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サクラ「優人君!優人君!!」

純子「サクちゃん!落ち着いて!!!」

サクラ「でも・・・優人君が・・・優人君が・・・」

純子「だめだよ。あなたが出てったら、何もかも終わっちゃう。俊介もサクちゃんをとめ・・・俊介?」

俊介「行くよ!2人とも!」

阿部、番場「おう!」

純子「ちょっと!3人とも何してるのよ!!」

阿部「何って・・・」

番場「そりゃあ・・・」

俊介「友達を助けにね!」

 そういって、3人は校庭に走って行った。

 そして、

俊介、阿部、番場「くらえ!!!」

 体育で使った竹刀を3人とも持ってパオに襲いかかる。しかし、

パオ「<ウェーブ>」

 水の波が3人を襲う。3人とも数メートル吹っ飛ばされる。

俊介「くそ・・・・・」

パオ「下等な地球人の分際で生意気な。」

俊介「下等な地球人だって・・・」

パオ「そうだ。我が主がサイコティス星を滅ぼしたあかつきには、地球を支配し、下等な地球人どもすべてを奴隷としてやるわ。ハハハ」

俊介「くそ・・・外道め・・・」

パオ「何度でも言うがいい。貴様らなど湧いて出る虫も同然。この場にいるものすべてを殺してやろう。」

俊介「くそ・・・」

パオ「死ね!!!」

 パオが斧を振りかぶったそのとき、

パオ「な・・・」

 パオの右の肘に短剣が突き刺さった。斧を思わず背後におとすパオ。

優人「手を・・・出すな・・・・」

サクラ「優人君!」

 そこには、全身血まみれで満身創痍の優人がいた。

俊介「優人君・・・」

 そういい、俊介は気絶してしまった。

パオ「この・・・またしても俺に傷を・・・」

 そのとき、優人は前のめりになって倒れた。

パオ「ハハハ。やはり我がアクアレイドをくらって、まともに立っていられるはずはないか。」

優人「くそ・・・」

サクラ「優人君!」

 パオの手下によって両手をふさがれた状態でパオの前に立たされる。ひとりに左手、ひとりに右手をおさえられ立たされている。

パオ「さて、優人とやら。よくも、この俺に傷をつけてくれたな。このまま殺すのはたやすいが、それではおもしろくないな。」

優人「・・・」

 パオは手始めに優人が投げて自分に突き刺さった短剣を抜いて、優人の両足の大腿を切り裂く。

優人「く・・・」

 苦痛の顔をうかべ、膝をつく。

パオ「おい。膝をつくのはまだ早いぞ。」

 手下によって、無理やり立たされる優人。優人は膝上を切り裂かれているため足に力が入らない。

パオ「おいおい。その程度でくだばってもらっては・・・・・困るんだよ!!!」

 そう言いながら今度は優人の体を十文字に切り裂く。

優人「な・・・・・・」

 痛みのあまりまたも倒れそうになったが、パオの手下によって無理やり立たされる。優人のカッターシャツは切り裂かれ、それがみるみる血に染まっていく。

サクラ「やめてええええええ」

パオ「サクラ皇女殿下。あなたが我々にくだるというのなら、ここにいるものすべて助けてやってもいいのだが・・・」

サクラ「!!!」

優人「よせ・・・サクラ・・・ぐは・・・」

 その瞬間、パオは優人の左の脇腹を短剣で突き刺し、それを時計回りに回す。

優人「・・・・な・・・」

 激痛にまた膝をつきそうになるがそうはさせてはくれない。みるみるうちに優人のシャツは赤く染まる。

パオ「さあ、どうします?サクラ皇女殿下。このまま彼を見殺しにしますか?調べたところあんたは彼と親しいそうですが・・・正直、こちらもがまんしているのですよ、このクソガキをブチ殺したくて仕方ないのを必死に我慢しているのですよ。」

サクラ「・・・・・」

優人「サクラ・・・俺の事はいいから・・・早くにげ・・・・ぐは・・・」

 言葉を続けようとした優人に対し、パオは短剣が刺さってる腹を思いっきり蹴とばす。優人は地面にはいつくばり、パオに頭を踏みつけられた。

パオ「まだ、自分の立場がわかってないようですね。虫けらはおとなしく標本にでもなりやがれ!さあ、どうします?サクラ皇女殿下。」

 その言葉を聞いて、サクラは何も言わず、まっすぐ校舎から出て、校庭まで降りてきた。

優人「サクラ・・・」

サクラ「ありがとう。優人君。」

 サクラはそういってにっこりと笑った。

パオ「連れて行け。」

 部下数人に連れられ、サクラはパオが用意した宇宙船に乗り込もうとする。そのとき、

サクラ「さようなら。優人君。」

 笑顔で優人に言った。

優人「サクラ・・・・・サクラ!!!!!」

 サクラを乗せた宇宙船は、現れた空間の切れ目の中に入っていった。おそらく、ワープ装置みたいなものだろう。そして、その空間の切れ目はゆっくりときれていった。

パオ「ハハハ・・・・・・・よし、皆のものここにいる地球人すべて殺せ。」

優人「な・・てめぇ・・・・」

パオ「ハハハ。この俺様が下等な地球人どもを生かすと思ったのか・・・・」

純子「そんな・・・約束が違うじゃない!!!」

パオ「ハハハ。さて・・・なんのことかな。」

 パオとその手下は冷酷な笑みをうかべ、地面にはいつくばっている優人に斧を振りかぶった。

優人「・・・(くそ・・・ここまでなのか・・・)」

パオ「死ね!!!!!」

 優人は自分の死を覚悟した。しかし、

パオ「な・・・・貴様は・・・」

優人「・・・あ・・・ああああ」

 そこにいたのは、優人の目の前でパオの斧を刀で受け止めていたザンティスだった。

優人「ザン・・・ティス・・」

 ザンティスはその斧を払いのける。パオは後ろに距離をとる。そして、剣を鞘に納める。そのザンティスの目は今まで優人の見たことのない目だった。いつも、ニコニコしていたザンティスしか見たことのない優人にとって、ザンティスが見せる気迫、殺気はすさまじいものであった。

パオ「みなのもの、かかれ!!!」

 部下数十人が一斉にとびかかる。

ザンティス「斬空烈破」

 その瞬間、ザンティスは刀を抜き、空気を切り裂く。その瞬間に空気の刃が発生し、襲い掛かるパオの部下数十人の体が全員真っ二つに引き裂かれ、それらがぼとぼと地面落ちる。そして、刃をパオに向けいった。

ザンティス「死ぬ準備はできているか。」

パオ「貴様・・・傷はもう・・・」

ザンティス「覚悟しろ。貴様はやってはならないことをした。」

パオ「貴様ら、ガイア帝国は何故地球人をかばう。魔法を使えぬ下等な種族を」

ザンティス「そんなことは知らん。帝国の掟の一つだ。地球人は同じ宇宙を生きる友だ。故に手を出す物を許さない。だが、この際その掟は関係ない。」

パオ「なにぃ」

ザンティス「お前は奪った、大切なものを。そして、傷つけすぎた。俺の大切な人たちを・・」

パオ「ふん」

 パオはその瞬間、パオは魔法で水の衝撃波を地面にたたきつけた。

ザンティス「なに・・・きぃさまぁぁあぁ」

パオ「また、会おう。ザンティス。そして、地球人ども。今回は見逃してやろう。だが、覚えておくがいい。私の主がサイコティスを統一したあかつきには、貴様らを俺の前で膝まつかせてやろう。その日を恐怖に怯えながら待っているがいい。」

 そう言い残して去っていった。しかし、ザンティスは追いかけようとはぜず、優人のもとにかけつけた。」

ザンティス「優人殿。優人殿。大丈夫ですか。」

優人「俺の事より・・・みんなを・・・」

ザンティス「大丈夫です。あなたほど大丈夫じゃない人はいません。」

優人「おい・・ひでーいいようだな。」

ザンティス「あなたは・・・そこまでして・・・みなさんを・・・サクラ様を・・・」

優人「サ・・・ク・・・・ラ・・・・」

 優人はそれから3日間眠り続けることになった。

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