5/29
5話
「なんでおれにかくしたんだ?」
「えっと、」
「なんか言えよっ」
俺は口調を強くして言った。周りの客も俺の声にビビっていたが、知ったこっちゃない。
「大樹、ここ外だよ!」
冷たい口調で言ってくる。
そんなことぐらい俺にだって分かる。けど、どうしてもこの怒りを我慢できなかったんだ。
「もしかして、潤貴は知ってるのか?」
「うん…」
なんで俺には言わないのに潤貴には言ってるんだ?俺はそれがすごく気に食わなかった。
「なんで潤貴には言ってんだよ?」
「後で大樹には言おうとしてたよ!」
「へぇー、3か月たっても言わなかったのによくそんなこと言えるね」
「悪いとは思ってるから、私帰るね」
ここで話をしなければいけない、と感じた俺はとっさに沙希の腕をつかんだ。
「きゃっ」
「急に腕をつかんで悪かった。けど本当のことを話してほしい」
沙希は俺のほうを見て
「分かったわ」
と返事をしその場を去った。
俺はなぜあの場で沙希が真実を語ろうとしなかったのかは、その時はわからなかった。
いいねと評価お願いします。
感想も書いてくれると嬉しいです!
明日も投稿します。