心地いい時間
話は前回から少したって、一か月後。押しかけてきた異星人(といっても、姿かたちは地球人と変わらないが・・・)人と人とのかかわりをさけてきた優人。いろいろあったが、そんな優人たちにも変化が・・・・
優人「お~い!サクラ起きろ!!!」
サクラ「むにゃむにゃ・・・あと、5分・・・」
優人「なんで俺が・・・・ってかなんのフラグだよこれ・・・・」
サクラをたたき起して、2人で2階から降りてくる。
ザンティス「おはようございます。サクラ様。」
サクラ「おはよ~ザンティス」
ザンティスはすでに優人が作っておいた朝食をテーブルに並べている。何とも気の利く男だ。
優人「しかし・・・妙な感じだな・・・こういうのも・・・」
優人はこんな風に3人で暮らしている自分が妙におかしくなった。
サクラ「あ、優人君笑った?」
ニコニコとサクラが優人の顔を覗き込みながら言った。
優人「いいからさっさと食え」
覗き込んできた、サクラの額にデコピンする。
ザンティス「いってらっしゃ~い」
ザンティスの見送りで、2人は学校に向かった。
優人「あいつ・・・完全に主夫だな。」
サクラ「エプロンしてたら完璧だね。」
優人「今度買ってきてやるか。」
サクラ「そうだね。」
2人はそう言って笑った。
サクラ「でもよかったの?私はもう優人君に危険な目にあってほしくないから、代わりの護衛を本国か
らよこそうと思ったのに・・・」
優人「お前から俺に護衛やれって頼んだんだろうが。」
サクラ「でも・・・それは・・・」
優人「いいんだよ。約束通り、ザンティスの怪我が治るまでお前のこと守ってやる。例え、どんな敵が
現れたとしても。」
サクラ「優人君・・・」
優人「俺はお前に感謝してるんだ。いろいろとな・・・それに、あの日ザンティスが言ったことも気に
なる。」
それは、あの優人の母を日記を見つけた時の話だった。
ザンティス「何か・・・妙ですね。」
優人「え?」
サクラ「どうしたの?ザンティス。」
ザンティス「何か・・・優人殿の心や行動、精神状態が不自然というか・・・その・・・」
優人「何が言いたい?」
ザンティスは一呼吸おいて、ただ一言こういった。
ザンティス「精神操作」
優人「!!!」
サクラ「まさか・・・魔法・・・・」
ザンティス「優人殿のお母さんの犯人は捕まっていない。そして、優人殿のお母さんが殺された時、あ
なたは本当にでかけていたのですか?」
優人「まさか・・・その時の記憶も・・・」
優人は膝をついてうなだれた。
ザンティス「その可能性も・・・」
サクラ「ザンティス!!!」
サクラはザンティスに詰め寄った。
サクラ「ザンティス!橘君の気持ちを考えて・・・」
言おうとした瞬間、サクラの手を優人が握っていた。」
優人「いいんだ・・・俺はもう大丈夫だ。ありがとう、春日井、ザンティス・・・」
サクラ「橘君・・・・」
ザンティス「親子の絆は魔法よりも強いということですね。やはり。」
サクラ「そっか。てか、ザンティス気がついてたの?」
ザンティス「ええ。彼の瞳に悲しみが消えていましたからね。」
サクラ「じゃあ、その犯人を探すの?」
優人「いや、そうじゃない。俺がお前の護衛を続けたいのは・・・・その・・・俺がお前を・・・その
・・・」
サクラ「?」
優人「なんでもねー。仮にその犯人が現れたら、捕まえる。それだけでいい。」
サクラ「そっか。」
サクラは微笑んだ。
優人「ああ(もう2度と失ってたまるか・・・絶対に・・・)」
学校の校門の前、優人とサクラは登校してきた俊介と純子に出会う。
純子「サクラ♪」
サクラ「純ちゃん♪」
2人抱きあう。
優人、俊介「お前ら付き合っちまえよ・・・」
ずっこける女2人。
純子「いやいやw私たち2人とも目の前に彼氏いるから。」
サクラ「え。」
優人「な・・・おまえ、なにいって・・・」
頬が紅くなる優人とサクラ。
純子「あ、橘顔赤いぞ~これは脈ありか~」
優人「てめ~」
拳を作る優人。
俊介「おおっと~人の彼女に拳をあげるのはいけないよ~優人君~リーリーリー」
両手を広げて、体を左右に広げながら俊介が笑いながら言った。
優人「てめーは、盗塁する気満々の一塁ランナーか・・・」
俊介「まあ、野球部だし。これでも。」
優人「なるほど・・・そっっか・・・って、ちげよー!!!」
男子生徒A改めクラスメイトの阿部「お!今日もオアツいね!お二人さん!」
あきらかサクラと優人をみていった。
男子生徒B改めクラスメイト番田「ひゅーひゅー♪」
優人「てめ~ら~」
番田「やべー」
阿部「逃げろ~」
優人「待てこの野郎!!!」
阿部と番場を追って優人は走って行った、
俊介「ハハハ。あの二人生きて教室で会えるかな・・・」
純子「難しいんじゃない・・・」
そんな俊介と純子の言葉を聞いてサクラは笑いながら、
サクラ「ふふふ、でも、よかった♪優人君がクラスのみんなとなじむことができて・・・」
純子「そうね。」
俊介「そのきっかけを作ったのは、サクラちゃんでしょ。」
サクラ「まさか・・・私の命を狙うテロリストが教室に来るなんてね・・・」
純子「結果的にそれがクラスのみんなの橘君に対する誤解を解くきっかけになったからでしょ。」
サクラ「なんか・・思ってもみなかったけどね・・・あんな展開。」
俊介「いや・・・でも、優人君の心を開いたのは間違いなく君だよ。」
サクラ「そうかな・・・」
そのとき、ちょうど予鈴が鳴った。
純子「ほら、サクラ!行くよ!」
サクラ「うん!」
こうして、3人は後者に向かって走って行った。