100/115
消えた名簿
最初に気づいたのが、誰だったのかは分からない。
ニュースは相変わらず流れていた。
「魔法少女の活躍」
「被害は最小限」
「市民に怪我人なし」
いつもと同じ言葉。
いつもと同じ調子。
だが、画面の端に――
新しい顔が、映らなくなった。
増え続けていたはずの魔法少女は、
いつの間にか増えなくなり、
そして、少しずつ“減って”いった。
それは敗北でも、引退でもない。
謝罪会見も、引き継ぎもなかった。
名前が呼ばれることもない。
ただ、いなくなった。
病院にも、彼女たちはいなかった。
戦闘後に搬送された記録はなく、
重体患者として登録された痕跡もない。
家族が探しても、
学校が連絡を取ろうとしても、
返ってくるのは決まって同じ答えだった。
「該当する人物はいません」
まるで最初から、
“存在していなかった”かのように。




