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彼女の選んだ世界  作者: taka
第23章 語られなかった戦争
82/88

「正義の物語」

 別の番組では、街頭インタビューが流れていた。


 「怖かったですけど、魔法少女がいてくれて良かったです」

 「やっぱり正義ですよね。テレビ見て、泣いちゃいました」

 「帝国? 侵略者でしょ。早くいなくなってほしい」


 誰も、異を唱えない。

 唱えたとしても、そこは放送されない。


 画面が切り替わり、SNSのトレンドが流れていく。


 #魔法少女ありがとう

 #世界は守られた

 #新しい魔法少女

#怪物怖すぎ

#帝国許すな


 コメントは軽く、雑多で、速い。


 「魔法少女かわいそう」

 「てか衣装エロくね?」

 「今回の敵ヤバかったな」

 「まあでも解決したんでしょ?」


 流れて、消えていく。


 ニュースは触れない。


 誰が最初に攻撃したのか。

 誰が誰を守っていたのか。

 何人が死んだのか。


 帝国の騎士たちが、

 結界を張り、一般人を逃がし、

 自らを盾にしていた事実も。


 巨大な武装が、

 過去の魔法少女たちの遺産だったことも。


 それが二度と作れない“切り札”だったことも。


 夜のニュースの締め。


 「今回の一件を受け、

 魔法少女を支援する体制は、今後さらに強化される見通しです。

 私たちは、これからも彼女たちを応援していきましょう」


 拍手。

 明るい音楽。


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