面白さを求めるゲームではない 多分大体は騙せる
『おーっす、各地で怒号が飛び交っている中開発運営からのお知らせでーす、イベントには関係のないお知らせなので戦争に参加中の人は気にせず続けてくださいな。
えーではでは今日のお知らせ、このゲームに関係がある様であまり無い、でも好きな人は好きな本格派風のサバイバルゲームのサービスが本日より開始されました、パチパチパチー。
まあこのゲームでも自主的にサバイバルをやっている人もいるんですが、もっとリアル寄り、比較的温い環境から超が付くほど厳しい環境まで、自分の好みに合わせてプレイ出来るゲームが出来たんですねーこれが。
リアル寄りのーという事でよくあるゾンビやら生物兵器から逃げて生き延びろ、という事はなく野生動物が主な相手になります、主であって他にも相手にしなければならないものも居たりしますが、これもサバイバルに付き物といえば付き物、そしてからならずと言っていいほど出てくる存在ですね。
では簡単ではありますがゲームの説明、まずはストーリーモード、これはどうして世界がそうなったかを追いつつ生き延びていく、というよくあるチュートリアルを兼ねた物ですね、これは完全に1人プレイモードですので、仲間内でワイワイプレイしたいという人はストーリーは無視していいです、ストーリーと世界観を楽しみつつ生きていくための知識を得たい人向けですので。
続いてサバイバルモード、これはもうそのまま、いきなり世界にポンッと放り出されてそこからサバイバルスタートってやつです、開始地点は限界集落から都会まで色々有りますが、どこに出るかはランダムなので知恵を絞って生き残ってください。
次にチャレンジモード、これもストーリーと同じく1人プレイモードですね、簡単に言えば何日生存出来るかのチャレンジです、サバイバルモードとの違いは物資が有限で一度回収した物の再生成がなくなっています、まあ再生成は後で説明するとしまして、よりシビアによりリアルになった感じですね、怪我の治りもかなり遅く、骨を折ろう物なら後はもう座して死を待つのみになりかねないので無茶はできない、石橋を叩いて粉々にするくらい叩きまくって安全を確かめる事が求められるモードですね。
身内同士でワイワイやりたいという人はサバイバルモードでフレンドを招待してください、不特定多数の人が入り乱れるオンラインモードはありません、色々とリアル寄りにはしてありますが、完全に寄せてしまうとログアウト中に死ぬという事態が多発しますし、天候による視界不良時に寝て時間を飛ばすという事が出来なくなるので用意しませんでした。
フレンドを招待してプレイする場合は一緒にプレイしている人全員が寝袋なりベッドに入れば時間を飛ばせるようにしてあります。
でー、サバイバルをする事になる環境は大まかに分けて3つ、まずは砂漠、世界がなんやかんやあってほぼ全て砂漠化したという設定、それと同じで凍土、これもなんやかんやあって世界中ほぼ全てが凍土化、この2つが色々厳しいサバイバルになりますね。
3つめ、それほど厳しくない今現在の世界とほぼ同じ状況、違うのはプレイヤー以外の生存者が存在しない、ホームセンターやスーパーなどに食料が残ってなければ物資もほとんど無いと言う事ですかね?
それと、ちょいとネタバレになりますけどストーリー開始時点でインフラが全部死んでます、電気水道ガス全て使えません、使いたければプロパンなり発電機や動かすための燃料なりを見つけてきましょう、チャレンジモード以外なら使い切っても何日かすれば再生成されてどこかに配置されますし、その気になれば何年でも生きて行けますよ?
あ、そうだ、チュートリアルを兼ねてるストーリーモードですけど、一応舞台はじわじわ進んでますけど完全に砂漠化したり凍土化する前です、インフラが全部死んで5年後くらいって感じですね、発電機はあるのでかろうじで壊滅はしていない、無線で連絡は取れるが…ってやつです。
なんで砂漠なのか凍土なのかもストーリーを追っていけばわかるのでプレイしてみてください、そして肝心のお値段ですね、はい、いつもの無料です、サンドボックスな世界やこのゲームと同じ無料、課金アイテムもないです、あるのはこのゲームくらいですね。
というわけで新作ゲームのお知らせでした、ただただサバイバルで生き残るだけのゲームですので、スーパープレイだの裏技だの攻略法だの、鍛えて最強だのと言った物は存在しないので気を付けてください。
でもサバイバル生活を楽にする小技みたいなのはなくはないです、高確率で死ぬのでやらない方がいいといえばいいんですけどね、それに消費する食糧の量もうなぎ上りになりますし、やるなら食糧事情が解決してからですかねー?
まあ答えを言ってしまえば襲ってくる野生動物を手懐けてパートナーにする、ですね、当然野生動物が相手なので気まぐれですし、そのまま食料の一部とみなされて食われる事もあるので高確率で死にますし、成功したとしても手懐けた野生動物の数だけ必要な食糧が増えます、そして食糧が足りなくなれば飼い主が餌になるかパートナーが食料になるだけです。
金の切れ目が縁の切れ目と同じ様に食料の切れ目が互いの最後ですからね、死んで全てを失いたくなければ過剰なくらいの蓄えを用意する事ですね。
というわけで新作サバイバルゲームの宣伝でした、気になる人は遊んでみてねー?』
うーん…イワシとエビと品目に入れてみたけど今一値は付かず…それでもキロ150と100なので結構な値段が付いたほうではあるか、天然物だとどちらもキロ80とか30とかだったし、餌用とはいえ養殖していて脂も蓄えて丸々としてさらに大きいものばかりだし、エビもエビでちょこっと品種改良したサクラエビなので…
でもこれ以降も注文が続くかどうかは微妙なところよね、イワシなんかは安さが売りみたいなところもあるし、キロ150で売れても天然のキロ80はその100倍からの量が取引されるわけだし、高い養殖を売ったとしても飼料代の一部回収にしかならないから…
まあいいや、品目には追加したままにして注文分だけを卸すようにしておけばいいや、そもそも購入していく層が違うし、取引量を気にしても仕方ないね、とりあえず明日卸すのがイワシ50キロにサクラエビが100キロ、マスノスケ等のブランド品は変わらずの…飼料代がこれの…
ふむ、一部赤字ではあるものの他で補えているので問題なし、本当なら全て黒字化する方がいいんだけど、そうすると養殖してる飼料のための飼料を取りに行くとかわけのわからない事になるし、この赤字はもう解消のしようがない必要経費だぁねぇ…
さて、生簀の方をちょろっと確認してきて、何の問題もなければ漁協やら農協に行って来月分の飼料やら肥料を発注してきましょ。
「どこの世界でもブランド物は一定の需要があるよね、その分品質が劣化したり何かあればあっという間に崩れ去るけど」
「お金持ちやら貴族やらそういう存在がいる限りは需要が途絶える事はないね、だからと言って儲かるかどうかといえば微妙なところだけど、後無理をして購入している人にはわからないけど、普段から購入して目や舌が肥えている層は品質の劣化とかにすぐ気が付くし、品質を保つだけでも結構苦労するし、それによる出費もあるからブランドだから儲かるって事もないんだけどね」
「バカな金持ちを騙すにはいい商売ではあるけどちゃんとした目や舌なんかを持ってる本物が相手だとねー、バカな方は適当に粗悪な素材にブランドのロゴをつけるだけで有難がって数十万出していくけど」
「ついでにデザイン料やらなんやらを上乗せして特別感を出して数量限定ってすれば、1つ辺り2万もしないものが数百万に化けるとか笑いが止まらないよね、ボクだってそうするし誰だってそうする、そうやって稼いできたのが昨今のブランド物ともいえるわけだし」
「全部が全部とは言わないけど大体のところはそうだろうねぇ、騙される方が悪いからダメとは言わないけど」
「ご主人様のブランドは黒字にはなれど収支的にはそれほどだったりするしね、だからこそ定期的に高額依頼を消化してるわけだし」
「今のマスノスケは出荷までに1匹辺り3万とか掛かってるからねぇ、5万で卸しても稼ぎで見ればそれほど、各所に払うお金で手元にはあまり残らないっていう」
「もうちょっと値上げしてボッタくればいいんじゃないの?貴族連中とかは喜んで買うでしょ?」
「買ってるのは貴族だけじゃないからねぇ、うちのブランド物を取り扱っているっていうのを売りにしてる大衆向けのお店もあるし、そういうお店の宣伝効果もバカにならないからね、後うちのブランド物は確かにお金は掛かってるけど高級志向のブランドというよりは、ゆずヒラブリとかハーブ牛とかそういう方面よ、ブランド品ではあるけどお手頃なってやつ」
「そしてボクはそんなお手頃なブランド物が食べ放題と、んー…このパリパリの皮が美味しいんだよね、塩もいいけど醤油もいいよね」
「この刺身の盛り合わせもここじゃなきゃそうそう食べられないね、ご主人様の取り扱ってるブランドもの全ての盛り合わせだし、高級素材万歳な店だと絶対に出てこないカツとか唐揚げとかもあるし」
「なんで高級な店って揚げ物を嫌がるんだろうね?」
「安っぽく見えるからとかいやらしく見えるからじゃない?扱う人の中には揚げ物はジャンクだって思ってる人もいるし、油でカロリーがどうのコレステロールがどうのって考えの人もいなくはないし、大体は焼きとか蒸しとか、あってもムニエルでバターソース掛けくらいになりがち」
「ムニエルにしてバターソース掛けまで行くともう揚げ物と変わらない気がするけど、こっちのほうが高級で上等な品とか思ってんのかねぇ?」
「名前に踊らされている人はそれなりにいるからね、シュニッツェルって言えばどことなく素晴らしい料理に感じるけど、物自体はトンカツみたいな物だし、どこそこの何豚のシュニッツェル大地のブラックソースを添えてって言いながら、スーパーで安売りされてる安くて無駄に硬い肉を使ったトンカツをさらに載せて皿の周りにトンカツソースを垂らしときゃ頭が凝り固まったやつらはトンカツとも思わず、硬くない?という問いに対してはこれが何豚の特徴で程よい歯ごたえを噛めば噛むほど、っていえば納得してそのまま食うぞ」
「そこまでバカな人はいないと思いたい…けど居ないとも言い切れないのが何とも…」
「ボク的にはやってみたくもあるね、人はどこまでバカに慣れるのかって感じで」
「具体的には?」
「自称美食家と成金を集めて安い物に御大層な名前とバカみたいな値段をつけてどこまで騙せるか、見た目と味もそれなりに取り繕っておけば100人中90人くらいは騙せると思うんだよね、そしてちょっと本気を出して見た目を完璧にすれば全員騙せると思う」
「産地を別の呼び方に変えて、材料も地名にちなんだちょっと御大層な名前を付けて、さらに料理名も仰々しい物にして横文字も大量に付けて、磯臭いのも何々海の香りとともにとか付けたらいけそうな気はするね。
実際程よい香りはいいスパイスになるから間違ってはないし、度が過ぎるとえぐいしただ臭いだけだけど」
「それをしていったい誰が得をするというのか」
「バラエティとしては悪くないけどね、普段偉ぶっている自称美食家やら評論家やら成金の化けの皮をはがせるし、ネタばらしした時にそいつの本性が見れるって感じで」
「自称美食家とか自称評論家、成金は無駄にプライドが高いから結構面白い反応になりそうだよね、昔やってた今を時めくマナー講師100人によるマナー教室みたいになりそう」
「あれは私も見たけど酷かったねぇ…極々普通というか、どこに出ても恥ずかしくない一般的なマナー講師が早々に脱落、蠱毒の壺の様にありえない頓珍漢な事をやってるマナー講師だけが互いを食い合って生き残るっていう…」
「番組の最後に以上の事は絶対にやってはいけませんって注意書きがされてたくらいだしね、あの後最初に脱落しなかったマナー講師以外はどうなったんだろうか?ボクは再放送を見ただけでその後は知らないんだよね」
「全員廃業したみたいよ、食事におけるマナーだけでなく参拝だのリモートワークにおけるマナーだとのとわけのわからない事やっていた人も、第2回第3回と続くマナー講師バトルで自信満々に出てきて最初に脱落した人以外は全員、1人残らず廃業してるね」
「誰も得をしない、何なら参拝は神社仏閣に迷惑をかける物だし、当然っちゃ当然だよね、そいつらが出したマナー本は絶版で笑いのネタ本として地味に高値がついてるとかなんとか、開き直って以下の事はしてはいけませんって書き直して出してるのもいるけど」
「なるほどねー、でもまあいいや、ボクはここでのんびり美味しい物を食べながらゲームをしてるだけで幸せー、というわけで串カツお代わり、それとタルタルも」
「はいはい」
サバイバルゲーム
生き延びる事に重点を置いたゲームなので面白さはそれほどない、スーパープレイや裏技といったものも存在しない
一応ゲームなので積み防止のために資源や物資の再生成や再配置もある、が、だからと言って温ゲーにはならない、死ぬ時は屋内で寝ていても死ぬ




