天空竜王ルミナスさんのお話
お、おい「ハーレムできない」のタグ!お前、裏切ったのか!
え、美、びじょ・・・・
「なあ、フェンリル。俺の目の前には美女が見えるんだが、これは夢なのか?」
「さあな、夢なんじゃないか。」
頬をつねってみる。痛い。
美女はいる。
頬をはたいてみる。痛い。
美女はいる。
夢じゃない。
ボンキュッボンの美女がいる。
白く長い髪に同じくらい白い着物。健康的にハリとツヤがある肌。長く白い足。細い首。俺の理想の
「美女だ、美女だぁぁぁぁ!はっ、る、る、ルミナス様ですか!?」
「ええ、そうですよ。」
き、来た俺の時代がきた。
「ねえフェンリル。」
「なんですかツクヨミ様。」
「なんでカズトはルミナスには名前に様と付けるのに、私のことを名前で呼ぶとき呼び捨てなのですか?」
「さ、さあ。存じませぬ。」
後ろでなんかツクヨミが言ってるが、とにかく今は美女。しかも俺が助けた美女だ!
「お礼をしたいのですが、私には今何もなくて」
「い、いえっ、滅相もない!あ、じゃあお近づきの印として握手でも!」
「それでいいのですか?分かりました。」
白く長い手を伸ばしてくる。やばいドキドキする。緊張してきた!すらりとしてキレイな手
その手を俺は両手で握る!
恥ずかしいから顔は下げとく!
ああ、硬くて、ゴツゴツしてて・・・
え、
硬くて?
ゴツゴツしてて?
顔を上げると、俺が握っていたのは
でかい
竜の爪だった。
顔を上げると
「あら、触られると幻術は解けてしまうのね。」
フェンリルの二倍は大きいドラゴンがいた。
美女は幻術だった。
そんな、
やっぱさぁ。そんなことあるわけないよね。大体フェンリルも竜だってこと否定しなかったもんね。うん、期待なんかしてなかったよ。
「悪戯がばれてしまいました♪」
「その悪戯、きついよルミナス・・・」
お姉様はひどい奴だった。男の純情を弄ぶなんて。
期待してたよ、うん。
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「で、ルミナスはどんな竜なんだ?」
俺は蘇った。地獄の底からな!
「私のですか?うーん。白が好きですよ。」
「いや、趣味は聞いてねぇよ。」
というかお前も体が白いだけだろ。
「種族とか、能力とか聞いてるんだが?」
「ああ、なるほどね。私の種族は[天空竜]。大空を統べる、竜種最強といわれている種族よ。白竜といわれることもあるわね。」
竜種最強ねぇ。まあフェンリルとやり合うくらいだしな。
「で、私はその中で神の力を授かることによって半神となっているわ。」
フェンリルが確かに言ってたな。
「で、夜の女神との関係は?」
「ん?な~に~?ツクヨミちゃん狙ってるの?止めないから安心して襲っていいわよ?」
「安心できねえし、俺にロリコンの趣味はない。」
幼女に手を出したら犯罪だから。
するとその幼女が
「カズト。ロリコンとはなんなのですか?」
と聞いてきた。
「褒め言葉だよ!ツクヨミ!」
危ねぇぇぇぇ!
「で、どういう関係なんだ?ルミナス。」
話変えようとかしてないから、ええ、全く。
「そうだな、先代の夜の女神に恩がある。というところかしらね。」
「先代?」
「ええ、昔私がまだ若かった時死にかけたことがあってね?そこを助けてもらったのよ。半神になったのもその時よ。」
「へぇ、なるほどな。」
で、その恩でツクヨミを助けている。と。
「守ろうとしていたのに捕まってしまって、本当に面目ないわ。」
「全くだな。」
おい、けんか売るなフェンリル。
「あら、あなただって今まで何回も死にかけたことがあったじゃない。」
え、そうなの?ふーん。ニヤニヤ。
「うるさい、貴様みたいに捕らえられたことはないわ。やはり私の方が強いようだなぁ?ルミナス。」
「あら、犬っころに負ける竜がいるとでも?」
「やるのか?トカゲ。」
「今からぶちのめして、ワンワン泣かせてやるわ!」
竜と狼はどっか行ってしまった。
「ツクヨミ?あいつらいつもあんな感じなの?」
「はい、そうなんです。[神狼]に[竜王]なんですけどね。」
「[竜王]?あいつ、女王様なの?」
「まあ、そうなりますね。竜を統べる竜。半神である彼女は竜の中でも別格です。フェンリルと同じ[森の守護者]でもありますし。」
「なるほどなぁ。まあ強かったしな。俺も勇者級技巧が目覚めなきゃ負けてたろうし。」
まあ、傷のひどさ的にはボアの方が大きかった気もするが。
「勇者専用の技巧ですか。噂では聞いていましたが本当にあるのですね。」
「ん?噂?勇者なら手に入る技巧だろ?」
「そうなのですか?あまり勇者が専用の技巧を使うってことを聞いたことがなかったので。」
秘匿主義なのか?まあでもあれいろいろデメリットきついしな。俺もしばらく気絶してたみたいだし、使わないだけだろうな。
「でも、よかったです。カズトが戻ってきてくれて。」
「心配かけたな。」
「いえ、私こそすいません。そんな命の危険がある・・・」
「いいから!言うならお礼にしてくれ。」
「そ、そうですか?じゃあ。ありがとうございました!」
その満面の笑みを見て。
俺は無茶してよかったと思った。
「まあ、勇者だからな。これ位は・・・いやもうちょっと難易度は下げてほしいな。」
流石に死にたくはない。
「あ、そういえば「勇者の剣」ってじじいからもらってる?」
「創造神様からですか?そういえば貰いましたね。」
早く!早く聖剣エクスカリバーを!
「では、両手を出して下さい。」
「おう!」
「ではいきますね。はぁっ!」
神様がかわいい気合いをいれると、俺の手が白く光り始めた。
その光はどんどん強くなりやがて手元が見えなくなる。
その光の中で俺の手に徐々に重みが感じられるようになってくる。
しばらくすると少しずつ光が収まっていった。
見えるようになったとき、
両手にあったのは2本の剣だった。
色は
黒色ともいえない暗黒の剣と、
悪魔を呼び出しそうな紫色の剣であった。
おお、勇者の剣・・・勇者の剣?
聖剣と言うより魔剣に見えるんだが。どういう・・・
「デザインは私が決めました!」
そのかわいらしい自信満々な様子に。
ま、いいか。という気持ちになる勇者であった。
やっぱり美女には会えない勇者。
ついにロリコンにはし
「走らないから!」
だ、そうです。
次回「勇者の剣のお話」




