界なのじゃ。」


「つまり?」


「おぬしたちでいう、剣と魔法の世界じゃ。」


・・・テンプレだなぁ。ここまで俺の普通スキルが発揮するのか。


「この世界はわしが作った中でも結構昔。まだ若かった頃に作った世界での。いろんな所に世界の穴ができてしまっておるのじゃよ。」


この爺さん若かったことなんてあるのか?


「世界の穴っていうのは?」


「他の次元につながってしまっている穴じゃ。これが多いと別の世界から様々な化け物や邪神が流れ込んでしまうのじゃ。」


なるほどなぁ。ん?ってことは。


「お前は俺に欠陥品の世界に転移しろっていうのか?ふざけてるの?なんなの?」


「い、いや、最近改修工事を始めたのじゃよこの世界。で、もう9割がた穴は埋まっておるのじゃ。」


「ほう。で、残りは?」


「そう、それが問題なのじゃ。まあ他にもいろいろとあるのじゃが。その穴がなぁ、なんと」


ん?


「ちょっとまて。」


「なんじゃ?」


「他の問題ってなんだよ。」


「ああ。実はこの世界、朝と夜にするのを神様が請け負っていたり。種族がどんどん増えやすかったりとするのじゃよ。地球などは結構最近につくったのじゃが、種族は統一されているし、朝晩は自動で変わってくれるしで、神様に優しい世界なのじゃよ。」


「つまり?」


「おぬしにはあまり関係ないのう。」


ならいいか。しっかし世界もいろいろあるんだなぁ。


「で、続きじゃが、この世界はさっきも言ったが、結構な数の神によって支えられているのじゃよ。その中でも三柱という者がおっての。それぞれ「天の神」「人の神」「夜の神」とよばれておる。」


ふむふむ。


「「天の神」は天界から天使を使わして人々を裁き、「人の神」は人の繁栄を育み、「夜の神」は強大な力をもった動物を使い、統率し、自然の調和を保っておった。」


ふむ。なるほど。


「しかし、ある時さっき言った残りの世界の穴から邪神が出てきてしまったのじゃ。邪神は自分の配下として魔王を作り出し、それを世界に送り出した。邪神は神の領域で暴れ始め、自分の力を着々と増していったのじゃ。」


「あのさぁ。」


「なんじゃ?」


「それって世界の穴放置したお前のせいだよな。」


「・・・・・・・」


こいつのせいだな。


「お、おっほん。それでじゃな。わしも協力したことによって邪神は封じることができたのじゃが、その際に邪神に世界が少し書き換えられてしまっての。一定周期で魔王が出てきてしまう世界になってしまったのじゃ。」


「なるほど。それが魔王なのか。どっちかっていうと異世界からの侵略者って感じなんだな。」


「そうじゃ。そして神達は魔王に対抗するべく。こちらも一定周期で、それぞれの神が交代で勇者を一人つくるようにしたのじゃ。」


ふむふむ。じゃあ問題はなさそうだが。


「しかしここからが問題での、神達はやがて代替わりしていったのじゃが、その中で代替わりした「天の神」と「人の神」の仲が悪くてのぅ。」


「神に仲悪いとかあるんだ。」


「あるんじゃよそれが。で、さらに問題が起きての。前回の魔王が弱すぎて、勇者を召喚する前に倒されてしまったのじゃよ。」


「魔王が弱いってあるんだなぁ。」


「それで、前回の勇者召喚はしなかったのじゃが。今回また魔王が出てきてのぅ。これがかなり強い。そこで勇者召喚しよう。という話になったのじゃが。前回担当だったはずの「人の神」と、自然に行けば今回担当だった「天の神」がお互いに勇者召喚で争ってのう。」


「そんなにやりたくなかったのか。」


「逆じゃよ。勇者召喚したかったのじゃ。」


「逆?」


なぜに?


「神は基本的に暇なのでの。一大イベントみたいなものなのじゃよ、勇者召喚は。」


・・・人類の危機が一大イベントとは。


「で、この二柱を信仰している国も相まって、二柱とも勇者召喚してしまったのじゃよ。というわけで今この世界には勇者が二人おる。」


「なるほど。でもなんでそれが問題に?魔王が早く倒せて万々歳じゃないか。」


「何事も世界にはバランスというものがあっての。いまは「人の力」と「天の力」が強くなりすぎておるのじゃ。そのために「夜の力」が弱まってしまったのじゃ。結果、力をもった獣たちが人々を襲い、自然を壊すしまいじゃ。」


世界って難しいんだなぁ。


「でもそれって「夜の神」も勇者召喚すればいいんじゃないか?」


「そうなんじゃがな。いかんせん獣たちが暴れるせいで「夜の神」が邪神だと勘違いされてしまったのじゃよ。」


ってことは。


「「夜の神」の勇者を召喚するものがいないのじゃ。残った「夜の神」を信仰するものも邪神として信仰するものが増えてしまってな。勇者を「世界の異物」として、勇者を召喚しようとさえしないのじゃよ。おかげで「夜の神」は涙目じゃ。」


うわぁ。「夜の神」かわいそう。完全にとばっちり食らってるよ。


「で、じゃ。おぬしに頼みたいのは「夜の勇者」となって世界のバランスを保ってほしいのじゃ。」


なるほど。大体わかった。あとはこの話を受けるかどうかだな。結構危険そうだし。一歩間違えたら死にそうだし。


「一斗よ!「夜の神」を助けると思ってたのむ!彼女にはもう余裕がないのじゃ!」


うーん、どうしよう。ってあれ、「彼女」?


「「夜の神」って女神なの?」


「そうじゃよ?どうしたのじゃ?」


そうか、女神だったのか。なるほどな、だったら。


「この神の依頼。受けさせてもらおう!」


ただの爺さんの頼み聞くのはまだしも、女を助けるためなら何でもする!それが男ってもんだろうよ!

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