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地下牢へのお話

ついにルミナスさんが!

魔王眷獣のイノシシとの死闘の後、俺は薬草で血を止めるという治療ともいえない治療をした。


「きついな、油断してたから自業自得だけど。」


 いつもの特訓では回復魔法、というよりは回復要素使用といった感じのことを、フェンリルがやってくれていたからよかったけど。じぶんはできないからなぁ

 それも習っとけばよかった。まあ時間なかったし、しょうが無いけど。フェンリル並みの人が敵になる瀬戸際だ。


 因みにフェンリルは、目立ちすぎると言うことで来ていない。

ハードモードをインフェルノにしかねないのでお留守番だ。


まあ、ないものはないし、仕方ない。逆に抵抗なく切り裂けるナイフを手に入れられたことを喜ぼう!うん!



まあ、そのせいでピンチになったんだが・・・。



 俺が今いるのは玄関、構造は地図で把握している。地下牢へ行く道は一本だけ。


 逝こう。

 あ、字違った。




ーー廊下ーー


魔王の眷属が来たので隠れる。


が、場所がない。しょうがないから壁をよじ登る。


ぎりぎり気付いてないみたいだ。


ほっ


ーーーーーーーー


ーー食堂ーー


やばい、大量にいる。でかい柱の影を通っていこう。


き、気付いてない?よし。気付いてない。


先へ行こう。


ーーーーーーーー



ーー廊下ーー


お?人型か。どこかへ行くみたいだが?どこ行くんだろ。


ああ、この先は謁見の間だっけ。ってことは目的地はこの先だな。


ふっふっふ、これで尾行するか。


このス○ークさん直伝のダンボールスニーキング法でなぁ!


あ、箱ないから壺で代用。


ーーーーーーーー


ーー謁見の間・前ーー


ついにたどり着いた。え、魔王と戦うのかって?


もちろん戦う・・・わけないだろう!死ねと申すのか!?私に!


なぜ来たかというと、恐らくルミナスさんが捕らわれているだろう特別地下牢へ行く道は、



玉座の後ろにある隠し通路からしかないからだ。



やっぱり魔王と一戦交えるんじゃないかって?いや、無理だから。


でも今までの魔王軍の連中の様子を見ていてわかったことは、元のスペックよりも、感知能力的な部分が落ちていると言うこと。


ということは、魔王もそうなんじゃないかと。眷属がそうなんだからさ。


わかってる。これは希望的観測だ。けど仕方ない。これ以外に希望がない。


これは賭けだ。もしばれたら、[黒の帳]で逃げるしかない。それでも逃げ切れないかもしれないが、んなの考えたってしょうがないからな。


行くか。


何人かの人型の眷属の後ろに隠れて、謁見の間に忍び込む。


ーーーーーーーー


ーー謁見の間ーー


「報告せよ。眷属達。」


 忍び込んだ俺は入ったと同時に柱の影に隠れる。そしてそのまま壁を上っていく、壁とか柱にレリーフが多くてよかった。魔王感出してるお陰で上りやすい。


 魔王の姿を見たくてたまらないが、顔を見せたらばれる。そんな気がする。声はなんだか若いが。


「はイ、だイイちのまにはイちされていた眷属にたイが倒されていました。」


「勇者は?」


「確認されてオりません。もしかしたら眷属とのせんとウで怪我を

負イ、にげかエったのかもしれませぬ。」


「ふむ、確かに勇者が呼び出されてから、まだ1年もたっていないからな。我の力も高まりきってはいない。眷属を増やし力を溜めてはいるのだが。」


「オ早イご復帰をみな待ち望んでオります。しかしアまりご無理はなされなイで下さイ。」


「ふん、下のものに指図される覚えはない。殺すぞ?」


「もウしわけござイません、へイか。」


「まあいい、第一の間には我も向かおう。もし勇者ならば我が倒さなければ意味がないからな。連れて行け「死の伯爵」。」


「わかりました。こちらです。」


魔王が玉座を立ち、第一の間に向かおうとする。息を抜きかけた。


すると魔王が部屋を出る寸前に。


「ん?ネズミか?柱にいるのは。」


な!?ばれたか?いやまだばれていない。大丈夫だ。落ち着け。


「まあ、どちらのネズミでもこれでよいか。[カースバーニング]。」


その時後ろから黒い炎が発射され、







俺のいるより、下の部分の柱を舐めるように通り過ぎていった。



「どウかされましたか?へイか。」


行ってくれ。行ってくれ。


「いや、何でもないただの虫だったようだ。」


バタンッ。




・・・・・・・・・・・。


「っはぁ。はあ。はあ。はあ。」


やばい、危なかった。あれで柱に隠れていただけだったら、灰にならなかったとしても重傷だっただろう。


でもやっぱり感知能力は低いみたいだ。それは今だからなのか、それとも感知する必要すらないのか、わからないが。



しかし、逆にこれはチャンス。このまま行ってしまおう。


玉座の後ろにかかっている天幕をめくる。そこには地下へと続く道が。


気を抜かず、もう一度隠密を発動させてから向かう。


目的地はすぐそこだ。




ーー地下牢ーー

 そこには空の地下牢が並んでいた。索敵で反応しているのは一番奥だけ。殺気を振りまいている。恐らくルミナスだ。



魔王の眷属もいないみたいだ。



最奥ヘの道には扉があった。

鍵がかかっている。この魔王城の中にある物は俺の力じゃ壊せない。流石にピッキングなんかはできないので、いやできないよ?ほんとだよ?俺勇者だから、暗殺者とか泥棒とかじゃないから。


「[黒の帳]」


技巧で扉を越えて転移する。


そこは普通の薄暗い牢屋だった。










無茶苦茶広いことを除けば。













そして、中心に黒い竜がいることを除けば。



やばい、ガン見してるよ?竜が俺を。


か、回廊を発動させる。逃げるかどうかはそれを見てからだ。




その瞬間、竜が俺に向かって口を開きながら突進してきた、


速い!フェンリルの[疾風迅雷]並みだ!



「[黒の帳]!」


とっさに避ける。黒い竜は壁に激突し、一瞬の停滞。そして俺を見失ったようだ。



危ない、これはやばい、ハード越えてる、もうインフェルノだこれ。


さっさとルミナスさんつれて逃げないと。



そして回廊での鑑定結果を見る。


_______________________

魔王眷竜 ルミナス

魔王の力によって眷属になった竜、・・・

_______________________















は?


「え、またこれ?嘘でしょ」という感じの勇者。


おい、タグ見ろよ。「ハーレムできない」ってあるじゃねえか。


次回「魔王眷竜ルミナスと勇者級技巧のお話」

是非読んで見て下さい!

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