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スペシャルの最終回 美味しいところは持っていきます

「多分…多分!きっと!おそらく!ボツが大量に出ていなければ今回の収録がスペシャルの最終回です!そして最後に相応しいと選ばれたのがこちら!海のど真ん中でーす、来るだけならどこの港から出ても大丈夫、ただここで漁とか遊漁船をする許可証を持ってるかどうかだけですね。

でー、ここで何を釣るの?ってくるとほら、アレですよアレ、年末恒例のやつ、これが放送されるのは2月末か来年の撮影が順調でボツも少なく余裕が出来たら1月中とか、動画配信サイトの方での裏マグロスペシャルみたいな感じになると思います、こういう撮影の都合やらなんやらメッタメタな事を言っても大体カットされないのが私の回でございます。

今いる場所に関しては…そうですねぇ…ちゃんと国内ではありますし、釣りをする事が出来る場所ではあるんですが…まあ、一応出航したのが青海県秋野市冬宮港というところになります、マグロで有名なところですね。

え?聞いた事がない?まあそれはそうでしょう、獲るところは同じなんですが港と市場が変わったら産地が変わるんですよ、そしてこの時期の秋野市というか秋野市に属する冬宮町の漁師達はこの時期にここで漁をする事が出来ないんですよ、なので漁に行けるようになってる頃には青馬のマグロで有名な隣の県の漁師にみーんな持っていかれちゃってるの、ついでにその頃にはもう禁漁時期になっちゃうから同じマグロなのに無名な港町になってるのねー。

なんで獲りにいけないのかといいますと…多分今編集で港の様子が画面に出てると思いますが、まあこんな感じで雪と氷に閉ざされて砕氷船でも持ってこないと港から船が出れないの、でも漁だけで生計を立ててるわけではないので大丈夫なんですけどね。

まあ、こんな感じで海に出るのが非常に大変なのでマグロは全部青馬に持っていかれてるのが昔から続いています、出れる時は出て取ってるんですけど、港が違うので産地が青馬ではなく冬宮になって

、同じ物でも青馬であればキロ1万から付いてもが冬宮だとキロ3000円前後になっちゃうんですねー…うーん無情…

てな感じでお得情報、この時期の美味しいマグロが食べたければ冬宮のマグロを買いましょう、市場に出回るのは青馬産で冬宮は地産池消になるので現地に来ないと買えませんけどね、後無い時は全く無いですけど、冷凍ではなく生の状態で地元のお店に卸されますので、冷凍状態で出荷される青馬より安くて美味しいのが食べれますよー?青馬も現地に行けば冷凍じゃない物を食べれますが…値段は冬宮の10倍からは取られるのでお勧めしません。

とまあ説明をしたところで今回は冬宮港から出港して2キロの場所、青馬港からだと5キロ地点っすな、その場所でマグロ釣りをしていきたいと思います!釣れたらしばらくマグロパーティーだ!

あ、氷に閉ざされた港からどうやって出てきたの?という答えは別撮りの映像でどうぞ、見て分かる通り氷を物理的に砕いてどかして船が出れるようにしただけです、なので現在釣りに来ている私達以外にもやる気を出した漁師が短時間でマグロを狙いに来てます。

私達は漁ではないのでマグロを追いかけてる船団からは離れた場所で船を止めてのんびりやっていきます、船団が追いかけているのは浮いて群れているやつ、私達は浮いてきていないそれより下にいるそれほど群れてないやつ狙い。

そしてマグロを釣るための道具がこちら、マグロやカジキを釣るために作られたオフショア用210XXHに30000番の大型スピニング、ショア用も有りますがショア用は長いので船で扱うのはちょっと難しいですからね…使えなくはないですし長いほうがちょっと有利で楽だったりしますけど。

メインラインがPEの10号を400メーター、リーダーが80号、今回はメインもリーダーも一番いいやつを下してきましたからね、大体メインもリーダーも通常の2から3倍の強度と擦れに対する耐性があると思ってください。

それに合わせて使う針がこちら、ムツ45号!スーパータフネスと呼ばれるくらいに丈夫で伸びない、さらにダイヤモンドスムースと呼ばれる加工を施しており、針先が折れにくく物凄く滑らかに、それこそ氷の上を滑るように抵抗なくマグロの口やカジキの口ですら貫通してくれるという非常ーにバレ難い針になっています。

ダイヤモンドって名前になってるのは圧縮して作った超高密度の人工ダイヤをちょっと使用してるのと名前的にすごそうだからです、単にスーパースムースとかウルトラスムースとか、驚きの貫通力って名前にするよりは高級で凄そうな感じがするでしょ?

で、リーダーはノットでギッチギチに縛って強度を100%以上まで引き出してあげて、針も弓掛けで外掛けよりさらに強度を強く、これでドシンプルなマグロ仕掛けの完成です、メインリーダー針であとは餌を付けるだけ、重りとかそういう物は要らない、餌を泳がせておけば後はマグロが下から上がってきてばくっと行きます。

そして使う餌がこちら、脂たっぷりの寒ブリ15キロ!これが店に並んだら1匹で5万は超えるぜー…」

「狙ってる魚がどれくらいの大きさかにもよるけど、400キロ500キロクラスのクロマグロを狙うってなると10キロ15キロのブリですら餌でしかないからねぇ、そして勿体無いけど裏で釣ってたこの10キロ程度のもう1匹のブリは輪切りにして撒き餌になります、サバが釣れたらそれでもいいんだけどねぇ…

まあ、大は小を兼ねるということでこんな感じでザクザクっと輪切りにして撒きます、サバだと数匹半分にして撒くけどこれなら1匹で十分かな?」

「ある釣り人は言いました、大きい魚を釣るなら大きい餌を使えと…その言葉に乗っ取りこのブリの背中に針を掛けまして、ちょっと泳ぎにくくなるようにヒレを少しだけ切ります、そしたら行ってらっしゃーい、帰ってくるときはマグロに進化して帰ってくるんだぞー?」

「今日はマグロ回って事で説明している間に裏で妹ちゃんが釣ったブリを餌にしてますが、妹ちゃんが言った様にサバが釣れるならサバでいいです、でも40とか50とかあるサバね?それを数匹半分にして撒いて下にいるやつを上に寄せてきて、そこに針をつけて動きが鈍ったサバを落として食わせるってのが一番安上がり。

10キロの寒ブリを処理もせず輪切りにして撒き餌とか見る人が見たら発狂するぞこれ、しかも寄ってきてなかったらさらに寒ブリやらカンパチやらが輪切りにされてばら撒かれていくんだぜ?さらに泳がせてるやつも1匹の値段が値段なので…」

「でも勿体無いって渋ってたら大きな獲物を逃す事になるので割り切りましょう、持ち帰るならマグロが食ってくるのを待ってる間にそれ用のを確保…かなぁ?この生簀に入れてるやつは全部餌ですけどね」

「やばいよねー、この生け簀の中にいるブリとかカンパチとかを全部市場に卸したら7万くらいで売れるし、スーパーに並ぶ頃には1匹2万とか3万とかつくぜこれ…そりゃ青馬の漁師はケチってトビウオの塩漬けとか使うわ…アレ生き餌より釣れないけど安いし…」

「餌を確保する手間が省けるってのもあるだろうけどね、餌として使うより売った方が収入が増えるのも事実だけど」

「だが私達は別に漁師ではないし、売った方が儲かるとかそういう事を考えて出し渋っていたら釣れる物も釣れなくなるので使っちゃいます、使い切る前に本命が釣れたら持ち帰って絞めて各自お土産だね。

それじゃあしばらく待ちです、ここからはしばらく餌がダメになったら交換して餌を撒いてまた泳がせての繰り返しになりますのでバッサリカットでーす」

「大型のマグロは基本忍耐力との勝負でもあるね」

「夏のキャスティングで50キロとかそこいらならすぐ来るんだけどねー…あっちはキハダで別物だけど、アレはアレでカジキが追い食いしてきて20キロ30キロのキハダが200キロとかのカジキに化けるからこっちとはまた違った楽しさがあるんだよね」

「頑張れば釣れるけど糸が出るからってなぜか皆スプールを抑えて切れてあー残念ってやってたりするのよね、ああいうのは抑えちゃダメ、一定のテンションをかけたままスプールが空になる限界まで走らせるの、空になると負けだから巻ける時は巻けるだけ巻いてね?

いくら海のスプリンターだとはいっても限界はあるわけだし、走るだけ走らせたら少しずつ疲れて巻ける量が増えていくから、無理に止めずに糸が切れないぎりぎりのテンションで走らせては巻いての繰り返し、これが大型マグロとカジキの基本ね」

「まあ、プロでも糸がとんでもない速度で出ていくと反射的に止めるし、出ていくのをそのまま眺めるってのは結構難しい事だったりもするけどね、500メーター巻いててまだ400メーターも余裕があるのに100メーター出されたくらいで慌てて手で止めてラインブレイクとかよくある事だし。

と、小話を挟んだところで温かいお茶タイム、マグロが来たら上がるまでは休む事をほぼ許されない状態になりますからね、妹ちゃんがいるのでピンチヒッターとして交代すればどうとでもなりますけど」

「今回は店長さんスペシャルだし、交代は最終手段ってやつだね、ダメになるまで私は餌の確保をしつつ後方待機で」

「300キロ400キロクラスはさすがに私でもスタンディングはきついから早めに交代してね?」


「はい、突然ですが現在ファイト中でございます、待ちの釣りという都合上どうしてもカメラを切っちゃうのでフッキングのシーンが入らなかったりしますがまあこれはどうしようもないですね、カメラを切ってから2時間餌を撒いたり交換してゆっくりしたところで一気にラインが走ってー…ですからねぇ…

で、見ての通り現在物凄い勢いで糸が出て行っております、後足を縁にかけて踏ん張って見苦しい状態になってますけどそこはまあスルーしてください、ファイティングチェアのないスタンディングで耐えるためにはこうしないと体が浮いちゃうので。

今はまだ耐えてるだけで負けるような状態ではないので軽く説明しますと、現在ドラグはフルロック状態、このリールだと50キロあるわけですが、それでもこの勢いで糸が出て行ってるんですね、メインとリーダーともに一番いいのを使っているので従来の倍以上。

ドラグは基本的に3分の1テンションとか4分の1テンションドラグってありますけど、今使ってる糸に関してはフルロックでその3分の1に近い状態です、ですので…今50キロ以上の力がここに掛かっているわけですね、鍛えてない人はマネしちゃダメですよ?道具を持っていかれるだけなら兎も角船に固定されてるファイティングチェア無しでこんな事をすると体ごと海に引きずり込まれますよ?

それでー…今この状態で耐えているわけですが、現在フルドラグで大体100メーターほど走られています、餌が食われた時点で50メーター出ていたので後200メーターくらいはこのまま走らせても大丈夫です、ですが、こんな感じで動きが鈍ったときは一気に巻いて寄せましょう、そして走り始めたら巻くのを止めて耐える、この時スプールを抑えたり巻いたりしちゃダメですよー?

この時変に力を加えちゃうと限界を超えて走ろうとして余計に糸が持って行かれる、合間合間にちょっと休憩を挟ませつつスタミナを削っていく方が効率よくスタミナを削る事が出来て持っていかれたラインの回収も楽になります。

人間でいうなら…そうですね、息を止めて無呼吸で瞬発力を上げる、その状態で一気に200とか300とかを余裕で持っていくんですよ、逆に遊泳に近い状態でスタミナを削れば100とか200で休憩を始めるのでその時に寄せるって感じですかね?

当然大型のマグロのスタミナは凄まじいですし、実際は泳ぎながら酸素を取り入れるので暴れ始めたらそのまま糸をぜーんぶ持って行かれるので、刺激はせずテンションだけ掛けたまま自由に走らせてやるのがいいです、そうすればこうやって糸を巻くチャンスも出来ますし、マグロも必要以上に走らないので大型でも400メーターもあれば余裕って状態になります。

問題があるとすれば…上がってくるまで人間側も耐えれるスタミナと握力と腕力が必要って事ですかねぇ…フルドラグで50キロ、いつぞやの国外ロケのマグロよりドラグの力が強いのと、フルドラグでも切れない糸を使ってるので1時間もしないうちに決着はつくと思いますが…鍛えていても辛いものは辛い!というわけでへーるぷ!30分耐えたから後退してくれー!でも釣り上げる直前でまた後退してくれー」

「はいはい、それじゃあ店長さんはしばし休憩で代打入りまーす」

「手応え的に多分400前後だと思うから、釣れたらキープは確実で絞めるのは入港する直前かな?」

「上がってくる頃には乳酸まみれだろうしねぇ、美味しく食べるためにはしっかり酸素を取り入れさせて休憩させてから、だぁね、ここならサメに化ける事は無いから確実にゆっくりと寄せていこう」

「とりあえず私は握力の回復ー…余裕でリンゴ100%ジュースを作れる握力があっても30分以上維持ってのはきついわ…」

「瞬間と持続は別物だしね」

「じゃあ私はちょっと休憩入りまーす、ノーカット版が出るかどうかはわかりませーん」

「テレビでノーカットはまずないだろうね」

全部餌

市場に卸したら間違いなく7万から10万は稼げるであろう寒ブリ等を餌として贅沢に使用、サバがいたら絶対そっちを使うほうがいい

大きい魚を釣るなら大きい餌ということで15キロの寒ブリを餌にしたが…見る人が見たら勿体無いどこの騒ぎではない、何なら途中で死んで付け替えたりして撒き餌として再利用されているので絶叫もの

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