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プロローグ

ノリで書いている三人称ファンタジーです。

なのでたびたび修正が多々入ると思われます。

暇つぶしでもなんでも読み進めて貰えれば幸いです。そして感想ならなんでも有難いので気軽にどうぞ。


 これはこれはお初にお目にかかります。

 まずは感謝の意を。


 どうも有難うございます。


 私の名は子羊と申します。ああ、お見知りおかなくとも結構です。

 この姿も名前も曖昧でいつ何時変わると知れませんから。


 さて唐突ですが世界についてどう思われますか?


 漫画の世界なんて認めてしまえば世界の中に無数の世界が出来てしまう。まるでマトリョーシカのように、いえここではツリー構造と言っておきましょうか。


 ではそれらの世界の運命と言われるものはどうなっているのでしょう?

 世界から世界が生まれるならばその世界の運命はその元の世界が決めるのでしょうか?

 いえいえ、そんなことはございません。それを完全に操作できるのはルート権限を持つ神と言われる存在だけでしょう。世界の外にいながらなんの権限も持たない存在なんて神とは言えません。読み取り専用の世界を眺めるだけではその世界の運命は変わりません。


 ときに漫画でも小説でも映画でもアニメでもその結末過程に不満を抱いたことはありませんか?

 私はあります。それもかなり天邪鬼でして、バッドエンドを見ればハッピーエンドにしたくなり、ハッピーエンドを見ればバッドエンドにしたくなる性分なのです。


 もし世界がデータのようなもので、その構造がツリー構造をとっていたとしましょう。

 内容を変えたい世界がある。しかし、あなたには権限はない。そうなれば不法な干渉をするしかありません。


 例えばウイルスを送り込む。


 世界の運命を変えるイレギュラー、私が神ならば彼らは神の使い、天使といえるかもしれないですね。まあ世界にとってはただのバグでしかありませんが。


 それでは外の世界のためにもそろそろ起動するとしましょう。





 木しか見えない。

 石の壁しか見えない。


 それが竜馬と総司、それぞれが異世界で最初に抱いた感想だった。



竜馬の目の前に広がるのは、空を覆い隠すほどの木々が伸ばす枝に青々とした葉の群れだった。まさしく木陰の中であり、森の中だった。背中にある柔らかくもごつごつとした感触が不快で竜馬は上体を起こした。そこで初めて自分が地面で寝そべっていたことに気付いた。


「あれ?俺はたしか……何してたんだっけ?」


 土の上に胡坐をかいて、頭を捻る。

 なぜこんな所で自分は寝ていたのだろう? まったく身に覚えがなく、寝る前に自分が何をしていたのかも思い出せなかった。それどころか最近の記憶も曖昧で今が何月かも覚えていなかった。確か秋だった。そんな気がする程度だった。

 酒でも飲んでフラフラとこんなところに来てしまったのだろうか? 酒の魔力は怖い。そう考えればありえなくもない。なんてことはなくやはりありえない。

 竜馬がとりあえず携帯電話を確認すると、十月八日と表示されていた。ついでに総司に連絡をとろうかと思ったが圏外だった。さらに辺りを見渡せばラフレシアのような巨大な花など馴染みのない植物が多く目に付いた。


「どこの田舎だよ。ここホントに日本か?」


 愚痴を零すように独り言を呟いて竜馬は立ち上がった。

 ともかくこの辺りを少し歩いてみよう。


 もしかしたら総司もその辺に転がっているかもしれない。





 一方、総司は硬く冷たい感触を味わいながら目を覚ました。

 まず目に付いたのが黒く、閉ざされた鉄格子だった。その隙間から松明の光だけが漏れ、辺りをぼんやりと照らしていた。石造りの床と壁はまるで中世のヨーロッパにタイムスリップしたかのような印象を総司に与えた。ただ牢屋の中である。総司の腕には見るからに頑丈そうな手枷が嵌められており、手枷から伸びる鎖は床に繋げられていた。比喩でもなんでもなく総司は牢屋に繋がれていたのだった。

 現実味がない。それが総司の感想だった。

 普段から竜馬と共に牢屋に繋がれてもおかしくない行いをしてきた。だからこそ深層心理がこんな夢を見せているのかもしれない。と思いつつ、固く閉ざされた鉄格子のように総司は固く目を閉じた。

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