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彼女の選んだ世界  作者: taka
第17章 赤の戦線
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交わる決意

夜の喫茶店「エクリプス」。

照明は落とされ、店内にはコーヒーの香りだけが残っている。

時計の針の音が、やけに大きく聞こえた。


カウンターの奥。

簡易ベッドの上で、クロが横たわっていた。

包帯の隙間から、まだわずかに血が滲んでいる。


「……妖精の姿には、もう戻れない」


淡々とした声だった。

そこに悲壮感はない。


「それでも――守る」


クロはそう言って、ヒカリを見る。


「海へ行くなら、道案内はできる。

 あの場所は……俺たちの記憶にも、深く刻まれてる」


ヒカリは一瞬だけ迷い、そして頷いた。


「……一緒に行こう」


その言葉に、クロは小さく目を閉じた。


夜風が窓を叩く。

遠くで、低く、長い海鳴りが響く。


それは警告ではなく、呼び声だった。


まるで――

“思い出せ”と、世界そのものが囁いているかのように。




 月明かりの下、海は静かに揺れていた。

 その深奥で、濃い青の光が、心臓のように脈打つ。


 世界中の“流れ”が集う場所。

 すべてが還る、収束点。


 そして――

 誰にも止められぬまま、

 門は、確かに開き始めていた。

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