都会に出るお話
更新しまーす。ついに、勇者がアーバンボーイになるのか!?
前回!幼女神様に怒られそう!やばい!
「どういうことですか?」
「え、えっと・・・」
「はぁ、まあいいです!そんなことより、明日出るんですね。」
許された?まじかー。こんなに簡単に許しちゃうなんて。なんだか将来悪い大人に騙されそうだなー・・・
俺のことか。
「明日出るんですよね!」
「は、はい!聞いております!」
あぶねー
「はぁ。ルミナスが言う通りその様子じゃ大丈夫そうですね。」
「なにが?」
なんの心配してたんだ。
「あなたが、[勇者]としてではなく、[人間]として町で暮らそうとするのではないか。私はそう思ったのです。」
「は?」
え、どーゆーこと?
「だってそうでしょう?あなたはどこまで行っても人間なんです。自らと同じ存在と共にいたい。それは生物として普通のことです。あなたも不満もところどころで漏らしていたでしょう?」
「まあ、確かに。」
美女に会えないのがなぁ。
「けど、今のあなたの様子を見て少し安心しました。」
「なんで?」
「あなたが、楽しそうに見えたから。」
楽しい・・・ね。
「確かに楽しいかな。だって元の世界じゃ狼とか竜とかと話すことなんかできなかったし、神様と仲良くなんかあり得ないことだったからな。」
「そうなんですか・・・。」
ったくもう。なんて顔してるんだこいつは。
「あとは・・・。ツクヨミのことを見捨てられないから。」
「え?」
「あーもう!自分が助けられる女の子がすぐそこにいるのに見捨てられるほどサバサバした性格じゃないんだよ!」
「え、えっと。」
「だから、心配するな。ちょっとした旅行をかねた偵察だよ。[夜空の帳]ですぐ帰ってこれるし。」
「は、はい!」
そんなに笑顔になられたら帰ってくるしかないだろ。
「絶対帰ってくる。約束な。」
「はい!約束です!」
「ほら、早く寝るぞ。寝る子は育つっていうから。」
「小さい子扱いしないで下さい!」
「小さいだろー。」
「こ、これからなんです!」
こうして夜は更け、次の日を迎える。
ーー次の日の朝ーー
よし!準備は出来た!目指すは、うーん。王国のどっかの町だな。宗教の国は怖いしね。うん。まあ、これから戦争起こそうって言う国に行くんだからどちらにしろやばめなんだけど。
「じゃっ、行ってくる!」
「えっと。カズト!あの怪我しないようにね、あと食事には気をつけて。病原菌とかも怖いし、あと・・・」
恐怖を煽るな女神様・・・
「ツクヨミちゃん。そういうときはね、「いってらっしゃい」って言うだけでいいのよ。」
「う、うん。」
「私は此奴には言葉なんてかけなくていいと思います。」
「おいフェンリル。お前は冷たいぞ。」
ったくなんでこんなに冷たいんだこの狼は。
「じゃ、じゃあカズト!」
「ああ、」
「い、いってらっしゃい!!」
「ああ!いってくる!」
そうして、俺は町へ向かうのであった・・・。
ーー暗黒の勇者出立後ーー
ーツクヨミ視点ー
「いってしまったな。」
「うん。」
「ま、大丈夫よ。彼なら。」
「そうよね。私の勇者だもの。」
あの時言った、私のことを見捨てられないって言葉。信じてるからね。
「ふん。まあ心配などもとより必要ないとは思いますね。」
カズトの背中はもう見えなくなった。随分たくましくなっていた気がする。
「うん、心配なんかしてないよ!約束したから!」
「へぇー、なにを約束したのかしら?」
「い、いわない!」
「なんでよー♪」
私は信じてる。私の勇者を!
「ツクヨミ様、ルミナス。あの・・・。」
「なに?フェンリル。」
「カズトは・・・何か資金を持って行きましたか?」
「「・・・」」
「もしかして、無一文でいったんじゃ・・・」
「お、お金ならルミナスが持ってるじゃない!」
「私・・・なにも渡してないわよ・・・?」
「「「・・・」」」
帰ってこれるかしら、私の勇者・・・?
誠に勝手ですが、次回から毎週土曜日の週ごとの更新にします。読んで下さっている皆様にはご迷惑おかけします。
これからもよろしくお願いします。