神狼とのお話
二つ続けて
「え、・・・・・・・・・・・・・・・。」
「む?・・・・・・・・・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
フェンリルと出会った時の一瞬の停滞の後、俺がとった行動。それは・・・。
「す、すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
といいながら逃げることであった。ちなみに半泣きである。
「お、おい待て!」
うしろでなんかフェンリルが叫んだ。すると目の前に三匹の俺の二倍はある大きさの狼が出てきた。
そして俺は
「あ、そうか、ここはシ○ガミの森だったんだ。」
現実逃避を決行した。あ、なんか意識が・・・・。
目を覚ますとそこは
「知らない天井だ。」
天井があったことなんかこの世界にきてから一回も無いんだけどね。
とりあえず起き上がるとそこにいたのは。
「む、起きたか。」
自分の体の三倍はある・・・・この下りはもういいか。
寝起きに俺がフェンリルにやったこと。それは。
「すいません、確かにダイアウルフ狩ったことあります。認めます。だけどこっちも生きるのに必死だったんです、襲ってきて殺されそうだったんです、怒らないで下さい、すいませんすいませんすいませんすいません・・・」
DO・GE・ZAだった。だって怖いモン。すると
「くく。くはははははは!そんなことで私のことを怖がっていたのか?勇者とあろうものが!」
へ?なんか笑い出した。
というか笑い方怖い。
笑ってる顔も。
「ん?なんだその表情は。」
すいませんすいませんすいません。
ナーンニモカンガエテナイヨ。
「確かに私はこの森の守護者でもある。だが、それは同時に夜の神の使者でもあるということだぞ?さっきはあんまりお前の緊張感がなかったから、からかってしまったが。夜の神に属する者が、夜の神を助けようとする者を殺すわけがないだろう。」
「へ?そうだったの?じゃあ、あれは?俺が転移してすぐ襲われた狼は?」
「あれは群れの中で罪を犯したやつだったからなぁ。追い出してしまった。まあ言いかえるとするならば野良だよ野良。」
そ、そうだったのか。
じゃ、じゃあ俺のさっきまでやっていた醜態は?どうなるの。
「しかし、さきまでのおまえ、久しぶりになかなかおもしろかったぞ。」
楽しまれてた。うわぁ恥ずかしい。忘れよう・・・・。
「「す、すいませんでしたぁぁぁ。」とはなぁ。ふふっ」
忘れさせてよぉぉぉぉ!!
「とりあえず、自己紹介な、俺は黒羽一斗。よろしくな。」
「ふむ、クロか、こちらこそよろしく頼む。」
「違うからそれ名字だから、というか名字の半分しかないから、俺はカズト・クロバネ。オーケー?」
「そうだったのか、すまん。ではよろしく頼むカズト。」
俺が羞恥心から復活した後お互いに自己紹介を済ませた。
「そーいえば、フェンリル?お前名前とかないのか?」
「ふむ、あえて言えば「フェンリル」というのが名前だな。」
「ん?どういうことだ?」
フェンリルって種族名じゃないの?
「ここ数百年フェンリルは私以外いないからな。名前の必要が全くない。」
なるほど、レア種だな。うーん、後フェンリルに聞きたいことは、
「どうして俺が勇者だって知ってたの?」
そう、それだ。なんで知ってたんだよ。
「もちろんそれは、ツクヨミに教えてもらったからな。」
「なるほどなぁ。って、ツクヨミって誰?」
「夜の神だ。」
「夜の神?ってとばっちり食らってかわいそうな女神の?へー、ツクヨミって言うんだ。」
なんか日本的だな。
・・・・・・・・・・・・。
「え、あの、女神と直接話せるんっすか?フェンリルさん。」
「なんだその口調は。森の奥に夜空の神殿があるから、そこに行けば話せるぞ。私がお前の前に出たのも、お前をそこに連れて行くためだしな。」
「つまり美女女神に会えると。そういうわけっすか、フェンリル先輩!」
「やけに食いつくな。まあ、会える。というか会ってもらうからな。まあいいか。早速行くとしよう。この洞窟から出てまっすぐ進めばある。」
「よっしゃーそうとなりゃ行きまっせーー!」
俺は意気揚々と走り出すのであった。
(フェンリル)
「ツクヨミはあまり美女だとは思わなかったのだが。人間の感覚はわからんな。私からすれば、あれは・・・・」
さて夜の神の姿が明らかに!あ、因みにフェンリルは雄です。




