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アイアネスの刺客

前回からちょうど1週間後。

優人「お~い!サクラ起きろ!!!」

サクラ「むにゃむにゃ・・・あと、5分・・・」

優人「いや・・・2回目はもういいから・・・・」

サクラ「ほえ?」

優人「いいから起きろ!このボンクラ皇女!!!」

サクラをたたき起して、2人で2階から降りてくる。

ザンティス「おはようございます。サクラ様。」

サクラ「おはよ~ザンティス」

 ザンティスはすでに優人が作っておいた朝食をテーブルに並べている。何とも気の利く男だ。

優人「てか・・・前にもこんなことあったような・・・」

ザンティス「いや・・・いつもこんな感じで起こしてますからね・・・優人殿は。」

サクラ「ひどいんだよ!ザンティス!優人君、私の事ボンクラ皇女って!」

ザンティス「ボンクラ・・・・・・・ぷ・・」

サクラ「ってそこ笑うとこ?!」

優人「皇女殿下も形無しだな(笑)」

サクラ「む~」


ザンティス「いってらっしゃ~い」

 ザンティスの見送りで、2人は学校に向かった。

優人「なんかこういうのが当たり前になってきたな。」

サクラ「うん、そうだね。」

優人「でも、こんな風景1ヶ月前には想像すらできなかったからな。」

サクラ「今は?」

優人「さあ・・・どうだろうな・・・」

サクラ「そっか。」

 優人とサクラはお互いの顔をみて微笑んだ。


 そう・・・ずっとこのまま・・・は無理か。卒業するまでずっと・・・このままこいつといれたら・・・・そんなささやかな願いすら壊されることになるなんて。


番場「おい、橘!サクラちゃん!今から遊びに行こうぜ!」

優人「あ、悪い!今日はちょっとな・・・・」

サクラ「あれ?今日なんかあったっけ?」

優人「おいおい。今日はザンティス完治祝いだろ?」

サクラ「あ、そっか。」

俊介「ああ、ザンティスさんの怪我もう治ったんだ。」

優人「もう今ぐらいには治ってるはずだが。」

阿部「なら、俺らもいってもいいか?ザンティスさんには世話になったし。」

 実は俊介をはじめ、みなザンティスとは面識があった。

純子「前、橘君と一緒にみんなを守ってくれたもんね。」

優人「ああ、そういえばそうか。」

俊介「じゃあ、みんなで行こうか!」

サクラ「ザンティス喜ぶよ。きっと。」

優人「そうだな。」

 その時、校庭で大きな爆発が起きた。校庭で部活動をしていた生徒が一斉に逃げだし、教員の指示のもと避難を開始している。

番場「なんだ?!」

純子「まさか・・・刺客?」

俊介「でも、いつもとなにか・・・」

優人「俊介、阿部、番場!みんなを頼む。」

阿部「おい!橘!!!」

サクラ「優人君・・・」

 優人は校庭に向かって走っていた。

優人「何者だ!!!」

 優人の前に現れたのは数名の兵たちと身長2メートルもあろうかという大男だった。

パオ「私の名はパオ。アイアネス王国の将のひとりだ。」

サクラ「アイアネス王国!」

純子「サクラ、どうしたの?」

サクラ「アイアネス王国は、ガイア帝国に次ぐサイコティス星の第3の勢力と言われている大国です。わが国には隣接してるだけあって、とっても仲が悪いんだけど。」

優人「そのアイアネス王国の将軍様が何の御用で。」

パオ「言うまでもないだろう。あなたが守っているガイア帝国の皇女殿下をいただきに。」

優人「一度聞こうと思ってはいたのだが、なぜお前らはサクラばかり狙う。」

パオ「今までお前らを襲ってきた三下どもは知らんが、私の主はサクラ皇女殿下の事をたいそうお気に召されておってな。」

優人「なるほど。よーくわかった。」

パオ「ほう。なにがわかったんだ?」

優人「てめーらがとんだ下衆野郎だってな!!!」

 そういい、優人はパオ一味に斬りかかった。

パオ「貴様のような下等な地球人に私が手をくだすことはない。やれ。」

 パオの手下数人が優人を迎え撃つ。しかし、優人はひとり、ふたりとあしらう。

パオ「ほう、少しはやるようですな。」

優人「何?」

 いつもと何かが違う。優人の戦いをみても動じることなく、余裕に満ちた笑みを浮かべている。今までの奴とは違うと優人は本能的に感じたらしい。

パオ「そもそも、鉄で作りだした武器など愚の骨頂。本当の武器は・・・」

 その瞬間、パオの体を水色のオーラをまとい、そのオーラの一部が変化し、大きな斧と化した。

パオ「己の魔力で作り出すものだ。」

優人「なに・・・」

パオ「魔力すら持たぬ愚かな地球人よ、死して自分の無力さを知るがよい。」

優人「あまり俺をなめるなよ・・・くらえ!!!」

 優人はパオの懐に入った。

パオ「ふん」

 パオは大斧を優人に向けて振り下ろす。その瞬間、まるで震度3はあろうかという地響きが校庭中に響いたが、パオの斧の先に優人はいない。

パオ「なに?!」

優人「ここだ!!!」

 優人はパオの背後に回っていた。

パオ「こしゃくな!」

 すかさず、自分の背後に斧を振りかざすが、その斧をかわし、背中に斬りつける。

パオ「のわぁぁ・・・」

 背中を思いっきり斬りつけられ、痛みのあまり膝をついたが、もう一度斧を振りかざし、優人に斬りつける。優人はそれを双剣でうけとめるが衝撃で数メートル後ろに押された。

パオ「貴様・・・・」

優人「お前はもう、サイコティスの地に立つことはない・・・もうすぐ、完治したザンティスも来る。お前らはこれで終わりだ。」

パオ「だからですよ。」

優人「え?」

パオ「帝国にその人ありといわれた風の貴公子ザンティスが来れば、サクラ皇女殿下を手に入れるのがより困難になるからな・・・・」

優人「なんだと・・・」

パオ「下等な地球人の分際でこの私に傷をつけたこと・・・ただではすまんぞ・・・」

優人「なんだ・・・こいつ・・・・・」

 さっきとは、うって変って別人だった。

サクラ「まずい・・・来る・・・」

純子「来るって・・何が来るの?」

サクラ「優人君が体験したことないような大きな魔法が・・・」


 パオは斧を右手で回転させ、斧の先端を優人に向けた。そして

パオ「しね!!!!!!下等な地球人!!!<アクアレイド>」

 その瞬間、斧から強烈な水の大砲玉のようなものが放たれ、優人に襲いかかる。その速さは、まさに秒速。優人はそれをもろにくらい数十メートル先の校舎に体を叩きつけられる。

優人「ぐわあああああああああああああ!!!」

 優人の叫び声が学校中に響き渡った。

サクラ「優人く~ん!!!!」

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