魔王眷竜ルミナスと勇者級技巧のお話
「ハーレムできない」のタグが火を噴くぜ!
は?
いや、
え?
りゅ、竜の名前が「ルミナス」?
・・・・・・・・・。
「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
おい!美女は?美女は!?半神の美女はどこへ行ったのだ!
というか、フェンリル!約束が違うじゃないか!
お前ルミナスが女って言ったよな!?
神様!お姉さんってあれのことかい!?もうマッチョ系女子でも漢女でもないよ!?ドラゴン!化け物だよ!
なんで!・・・・・あれ?
そーいえば、フェンリルとかツクヨミが人間の女って言ったことあったっけ。
・・・・・・・・・・・・な、ない。そんなシーンどこにもないぞ!?
も、もしかして。
もしかして、また俺の早とちりなのか!?
い、いやいや、いーや?最初ツクヨミがルミナスのことあの人って言ってたよな?そーだよな?なぁ?
ああ、なるほど言葉って難しいよなぁ。誰か尊敬する奴を呼ぶとき日本語だったら「あの人」ってなるよなぁ。
そーだよ。この設定忘れてたよ。あいつら異世界言語だったよ。そのために[全言語理解]いれたんだったよ!
そりゃあ日本語じゃあ自分の大切な竜のことを「あの竜」とは言わないな。というかまず竜なんかいないしな!
中にはペットに対してあの人って言う変人もいるくらいだしな。
まじか、まじかよ。あははははは!
はあ。
マジカーーーーー。
もう、なんか、めまいが。
「グワァァアアア!!」
魔王の眷属にされたルミナスがこちらに気づき、今度は口からブレスを吐こうとする。
というかさ。
あれ連れて帰れって。そう言ったんだよな?神様。
この世界、俺に理不尽すぎだろ・・・。
ふざけんな、くそがぁぁぁぁぁぁ!
ピコーン
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[勇者級]
暗黒の外套 (夜の勇者専用技巧)
習得条件は夜の勇者が世界の理不尽に対して怒りを持つこと。
運命という理不尽に対抗できる力を手に入れる。
位階が上がる度にに一度、200秒間のみ全技巧の効果を10倍にし、魔力消費も体力消費もしなくなる。また、この技巧の使用時のみは世界の摂理によって邪魔をされることはない。
効果時間終了後、気絶と麻痺を自分に対し付与する。
残り回数:7
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お、おう、勇者級っすか。
ルミナスが美女じゃなかったことで取得ですか。
こんなことで?
まじですか?
はぁ。
なんかもう気持ちが萎えてきた。
疲れた。
適当に早く終わらせよう。
赤黒い血の色をしたブレスがくる。
俺は新しい技巧を発動する。
「[暗黒の外套]」
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ーー・・・視点ーー
ある者が映像で勇者と竜の戦いを見ていた。
勇者が何かの技巧を発動した瞬間、その体に、まるでそこだけ空間を切り取ったかのように黒い外套が現れた。
しかし、発動した直後、竜の放った、血色のブレスに飲み込まれる。
(竜のブレスは魔王すら殺すと言われる威力。特にあの竜は、この付近に広がる夜の森の守護者の一体。跡形もないだろう。)
(つまらない)
そう思い、帰ろうとする。
その時。
ドガァァァァン!
「グガァァアアアア!?」
巨大な衝撃の音と竜の悲鳴が。
「む!?」
慌ててもう一度見るとそこには、
ブレスの放たれる前と何も変わらない勇者と。
ボロボロになり、吹き飛ばされた竜がいた。
「ど、どうなっている。」
・・・・・・・・・・・・。
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ー一カズト視点ーー
「避ける必要すらない、か。」
自分が身に纏う外套を見る。そこだけ空間がないかのように見えるほど黒い外套だ。一番近いのは[夜の帳]か?
いや、もっと暗い。
何者にも干渉を許さない黒。
夜ともいえない、冷たさすらない、暗黒。
まあ、とにかく時間がない。速攻で終わらせるか。
この技巧は全ての技巧の効果を跳ね上げる。だから、
「技巧取得。[竜特攻]。」
ピコーン。
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[中位級]
竜特攻
竜に対してのみ与える攻撃力を5倍にする
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こんなこともできてしまう。
技巧習得必要経験値低下の効果も上がっているからな。
先ほどのブレスを防げたのも技巧[竜特防]と[攻撃反射]を意図的に手に入れたからだ。
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[中位級]
竜特防
竜の攻撃のみ、自分に対する攻撃力を5分の一にする。
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[上位級]
攻撃反射
一定攻撃力より下の攻撃を一時間に一回のみ反射する。
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さて、やるか。
俺は走り出す。
「[疾走]」
ピコーン
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[上位級]
疾風迅雷(上位互換)
目にもとまらぬ速さで動くことができる。
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俺の速さがさらに上がる。ルミナスに向かって跳躍。
「[軽業師]、技発動。[立体機動]」
ピコーン
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[上位級]
空中戦闘(上位互換)
空中で自由な動きができるようにする。
また空中でもう一度跳躍できるようになる。
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俺の動きが空中でさらに加速する。
ルミナスが極細のブレスの雨を放ってくる。
「[要素の衣]、夜属性[夜の帳]」
ピコーン
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[王級]
要素の王(統合・上位互換)
要素に関する操作が全属性において行えるようになる。
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[黒の帳]が連続で高速展開される。
竜の反射速度を上回り、見失うまで移動し続ける。
爪の攻撃も、ブレスの雨もほとんど当たらない。
当たりそうな攻撃はナイフでそらす。
体をひねり、首を傾け、避ける。
当たった。傷ができる。
でも何も表情は変わらない。
痛みは感じない。
落下しながら竜の首に近づいていく。
そして、
「上位変化してくれよ?」
・・・・暗殺。
ピコーン
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[神級]
死神
死する者を選び、その首に刃をあてよ。
その命を、我は刈り取ろう。
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ルミナスの首に刃を突き立てる、俺が選ぶのは
「死ねぇ!魔王の力!」
突き刺した刃は死神の鎌となり、ルミナスに纏わり付く魔王の力だけを刈り取る。
魔王の血色の瘴気が抵抗し俺の体を突き刺す。
しかし、それもやがて消え去る。
瘴気の下から現れた白い竜を見ながら俺は、
竜の首から落ちていき
「ははっ。インフェルノ、クリアしてやったぜ・・・」
意識を失った・・・・。
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ーー・・・視点ーー
「ふふふ、あははははは!やるなぁ、勇者!まさか我の力だけを取り去るとは!この魔王の!」
赤い衣を羽織い、浅黒い色の肌を持ち、
血のような色の2本の角
同色の二つの目を持つ魔王は、
自身の力を刈り取られ
自らの作戦を台無しにされたことを、
喜んでいた。
「竜王には逃げられたか、まあいい。ふふふ。まさかこんな勇者がくるとはな!「人の神」と「天の神」どちらが呼び出したのかは知らんが、ありがたいなぁ!!」
口元に笑みを浮かべながら魔王は言う。
「お陰で前回よりも楽しむことができそうだ!」
「前は神を引っかき回すことしかできなかったからなぁ。」
「必死に守って見せろ「勇者」!我は、
この「災害の魔王」は全てを血の海に沈め!世界に本物の絶望を作り出そう!あはははははははははははははは!」
魔王は嘲笑しながら闇の中に消えていった。
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これから世界がどうなるのか。
まだ、誰も知らない。
魔王は中二病だったのか。そうか。そうだったのか。




