プロローグ.1
ここはどこだ。俺こと、長門 春は気が付いたらこの真っ暗な部屋にいた。どうしてこんな所にいるか覚えだせない。ただ、周りにも人がいることだけは理解できる。さっきから、姿は見えないが声が聞こえている。
そして、この部屋の中で一角だけ光を放っている場所がある。目を凝らしてみるとそこにはパソコンがいくつも置いてあった。画面にはただ、異世界へ行ってみませんかと出ていた。
一体、これから何が始まるんだと考えていると、突然一ヶ所だけ光を放ち始めた。俺は自然と目を閉じてしまった。周りの人達もたぶん同様だろう。そして、光が止んだと思われたタイミングで目をあけると、真っ暗だった部屋は昼間になったんではないかと思われるぐらい明るくなっていた。そして、空中にものすごい顔が整ったイケメンが浮いていた。
俺、いや俺達は突然の事に戸惑っていると、イケメンは地面に降り立ち俺達に向かってこう言った。
「こんにちわ。そして、君たちは死んだんだ。」
……は?こいつは何言っているんだ?俺は夢でも見ているのか?と思ってしまった。周りの人達も同じような反応だ。すると、イケメンはその空気を察してかこう付け加えてきた。
「あー、ごめん、ごめん。信じれないと思うけど事実なんだ。今からその時の記憶を戻すから思い出してね。まぁ、いやでも思い出すんだけどね。」
するといきなりイケメンは指でパチンと音を鳴らした。すると、俺達の頭の中に他人のような記憶が流れ込んできた。俺の場合は、道路を歩いていたらいきなり路地から車が飛び出してきて、事故に合うというものだった。他人のような記憶だがはっきりと分かることがあった。事故にった青年は俺だということだ。
イケメンは俺達の中に記憶が戻ったのを確認してから話を続けた。
「どう思い出した?今、頭の中に流れたのは君たちが何らかの理由で死んでしまった時の記憶さ。ねっ、いやでも思い出したろ?」
ハハッとイケメンが笑った。だが、俺は記憶が戻ったというのに冷静だった。否、冷静すぎたんだ。周りの人達は酷く焦っていたというのに…。その時、イケメンと目線が合った。たが、何事もなかったかのようにまた目線を戻し、話を続けた。
「さて、ここからが本題だ。君達は本来、もっと長生きするはずだったんだ。実は、事務作業をしていた女神様が不手際を起こしてしまってね、君達の人生を無理やり終わらせてしまったんだ。まぁ、別にそのままほっておいても良かったんだけど、それだと流石に可哀想だから立場的に神様である僕がこうして君達の前に現れているってわけさ。因みに、女神さまにもそれ相応の罪滅ぼしをしてもらおうと思うんだ。まぁ、君達しだいだけどね。ここまでは大丈夫かな?」
イケメンがそう言って俺達を見た。この時初めて、イケメンが神様だと分かったが誰も疑問に思わず、ただ神様の話を理解しようとしていただけだった。そして、俺達が頷くと神様は話を続けた。
「んで、君達に罪滅ぼしじゃないけどもう一回今の年齢から生き返ってもらおうと思うんだ。もちろん、若返ることも可能だけどリスクはあるからね。ただ、元の世界には戻ることは出来ないんだ。死んでる君達が当たり前のように生き返ったら大事件だからね。だから、異世界に転生してもらおうと思うんだ。その為に、サービスはもちろんするからね。」
そう言って神様は最初から合ったパソコンがある一角を指差した。どうやら、そこに座れということらしい。俺は、示されたパソコンの一つに腰かけた。周りの人達も次々とパソコンの前に腰かけていった。俺は、その間にパソコンの画面を見てみると異世界へ行ってみませんかという初期画面から、ボーナスポイントという言葉とシャッフルと確定というボタンに変わっていた。
「良し、みんな席に着いたね。んじゃ、まず君達に今から転生してもらう世界の知識をあげるからね。んじゃ、いくよ。」
神様がそういうと、俺の頭の中に転生後の世界の知識が突如出現した。まったく違和感がなく、最初から知っていたかのように…。
「よし。知識は頭に入ったね。次は、画面を見てくれるかな?既に見てる人もいるだろうけど。その画面では初期値のボーナスポイントきめてもらおうと思う。みんなそれぞれ能力が違う様にボーナスポイントが最初から同じだと個人が無くなるから、そこは君達に努力してもらおうと思うだ。シャッフルを押すとランダムに数値が出て来るから自分が納得した数値が出るまでシャッフルを押してね。因みにここで、いくら時間をかけても大丈夫だからゆっくり選んでね。じゃ、スタート。」
その言葉を聞くとともにみんな一斉にシャッフルを押し出した。