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23話

梨花はニコニコしながら俺の手を引き一緒に台所へ向かった。

そして、台所に着くと振り返って少し真剣そうな顔で僕に質問をしてきた。


「大樹って明日から本当に学校休むの?」


突然聞かれて少し驚いた。

さっきまでニコニコしていた梨花が急に表情を変えて、真剣な顔をしていたからというのも一理あるが梨花の真剣な顔を始めてみたからだ。

テレビに出ている時は、いつも笑っている。そんな梨花が急に俺のことを真剣な顔で見てきたからついドキッとしてしまった。


けれどいつも通りの声で


「今日、社長たちとお肉食べてるときに心の準備に時間が必要だとか言われて来週の日曜日から撮影開始するって言われたよ」


そう言うと梨花は少し寂しそうな顔をしていたが、すぐに笑顔になっていた。

俺は少し不安になったが、すぐ笑顔になっていたので何にもなかったのだと思いそのまま話を続けていた。


「じゃあ、日曜日からはほぼ毎日一緒にいられるね!」


梨花はすぐに元の明るいテンションで俺にそう言ってきた。

それにしてもよくこんな男が喜ぶことを平気で言えるな、と思いつつ本音を口にした。


「うん、俺も撮影のことは心配だけど梨花と一緒の時間が増えてうれしいよ!」


内心ニヤニヤしながらもいたって平然を保って話していた。

もしこんな普段静かで根暗なやつがニヤニヤしていたら通報されるに違いない。

だから、頑張ってニヤニヤを隠しているつもりだった。


梨花は何か分かったかのような顔をして俺のほうをにやりと見てきた。

その瞬間俺は背筋が凍りついた。何か嫌な予感がした。そして、その予感は的中してしまったのだった。


部活と勉強と小説の両立がきつ過ぎる。

よし、勉強をあきらめよう!

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