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彼女の選んだ世界  作者: taka
蒼の門
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開戦 ― 赤と青の衝突

 荒れる波の上で、夜の海は無数の魔力光に引き裂かれていた。

 赤と青、二つの輝きが絡み合い、波間で激しく爆ぜる。


 海上に浮かぶ人工島――エネルギーポイント第七地点。

 帝国が展開する紫の結界は薄く揺らぎ、その内部では、絶え間ない轟音が夜を押し潰していた。


 「第三防衛線、突破されました!」


 通信兵の叫びに、将軍レムルが即座に振り向く。

 白い息を吐き、鋼の獅子の兜を被り直した。


 「結界の補強を急げ。残存部隊は私の後方へ!」


 帝国兵たちは、ためらいなくブルークリスタルを握りしめる。

 青い光が身体を包むたび、命の灯が確かに削れていく。

 それでも、誰一人として退かなかった。


 守るべき民がいる。

 譲れぬ誇りが、そこにあった。


 対するは、妖精国の先鋒。

 その中央に立つ上級妖精が、冷たい微笑を浮かべる。


 「行け、“渇望”の子らよ。

  願いを叶えるために、戦いなさい」


 命令と同時に、海面を踏み割って少女たちが舞い上がった。

 虹色の光を纏う魔法少女たち――


 だが、その瞳に宿るのは希望ではない。

 叶えきれなかった願いへの焦燥。

 奪われることへの恐怖。


 それらが絡み合い、狂気のような輝きとなって滲んでいた。


 「願いを叶えるのは、私よ!」

 「もう誰にも、奪わせない!」


 叫びと共に、光が奔る。

 青白い閃光が帝国の防衛線を焼き、爆風が結界を叩き割った。


 レムルは盾を構え、真正面からそれを受け止める。


 「……世界を奪う者どもが、何を言う!

   我々は守っているだけであろうに」


 剣が閃き、魔力の奔流を弾く。

 赤と青が激突し、夜の海は再び閃光に包まれた。

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