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王都潜入!のお話

勇者は無事王都に入ることが出来るのか!!!



では結果から

 今、俺は王都の中にいる。そう、あの防壁の中だ。本当だったらすぐにでも王都観光としゃれこみたい所だが、現在俺はとあるミッションを遂行中なので・・・え?どうやって入ったかって?

 仕方ない、語るとしようか。俺の王都潜入までの経緯を・・・


ーー二時間前ーー

「入国料は金貨一枚だ。払えないのならば今はこの国には入れんよ。」


「金・・・だと・・・?」

そんな・・・。金なんかねえよ・・・。なんせずっと森暮らしだぞ?金のかの字も見たことないよ・・・。


やばいな、この状況を切り抜けるにはどうしたらいいだろう。


方法その一[帰る]

「あ、すいませ~ん。今持ち合わせないんで~、帰ります♪」


ないな。いやしゃべり方じゃないからな?

これ、相手側からしたら近くに村もない場所で、軽い荷物しかない、金も持ってない奴がどこに帰るんだ。と言う話な訳で。

「怪しい奴だとらえろ!」

となるのは目に見えている。

没だな。


方法その二[記憶喪失]

「実は記憶がなくて・・・。自分が誰なのか、何をしていたのか分からないんです・・・。」


うーん。戦争前じゃなかったら通じたかもね。でもね、今戦争前なんだ。

「そんなことを言って王都に侵入する気だろう!正教国の犬だ!とらえろ!」

これも没。


方法その三[強行突破]

「おらぁ!死ねぇ!」


・・・なにしにきたんだよ。王都に。潜入&観光だろ?犯罪者かよ。目の前の筋肉もりもりマッチョ倒したら絶対目立つわ。

「賊だ!賊がきたぞ!とらえろ!」

まあ、没以外ないね、これは。


って、悩んでたらめっちゃ怪しまれてるよ!すげぇ筋肉のオッサンがにらみきかせてきてるよ!なんか絶対「ゴゴゴゴゴ」って音なってる!


え、えっと。こうなったら


方法その4!


「すいません、金持ってないです、後で払うのでいれさせて下さい!」


[DO・GE・ZA]

なにやってるんだ・・・俺・・・。


ああああ、オッサンがこっちガン見してるー!気配で分かるー!怖いー!

やばいやばい!一番後がない奴選んじゃったー!!


ああ、オッサンが近づいてくる。終わった・・・。俺の王都潜入。Good-bye・・・。


「はっはっはっ!持ってないのなら最初から言えよ!」


さよなら・・・・・あれ?


「なんか、金稼ぐめどは立ってるのか?」


「え、えっと獣の素材はいくつか持ってます。あと宝石。」


「そうかそうか!ならいいだろう!これは俺の貸しだ!金貨一枚分しっかり返せよ!」


な、なんかめっちゃ優しい!このオッサン!


「ありがとう!オッサン!」


「おうおう。しっかり返せよ!あといきなりオッサン呼ばわりするな。」


よかったよかったこれで入れそうだな。


「ああー、取り敢えず魔法審判は受けてもらうからな。」


「魔法審判?」


「いくつか質問されるだけだよ。嘘を感知する魔法道具があるだけで。いやぁ、便利になったもんだなぁ!」


嘘を見抜く魔法か・・・


「戦争前だし仕方ないな。」


「物騒なもんだぜ。全くよ。じゃあ審問所にいってくれ。門通ってすぐ左の木造の建物だ。」


「了解。ありがとうオッサン!」


「おう!って、オッサンいうな!」


ーー審問所ーー

木造でできた質素な部屋に入れられ、椅子に座らされる。


そのまま待っていると、片眼鏡かけた白髪の怖いおじさんが入ってきて、目の前に座った。

三白眼が怖い。


「では審問を始めます。」


「は、はい。」


「名前は?」


「カズトです。」


「定住している場所は?」


「名前もないようなド田舎です。」


嘘じゃない。(ドイナカ)だし。


あ、やべ、睨みが怖い。


「嘘は・・・ついていないようですね。」


魔法審判でよかったーー。これが対話によるものだったらいろいろと聞かれてたな!


「目的は?」


「えーと、観光です。」

「ブー!!!」


え。答えた瞬間アラームが。


「正直に答えて下さい。目的は?」


「え、えっと。美味しい食事を・・・」

「ブー!!!」


嘘じゃねえよ!?本音の方だよ!?


「あなたは・・・[正教国]の信徒ですか?」


「は?そんなわけないでしょう。」

「ブー!!!!」


え・・・?


「敵国の者です。捕らえなさい。」


兵士が大量になだれ込んで、俺を取り押さえる。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!違う!俺は正教国の人間じゃない!」


「それを見極めるための魔法審判です。」


そ、そんな。


「その魔道具がおかしいんだ!俺は嘘なんかついてない!」


「大体の犯罪者がそういいます。」


「俺は正教国の人間じゃない!!!」

「ブー!!ブー!!ブー!!」


アラームが鳴り続ける・・・


「残念でしたね。大方神が助けてくれるとでも思っていたのでしょう。牢屋に入れておきなさい。」


「ちょ、ちょっとま・・・!!」


兵士に布を口に噛まされてなにも言えなくなる。


剣を突きつけられながら兵士に取り囲まれ。


俺は牢屋に連れて行かれた・・・



ーーーーーーーー


な、王都に入っただろ?牢屋の中も一応王都だからな!


・・・王都だからな!!

で、現在遂行中のミッションは「目指せ!脱走!もしくは説得!」だ。



ああ、言いたいことは分かってる。確かにそうだな。

皆こう思ってんだろ・・・?




それは潜入じゃねえだろ!!!



勇者はどうなっていくのか・・・スタート地点が犯罪者って・・・。勇者じゃないよなぁ。

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