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2頁 恋バナー好きな人・妹編ー
「そういう鈴歌は好きな人はいるのか?」
ふと思ったので問うてみる。
「え、いないよ?」
即答だった。見事な解答だ。
「いたら実の兄に向かってお嫁さんになる~なんて恥ずかしいこと言わないよ」
恥ずかしいことは理解していたらしい。だったらそれは脳内に留めてほしいところだった。
「昔はよかったね。堂々とお兄ちゃんに向かってそういうこと言えたんだから」
明後日の方向を向いて思いを馳せる鈴歌に哀愁が漂っていたが、言ってることは今を謳歌していない若者の発言だった。