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「正義の物語」
別の番組では、街頭インタビューが流れていた。
「怖かったですけど、魔法少女がいてくれて良かったです」
「やっぱり正義ですよね。テレビ見て、泣いちゃいました」
「帝国? 侵略者でしょ。早くいなくなってほしい」
誰も、異を唱えない。
唱えたとしても、そこは放送されない。
画面が切り替わり、SNSのトレンドが流れていく。
#魔法少女ありがとう
#世界は守られた
#新しい魔法少女
#怪物怖すぎ
#帝国許すな
コメントは軽く、雑多で、速い。
「魔法少女かわいそう」
「てか衣装エロくね?」
「今回の敵ヤバかったな」
「まあでも解決したんでしょ?」
流れて、消えていく。
ニュースは触れない。
誰が最初に攻撃したのか。
誰が誰を守っていたのか。
何人が死んだのか。
帝国の騎士たちが、
結界を張り、一般人を逃がし、
自らを盾にしていた事実も。
巨大な武装が、
過去の魔法少女たちの遺産だったことも。
それが二度と作れない“切り札”だったことも。
夜のニュースの締め。
「今回の一件を受け、
魔法少女を支援する体制は、今後さらに強化される見通しです。
私たちは、これからも彼女たちを応援していきましょう」
拍手。
明るい音楽。




