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勇者の兵士のお話

勇者が勇者じゃない・・・

森の防衛は大丈夫。強力な獣たちがはびこるシ○ガミの森になったから。


が、別に防衛はどうでもいいんだよ。いやどうでもよくはないけど、今回の戦争には関係ないし、そもそもめっちゃ強い奴が2体もいるし。


問題は俺と同じ今年にいく奴。正直あんまり気は乗らないんだけど仕方ないよなー。全く。


「フェンリル。」


「なんだ?」


「ちょっと連れて行って欲しいところがあるんだけど。」




ーーーーーー


連れて行って貰ったのは、どこの森とも変わらない、普通の場所。でも「空間把握」ではここらしいしな、やってみるか。


「亡者よ。死の楔からその身を解き放とう。この声が聞こえるならば目覚め、我に付き従え。[死霊術(ネクロマンス)]」


するとみるみるうちに地面から骨の腕が這い出てくる。


「なあカズト。」


「なんだ。フェンリル。」


「恥ずかしく・・・」


「なにも言うな・・・」

恥ずかしいよ!!


そして表れたのは総勢500体の白い骸骨達だった。いわゆる、スケルトンというやつだ。ついに俺もネクロマンサーだな!



もう勇者じゃないだろこれ。



 一応扱いとしては俺の配下だからこうやって。

「暗黒の勇者が命じる!骸骨兵を我が配下に加える!」

 とすれば、ほら。どんどん骨が黒色に染まっていく。その硬度はフェンリルの牙ナイフと変わらないくらいだ。


さらに闇属性要素を[要素の王]によって纏わせる。


そう、要素の王だが、これを使えばなんと他人にも要素纏いをさせることができるのだ!


この森の中だと需要あんまないけど。


 闇属性の効果は死霊の呼び出し、および召喚。それが纏いとなると、どうなるか。


闇属性の要素の衣[冥王の鎧]。


効果は着用者に関連する亡者の強化だ。


 結果、俺を通して500体の骸骨達が相乗効果でどんどん強くなっていく。俺という存在で関連しあっているからな。


 産まれたのは全身を闇の鎧で包み。刺されも切られても立ち止まることはない、黒い騎士。総勢500体。


 技量は俺よりちょっと少ないくらいになっている。武器は剣。といってもお手製の木剣にするつもりだからあんまり強くないだろうけど。今回は手加減前提だから仕方ない。


 さらにもう一仕事。


夜属性により異世界への干渉を可能にし、その干渉力に合わせて闇属性の波動を放つ。


多くの反応が返ってくる中で最も強い者を呼び寄せる。


「混合魔術!我が呼びかけに答えよ![悪魔召喚]!」


表れたのは黒髪で痩身の男。その黒髪黒目に対して肌は透き通るほど白い。頭からは同色の角が二本生えており、背中にはコウモリの翼が付いている。


「第一級悪魔。「サタナキア」呼びかけに応じ、参上しました。」


「あ、なんだサタナキアか。話が分かる奴でよかったー。悪魔界の仕事はいいの?」


「大丈夫です。既に悪魔界は統一されており、どちらかと言えば暇な方なので。」


 そう、呼び出したのは悪魔だ。え?なんか仲よさそうだなって?実は今までに何回か呼び出したことあるんだよ。その中で特に出てくるのがこの「サタナキア」だ。かなり優秀で、悪魔界では将軍とかやってるらしい。最近の悪魔界は平和すぎて暇してるらしいが。

 すごく良いやつだ。顔がむかつくくらいにイケメンなことを除いて。


悪魔は結構良いやつだった。イケメンなことを除いて。


「じゃあ頼みたいんだけど。この黒い骨達従えて指示してくれる?君の軍だから。」


「分かりました。まあ私はあなたの「友」なんでしょう?」


「分かってるじゃん。じゃあ指示するまでは悪魔界に持って行っといていいよ、それ。そこら辺の下級悪魔よりは強いから使えるはず。そのうち増やして送るから。」


「では、ありがたく。」


そう言って骸骨兵ごと悪魔は消えていった。相変わらず立ち振る舞いがイケメンだなぁ。イライラするわ、全く。良いやつだけど。



「おいカズト?今のはなんだったんだ?」


「んー?友達になった悪魔だけど?」


「悪魔と友だちで、骸骨兵を使役する勇者か・・・全くもって勇者という感じではないな。」


「言うなそれを・・・」


気にしてるんだよこれでも。




悪魔と友達になったのはまた別のお話で。


ーーーーーーーー

「てなかんじで、戦力は補充したから。安心してくれ、ツクヨミ。」


「分かりました。」


これで一件落着ってことだな。いやまあこれからなんだけど。


「カズトよ、お主なんで私たちを連れて行ったのだ?危険なんてなかったぞ?」


「悪魔召喚ってさ、結構危険なんだよ。変な考えの悪魔出てきたら倒さなきゃいけないし。で、今回それなりに強い奴を呼び出そうと思ったから一応呼んどいた。」


「そんな危険なことをあんな気を抜いてやっていたのか。」


きはぬいてなかったよ、ええまったく。


「こういう感じで兵は増やしていくから。フェンリルは移動よろしく。」


「お主、最近私のことを乗り物か何かと勘違いしてないか?」


「シテナイヨ、ゼンゼンシテナイヨ。」


「ほう、そうか。では今度は私の特訓に付き合って貰おう。」


「なにがではなの!?」


いやだっ、認めないそんな現実!


「いくぞっ!」

「やめてぇぇぇぇ!引きずらないでぇぇぇぇ!」


こうして準備は進んでいった。




ーー戦争まで残り二ヶ月と1週間ーー

次回は白銀の勇者視点でお送りします!

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