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崩壊 ― 蒼の門の代償
守護者の胸を、地下から放たれた青い光が貫いた。
過去の魔法少女たちの力が重ね合わされ、
祈りと犠牲が暴力となって解き放たれる。
巫女の声が、ヒカリの内に響く。
> 「なんという事を……
> 世界樹の枝を裂き、その心臓を撃ち抜いたのです」
それは救済ではない。
世界そのものへの、外科的な殺害だった。
次の瞬間、すべての光が消えた。
波が凍り、空が軋む。
レイラインが断裂し、世界の鼓動が途絶える。
ほのかは唇を噛みしめた。
かなでは震え、言葉を失う。
ヒカリは空を見上げ、呟いた。
「……世界が、泣いてる……」
沈黙の波が広がり、すべてを呑み込んでいく。
――蒼の門は、静かに閉ざされた。




