プロローグ.2 MAXは…?
カチカチとその空間に無機質な音が鳴っていた。俺もその内の一つとなって、シャッフルを押していた。30分ほど押してみて分かったことは10台、20台がよく出て30台は時々、40台は滅多に出ないということだった。
「う~ん…」
思わず、声に出してしまった。この感じからしてMAXは50なんだろうと憶測はたつが、本当に出るのかという不安に駆られてくる。そして、もう一つ、あの神様の言い方がなんか引っ掛かる感じだった。まぁ、考えて分かるわけもなくとりあえず、シャッフルを押し続ける。
カチ 20
カチ 38
カチ 8
カチ 47
お!カチ32
あ、しまった。押しすぎた。
カチ 31
カチ 13…
出ないなー。本当に出ないなー。こうなるとさっきの47が悔やまれる。今は、間違って押さないように一つ一つ確認するようにしているがさっきの47以上の数字は出ない。こうなったら意地でもいい数字を出してやる。そう心に決めてシャッフルを選択する。
カチカチカチ………
カチカチカチ………
既に3時間はたっているだろうか…。まわりも静かになり始めている。
カチ 38
カチ 4
カチ 22
カチ 50
良し!遂にでた。今まで粘ったかいがあった。後は、これで確定を押せば…。確定を押せば?あれそういえば神様が説明していたとき納得するまでシャッフルを押してねとはいっていたが、確定を押してねとは言ってなかった気がする。
なんでだろう?ただの、言い忘れだともとれるがそんな言い忘れをするだろうか?神さまが…。少し考えてみるか、どうせ時間はあるんだし…。
あれから考えてみて一つの仮説がたった。シャッフルで数字がランダムに変わっていく。それは今までのとおりだ。逆に考えてみれば、確定を押したら好きな数字で決めれる。
なら、俺は50と表示されている画面で引き続きシャッフルを押していく。そして一時間、一時間と時間が経っていく。
あれから何時間経っただろうか…。周りも選び終えたのか静かになっている。そんな中、俺の画面には二桁のある数字が表示されていた。その数値とは…99
やはりそうだった。そして押したくてももう押すことができないシャッフルのボタン。
なるほど。神様がなぜ納得したら確定を押してねと言わなかったか結果を見れば一目瞭然だ。それは、確定を押さなくても数字が選べるからだ。そして、自分で納得すればそれ以上押すことができないシャッフルのボタン。そう、俺は、限界は99と信じてシャッフルを押し続けたのだ。ただ、最初は51以上がでなくて自分を疑いたくなったが10回ほど50が出たら急に51以上が当たり前のように出だした。50を10回シャッフルするが条件だったのだろう。そして、数字の枠は二桁しかなく多分それ以上はもう無いだろう。つまり、限界は99。それを信じて押し続けたのがこの結果だ。ただ、もしこれより上があった所で俺は、これ以上シャッフルを押すことが出来ないのでどうすることも出来ないが…。俺は心の中で、99で満足しているのだろう、そういうことだろう。うん。
さて、ボーナスポイントを選んだところで今からどうしたらいいんだろう?どうやら俺が最期らしいし、みんな、前にいる神様を見ているようだ。ふと、気になり俺も正面にいるはずの神様の方に目を向けてみる。すると神様が行き成りしゃべり始めた。
「さて、全員終わったようだね。終わる意思を持って僕を見れば、自然と時間の流れが進むようになっていたんだ。正確に言うと、僕を見た瞬間に全員が終わった時間までその人の感覚が進むんだ。言い忘れてたね。じゃ、次に進もうか。」
神様はみんなを見渡しながらそう言うと指でぱちりと音を鳴らした。すると、パソコンの画面が切り替わった。