表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女の選んだ世界  作者: taka
第12章 ――白の崩壊者
40/71

守護獣、覚醒

背中の白い茨が、天を裂くように一斉に伸びた。


それは“攻撃”ではない。

外敵を排除する意思すら伴わない、

ただの――防衛反射。


茨が振るわれるたび、空気が裂け、

白い衝撃波が無差別に周囲へと広がっていく。


悲鳴が上がった。


巻き込まれた魔法少女たちが宙を舞い、

展開していた魔法陣が砕け、光となって霧散する。


これまで相手にしてきた“魔物”とは、次元が違う。

力の質も、規模も、意味すらも。


帝国兵たちですら、本能的に距離を取っていた。


「……結界、限界です」

「防衛機能が追いつかない!」


指揮系統の声が重なり、

紫の結界は、もはや役割を果たしていなかった。


世界と戦場の境界が、溶け落ちていく。


その中心で、白い守護獣が咆哮する。


それは怒りではない。

敵意でもない。


――理解されなかった存在が、

世界そのものを守ろうとして暴走している音。


ヒカリは一歩、前に出た。


胸元のハートの核が、激しく脈打つ。

守護獣の震えと、自分の鼓動が重なっていく。


「……大丈夫」


声は、叫びにならなかった。

それでも、想いだけは確かに向けた。


だが――


白い守護獣は、すでに

**“誰の声も届かない場所”**へ踏み込んでいた。


守るべき対象と、

排除すべき脅威の区別が、完全に消え去った瞬間。


――覚醒。


それは進化ではない。

希望でもない。


制御を失った防衛機構が、

世界に牙を剥いた瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ