結構狭い 争奪戦
「西へ東へ北へ南へー、毎日毎日あちらこちらへ大移動ー…って感じで本日やってまいりましたのはこちら!七畳島!名前の由来は言わなくてもわかるね?この島7畳の広さしかないんです、教科書にも載ってる経済水域を広めるための島…に見せかけてそうではないまた別の島です。
磯でも固まって出来てると何々群島と呼ばれるように島って付けられる事があるんですけど、まあそれと同じですね、そしてそんな7畳しかないところで磯釣りやろうぜってなって今ここに居ます、ここ多くても3人程度っていう磯なんですけど、足場はかなりいいというか、ほぼほぼまっ平らなので動き回らなければ6人くらいはまあ余裕ってやつですね。
接岸もしやすく荷物の積み下ろしも乗り降りも楽、落ちたらまあ危ないことには変わりないですけど、磯釣りの初心者向けとも言える磯ですね、その代り風が強い日は入れません、何せ障害物がないので風除けもなければちょっと高波が発生すると流されてしまいますので、基本的には天候がよくほぼベタ凪の日限定みたいな感じです。
まあどの磯でも風があったり波が立ってる日は入れませんけどね、そもそも船で近づく事すら出来ませんし、そんな日に磯へ行くバカは誰もいませんね。
さて、今日の釣り場を紹介したところで今日やっていくのはこちら、フカセです、磯といえばフカセ、フカセといえば磯といっても過言ではない道具に兎に角金がかかる事で有名な釣りです、でも昨今は1本5000円しないコッパ用の上物も出てきているので実はそれほどお金がかからなくなっています。
で、そのフカセで今日は何を釣っていくのか、それは…この餌を見ればなんとなくわかりますかね?はい、ビッグゲームのお時間でございます!
釣れなかったら…まあその時は磯でやるブラクリフィッシングとかそういうしょぼい内容になると思います、でも磯でブラクリも面白いんですよね、でっかいキジハタとかオオモンハタとかカサゴ、場所が北寄りの地域であれば50を超えるアイナメが足元で釣れるんですよ…という話は釣れなかった時にまたやるとしまして、ここ七畳島でやるビッグゲームのターゲットがこちら、ヒラマサ!
キャスティングでおなじみの魚ですね、フカセでやっても面白いんですけどフカセでやる人が少ないのが少し悲しいところ…メーカーが販促でやってるハイエンドクラスの上物で釣るってのはありますけど、買った人はビッグゲームには使わず性能がいいだけの上物として終わることもしばしば…
なーのーでー…今日は!最近の上物はクロダイやグレやサンノジなんかを釣るだけの物じゃないというところをお見せしようではないかと!細くて折れるんじゃないかと思う人がいるけどそうじゃないというところもお見せしようではないかと!
でもあまりにも安すぎる上物で挑むのは止めようね?一部例外を除きビッグゲーム用って書いてるちょっとごつめの物を使わないと折れちゃうので、10万を超えてくるハイエンドは大体大丈夫なんですけど、そもそも素材やブランクスからして違いますしね。
そして今日使う上物がこちら、そういう番組ではないので商品名は言いませんが…まあ色で察してください、今現在販売されている上物の中で一番お値段が高くて一番性能がいいやつです、やっぱり高いやつじゃないとダメじゃん!って思った人は赤い狼さんが売ってる1万くらいの上物を買ってください、あれでも100キロくらいならいけます。
では、仕掛けの説明ですね、ヒラマサ狙いですが仕掛け自体は普通のフカセと何も変わらないです、フカセだけじゃなく浮きや目印を使う釣りの基本ですが視認性のよい物を選んでください、人によって何が見えやすい見えにくいってのは変わりますので、出来ればお店で確認するのがいいですね、今日使うフカセ用の浮きは自分で着色をしてコーティングした物です、無着色というか白一色でコーティングされた物が売られていますので、それを自分で見やすいように着色ってやつですね、色自体は別に油性マジックでもちゃんとした塗料でも、ホロシートを張り付けてクリアスプレーを拭いてやるだけでもいいですよ?
そして浮き止めだのなんだのー…とあって針はメインラインと直結、針はビッグゲームでおなじみのタマン18号、仕掛け自体はシンプルそのもの、浮き止め一式が慣れないとちょっと面倒だけど、こういう上から通していくだけで使えるフカセの仕掛けも売ってるね、浮きがついてる一式は1000円くらいするけど、使い捨てじゃなくて使い物にならなくなるまで使えるからまあ意外と長持ちかな?
慣れてきたらこういう浮き止め糸にシモリにクッションだなんだと自分で揃えて作ってみましょう、思っているほど難しくはないですよ?
そして針をメインと直結する時のコツ、結んだ糸が針からすっぽ抜けないようにするのも大事なんですが、漁師結びとか強度が高いと呼ばれる結び方はしない事、サルカンを使う場合はメインの方の強度は強く、ハリス側の方は強度が弱くなるように結んでおくとラインが切れた時にもっていかれるのはハリとかそれプラスわずかなハリスだけで済みます。
切れる時は大体歯とか根、サメだと肌で切れるって事もありますが、そうじゃない、切れる要素が糸の限界に達した時のみっていう魚、もしくはどうしても取れない根掛かりの場合、メインと直結で糸の強度を100%引き出せる漁師結びだと引っ張ってる時にラインの中ほどから切れます。
そうなるとメインラインを無駄に失うだけでなく仕掛けも全ロスト、海の中に残るごみも増える、なのでこんな感じ、今日使ってるのは10号ですが結び目はこんな感じで…説明するために事前に撮っておいたテスターでのテスト動画!最初は同じ結び方をした針!これを引っ張っていきますと…はい、10キロくらいで結び目から切れましたね。
次にライン強度を100%引き出せる結び方をしたもので引っ張ると…こんな感じ、真ん中から切れます、50メーター糸が出ている場合大体20メーターからは糸が海や池や川等に残ってしまう、投げ釣りやこういう仕掛けを使う釣りだと仕掛けも全部持って行かれてしまう、なので基本的には結び目から切れる様にしておく方が糸の巻き替え頻度も減りますし、仕掛けは生き残って針だけを持って行かれる方にする方がお財布にやさしいですね。
魚が掛かっている場合はまた力の掛かり方が違うので真ん中よりさらに手前側、ガイドとかその辺りの位置から切れる事もありますが、結び方を工夫しておけば結び目からしか切れない様に出来ますので、強い結び方弱い結び方2つを覚えておきましょう。
まあ…今回は面倒だから直結でやってますけど、一番楽なのはサルカンを使ってメインを漁師結び、ハリスは2号か3号細くして漁師かダブルクリンチで結んでおけば仕掛けを持って行かれる事はないですね。
仕掛けの準備と説明が終わった所でぼちぼちやっていきましょう、来る前に済ませておけよって思うかもだけど…まあ、初めての人に対しての説明とか入門向けみたいなところもありますからね、ビッグゲームでもコッパグレでも糸の太さと針の大きさ、使う餌くらいしか変わりませんし、説明しておいて損はないってやつです、後時間稼ぎ?始めるにしても今ちょっと微妙な感じですからね、パラっと餌は撒いて様子を見てますがちょーっと渋いんですよね…オキアミとかも撒いて小魚も寄せてはいますが…
ま、そのうち時合いが来ますので、それまではこちら、全く同じだろって?こちらはメインラインが2号で針もグレ用で小さいです、これでギンユゴイなどの泳がせでも使える魚を確保しておきたいと思います。
その過程でグレとかクロの60とか70とかが来たら…ビッグゲームという設定は吹っ飛んでタイトルがクロダイとグレのフカセ釣りってなると思います」
「さて、4時間ほど経過しましたが未だ青物の姿はなし、時間的にはそろそろお昼なのでお弁当の時間です、今日は7割の人が好きだと答えるであろう唐揚げ弁当!しかもクーラーボックスに入ってるからキンキンに冷えてやがる!
でもまあこれは仕方ないんですよ、お弁当だけ別の入れ物ってやると荷物が増えますし、外に出しておいてもどのみち気温で冷えますし、直射日光に当てても痛むって事はないですけど微妙に冷たくなるのは避けれませんからねぇ…今日は皆で冷めた飯です、一応温まるためにカップ麺は用意してますがね。
調理器具を持ち込むって手もありますがそれをすると荷物が余計に増えて面倒なだけなので…まあお湯を沸かすための道具とカップ麺をプラスする程度に済ませておくと身軽になっていいですね、というよりテレビでの撮影ですし、食事の速さも求められるので料理する暇なんてほぼないですからね、磯での撮影はこれが最適解」
「お湯沸いたよー」
「ってわけでちゃちゃっとカップ麺にお湯を注いでしまいましょう、ここで間違っても他の人のカップ麺を手に取ってお湯を注いではいけません、スタッフがこそっと入れ替えてるのを見落としてお湯を注いでしまうとそれ私のだからーってスタッフに持って行かれますからね、ちゃんと自分の物である事を確認してから一番に注ぎましょう。
お弁当はバラバラでも皆キンキンに冷えてるし温める術はないので取り出す順番は変わりませんが…お湯は一度に3人分しか沸かせませんし、こういうビッグカップだと2人分しか入れる事が出来ないので!お湯が沸くのを待つ時間もかかれば注いでから待つ時間で5分も10分も掛かってしまうという…なのでカップ麺に注ぐためのお湯を奪い合うという事態がですね?
そして、冷えた飯だけだと辛いからとみーんなビッグカップのカップ麺を買ってきているので…争奪戦に負けた2人は20分くらいは待つ事になるという…お湯を沸かすための道具を3つ用意しとけって話ですけど、1つあれば十分な物を複数用意するというのもねぇ…遅くなるだけで時間が解決してくれますし…
ま、そんな感じで争奪戦がいま幕を開けるのです…それじゃいくぞー!じゃーんけーんポン!あーいこーで…オラァ!まけたー!」
「それじゃ勝者の2人はこちらへどうぞ」
「くっそー…このスタッフども容赦がねぇ…釣らなきゃいけない出演者に遠慮をしてお湯を譲るという事をしねぇ…しかも2人ともがっちり自分のカップをガードしてるからすり替える事が出来ねぇ…ある意味業界を引っ張ってきた人を敬おうという気持ちはないのか…
まあ、仕方ないのでキンキンに冷めてる唐揚げ弁当をモソモソ食べながらまたお湯が沸くのを待ちまーす」
「荷物を増やして荷物の積み下ろしや片づけをめんどうにして釣り場での快適性をとるか、下手して快適度は減れど積み下ろしを楽にするか、どっちを取るかといえば後者よね」
「荷下ろしの回数が増えると面倒だしねぇ…最長20分待つか積み下ろしの時間を5分増やすかってなったら待つ方をとるよって。
これは安全面の事も考えてですけどね、増やすと重くなりますし、回数も増えますし、そうなると渡す側も受け取る側もちょっと危ないんですね、なので磯へ荷物を持ち込むときは必要最低限で身軽にしておくのが基本です。
荷物の受け渡しが危険って事はないだろーって思うかもですが、船の方は上下に動くので渡す側も受け取る側も安定しないんですよ、なので荷物を落とすだけならまだいい方、渡してる時に人が海に落ちちゃう事もしばしば、なので荷物は出来るだけ軽くするのはもちろん回数を減らすというのも大事です」
「2回目沸いたよー」
「よっしゃー!2回目行くぞオラァ!温かいコーヒーだのお茶だのは最後にしとけ!それじゃいくぞー!」
「海は広いよねー…そして今の時期は風が冷たいよねー…ってなわけでお湯の争奪戦に負けてカップ麺を食べるのが最後になったりしましたが…見てください、すこーし離れたところからこっちに向かって移動してきている鳥山、間違いなくあの下には何かしら青物がいます。
ヒラマサとブリは一緒に行動してる事が多いのでブリが釣れればヒラマサが、ヒラマサが釣れればブリも釣れる確率が非常に高い、なのでこちらに寄せるためにオキアミをちょっとバッサバッサ撒いて午前中に釣っていたギンユゴイを寄せまして、さらにキビナゴも少々撒いて魚植生の魚のやる気を出させておきましょう。
で、今からやるのは午前中一発目にやったのと同じ事、生き餌の確保ですね、釣ってる最中の餌が食われる事もまあなくは無いですが、それも頑張れば釣れなくはないので、追い食いしてきたらそれはそれで楽しいので良しとしましょう」
「ここまで水面が沸いてたら生き餌でなくてもいい気はするけど、より大きなのを釣るなら30センチとか40センチある生き餌を使うといいね、出来れば根に潜っていかないような魚、アジとかサバが釣れるのが一番いいんだけどね、40センチとか50センチくらいのやつならかるーく丸呑みにしてくるよー?」
「というわけで、鳥が一直線に飛んできているのでパパッと餌を確保して本命の準備をしたいと思います」
「これで釣れなかったら午前中釣れたコッパと小さいクロダイ、ギンユゴイを初心者でも入れる簡単で安全性がそれなりに高い磯に釣りに来ましたーって回になりそう」
「それならもういっそボツにしてお蔵入りにしてくれるほうがいいね、NG集入りすらなしの完全なるお蔵入りの方が…うん…編集の嵐でバラエティ風にして誤魔化すって手もあるけど…めんどくさそうな顔をするな、撮影して編集するのが仕事でしょうが」
「今の状態で釣れないって事はまずないし、大きいのが来るかどうかってくらいだね、80前後は確実に10匹からは釣れるとおもうよ?」
「ここにいるスタッフが欲しい絵は80前後なんて小さい奴じゃなくメーター半行ってる化け物みたいなヒラマサを釣ってる絵だろうけどねー」
「それじゃちょっとそれを釣るための餌を反対側で釣ってきます、反対というほど広くはないけど」
「こっちでも狙うけど40とか50のいいやつが釣れたら1匹頂戴ねー?」
お湯争奪戦
お湯を沸かすための器具が1つしかなく、またビッグカップなど1人で1人半から2人分のお湯を持っていく物を皆が持ち込んだ時は熾烈な争いが発生する事も…
裏技としてお湯を注ぐ前にこそっとカップ麺を自分の物と入れ替えて譲ってくれてありがとうと言いつつお湯を奪っていく方法がある




