ごゆるりと。
「どうぞごゆるりと。」
そういって微笑んだ、羊の顔した奇妙な人
椅子に腰掛け 羊を見上げ
不思議な世界、ここはどこ?
思ったけれど口に出ず
きっと夢だと一人で納得
差し出されたまるいティーカップ
包むように手で持って
カップ傾け 紅茶を一口
不思議な味、なんの味?
問いたいけれど口に出ず
きっと夢の味だと一人で納得
羊の顔した人間は 時計を見やって口をひらいた
「そろそろお迎えがいらっしゃられます。」
そういって残念そうにわらった
ここはどこ?
これは何の味?
結局それは聞き出せず
朝目覚めると、紅茶を飲んだ
あいかわらず甘ったるい