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壊れたという事実
妖精たちは説明しなかった。
説明する必要がない、という態度だった。
「戦いは続いている」
「守るためには犠牲も必要だ」
それだけを繰り返し、質問を遮った。
だが、真実は単純だった。
彼女たちは――
壊れたのだ。
力を与えられ、
願いを煽られ、
欲望を燃料にされ、
限界を超えた、その瞬間に。
身体は耐えきれず、
魂は形を保てず、
魔力は散り散りに砕けた。
回収も、修復もできない。
再契約など、あり得ない。
残骸すら、残らなかった。
その事実が、
世界に知らされることはなかった。




