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彼女の選んだ世界  作者: taka
第24章 最初で最後の散歩
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人が生きる場所

 二人は、有名な場所には行かなかった。


 公園で遊ぶ子どもたち。


 夕方の買い物袋を提げた人々。


 店先で談笑する常連客。


大きな幸福ではない。でも、大切な日常の風景。


 アルスは、それらを一つひとつ、

 まるで宝物を見るような眼差しで眺めていた。


 「この街は……素晴らしいな」


 ぽつりと、独り言のように呟く。


 「人々が、安寧に生きている。

  それがどれほど難しく、どれほど尊いことか……」


 ヒカリは少し考えてから、素直に答えた。


 「私も、この街が好きです」


 「だから……知り合いの人たちが、

  みんな幸福でいてほしいって思います」


 「それだけなんですけど」


 アルスは足を止め、ヒカリを見た。


 そして、満足そうに微笑んだ。


 「……そうか」


 それ以上、言葉はいらなかった。


 夕日が街を橙色に染める頃、

 二人は町外れの階段へと辿り着く。


 見下ろす街には、灯りが少しずつ点き始めていた。

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