白光の中で
白い閃光。
ヒカリは、意識を失ったのか、それとも保っているのかも分からないまま、
ただ光の中に包まれていた。
空も、地も、境界はない。
音も距離も曖昧で、時間さえ溶けている。
「――貴方は、選ばれた者です」
静かな声が、直接胸の奥に届いた。
耳ではなく、心に響く声。
「……誰……?」
問いかけたはずの言葉は、音にならない。
それでも、声は答える。
「世界樹は今、命を削られています」
白い光の向こうに、巨大な影が浮かび上がった。
天を覆うほどの枝、山のように太い幹。
ヒカリが何度も夢で見てきた――世界樹。
けれど、その姿は以前とは違っていた。
葉はまばらに落ち、幹には細かな亀裂が走っている。
「妖精たちは、真実を隠しました。
魔法少女という幻想を与え、
“願い”という報酬で、世界の命を削っているのです」
ヒカリの胸が、強く締めつけられる。
「……そんな……じゃあ……
かなでちゃんも……?」
震える思いで浮かんだ名前。
あの優しくて、不器用で、誰かのために戦おうとする少女。
「彼女たちは、騙された犠牲者です。
けれど――それでも、世界は崩れ続けています」
光が揺れ、空間が静かに変質する。
白い光の中から、
巨大な白熊――守護獣が姿を現した。
体長は山のように大きく、
背には白い茨のような蔓が伸びている。
その瞳は、恐ろしいほど澄んでいて、
どこか人間のような優しさを宿していた。
ヒカリは、なぜか分かった。
この存在は敵ではない。
ずっと昔から、世界を見守ってきた存在だと。
「……私に、何をしろっていうの……?」
その瞬間、
ヒカリの胸元でネックレスが淡く輝いた。
光は熱を帯び、
まるで心臓の鼓動に呼応するように強まっていく。
「それは――貴方自身です」
声が、はっきりと告げる。
ヒカリの胸から、光が溢れ出した。
首にかけていたネックレスが共鳴し、
その中心から“何か”が浮かび上がる。
透明な、ハート型のダイヤ。
光を反射しながら、静かに回転している。
「願いではありません。
契約でもありません。
誰かに与えられた力でもない」
守護獣が、ゆっくりと頭を下げた。
「それは、貴方の“意志”と“魂”が結晶化したもの」
世界樹の枝先が、かすかに光を取り戻す。
ほんのわずかだが、確かに――再生の兆しだった。
「ヒカリ。
貴方は、選ばれたのではない」
声が、優しく、そして厳しく響く。
「――貴方が、選んだのです」
白い光が、さらに強く弾けた。
ヒカリの意識は、




