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多分誰かが得をする 鍛えれば鍛えるほどファンタジー

『へーい!代理戦争イベント真っ只中だけど運営からちょっとお知らせだぞー?イベントとはとくに何の関係もないからどうでもいいって人は聞き流してちょーだいな。

まずは皆大好きデパート、ゲーム内ではあるんだけどリアルマネーを使ってお買い物やゲームが出来る場所ね、そこにちょっと変更が入りました、とはいってもあまり大きな変化ではないし、言われてもわからん人はわからんので適当に。

まずはお買い物に関して、購入方法やらお届け時間の指定やらは変更なし、というより変更する意味はないね、プロテクトもばっちりでクレカやらなんやら不正利用出来る物ならやってみろって状態だし、まあそれは置いといて、変更が入ったのは所謂デパ地下、食べ物やら季節のなんやかんやを取り扱っているところね。

何が変わったんだっていえば…まあ、リアルでデパ地下を割と利用している人ならわかるアレ、売れ残りのお歳暮やらなんやら、あれって結構値引きされて売られているじゃないですか?それも取り扱うようになりました、このゲーム内で出店しているデパート限定ですけどね。

でもそれで本当にお買得になっているかどうかは…まあデパート価格基準でー、ですからねぇ…気になった人はデパ地下巡りでもしてみてください、送料もあるので早々近所のスーパーより安くなるって事はないと思いますけど、フェアなんかをやった後の売れ残りだと良い物が半額で買えたりするので悪くはないんじゃないですかね?

次に変更が入ったのはゲームセンター、変わったというよりは追加ですが、地域によってはおもちゃ屋さんが筐体を置いて小さなゲームセンターみたいになっていたところもあると思いますが、そういうところって駄菓子を売っていたりしたじゃないですか?

クレーンゲームの景品としてお菓子を入れてるとかじゃないですよ?単品でスナック菓子やら謎飲料やら、そういうのを売ってる田舎のおもちゃ屋さん風ゲームセンターを追加しました、一度に入れて10人くらい、かつ筐体も格闘にベルトスクロールにシューティング、麻雀にと色々統一感のない状態、両替も両替機ではなくレジでー…ですので、懐かしいと感じる人もいるんじゃないですかね?

で、駄菓子等を取り扱っているので店内での飲食も可能です、食べかすをこぼしたり飲料をぶちまいてもすぐに直せるのがゲーム内ゲームセンターの強みですね、結構リアルに再現してるので汚れますし漏電したりでの故障はしますけど、データには変わりないので巻き戻すなり新しいデータに置き換えるなりで戻せばいいだけですからね。

デパートの変更やらなんやらはそんなものです、続いてのお知らせ、すこーし前にあったロボット展示会、あれが中々に好評だったのでその時に展示されていたものをゲーム内でも展示する事になりました、期間限定ですけど。

ロマン溢れる人型からスーツタイプ、四脚だったりキャタピラだったり、主に工事現場や災害救助などに使う事を目的としたロボット、またはパワードスーツの展示ですので、興味がない人はないかもしれないですね。

当然うちが展示していたパワードスーツも再現して展示してありますよー?これが未来の災害救助用スーツだって感じのやつ、軍事利用もまあやろうと思えば出来るけど、そもそもあれを再現出来るところは現状存在しないですし、丸々コピーしてもプロテクトが掛かっているのでそっち方面には絶対使えないっていう罠付きだったり、安全対策は大事よねー。

お知らせはこんな物ですね、イベントに参加してない人は暇潰しにどうぞ、特に展示会の方は見ておいて損がないと思いますよー?色んな企業が開発したパワードスーツを試用する事が出来ますし、国外では既にレスキュー隊等に配備されている物も展示されていますし、色々勉強になりますよ?

それじゃ短いけど開発運営からは以上でーす、引き続き代理戦争に採取にと楽しんでください、ではー』


「デパートのテコ入れって誰が得をするんだろうか?」

「ゲーム内での出店契約をしてるデパート側からちょっとねー、ゲーム内だと基本的に新しい物だけ、つまりはお中元とかお歳暮とかの売れ残りは全部自分のところで処理してねーって感じだったんだけど、リアルの方で売るだけじゃ在庫処分が間に合わないので出せる様に出来ませんか?ってきたからまあいいよーって感じで。

だからと言って売れるかどうかはわからないけどね、半額になってもデパート価格はデパート価格、デパートにしかない物もあるからそれは売れるだろうけど、飲料とか油なんかはねー」

「なんで人ってそういう高いところでわざわざお金を使うんだろうね?見栄?あ、そっちのポテトと焼き鳥頂戴ー」

「全く同じ物でもデパートで買った方がいい、高い物を買った方が偉いっていうマウトを取る人はどこにでもいる物よ、そういう人はスーパーにもある安い同じ物は買わずにデパートで買って見栄を張る」

「ボクにはわかんない感覚だなぁ、主様的にはどうなの?」

「私は利用しないから何とも、近所に商店街やちょっと離れたところにスーパーはあれどデパートなんてないし、でもいいんじゃない?見栄を張って身を滅ぼすのは自分の責任でしかないし、他人があーだーこーだ言う様な問題でもないし、口を出すとしても友人が窘める時くらいじゃないかなぁ?ちょっと使いすぎじゃない?って感じで。

それでも聞かなければどうにもならないから…うん、まあ放っておくのが一番いいね、どうなろうとその人の責任よ」

「しょせんは他人事かー、でもまあそうだよね、他人の生活に助言をする義理も何もないし」

「どこの世界でもよほど親しい友人でもない限りは他人の生活に口を出すのは野暮ってやつよねー、口を出すやつは口を出すけど。

んー…展示会の方はお知らせしたばかりだというのにもう結構な人が押し寄せてるなー、まあ当然っちゃあ当然だけど」

「住んでる場所の都合上展示会に行けなかった人とか、国外の人が押し寄せてる感じかなぁ?」

「そうだね、災害救助に重い物を運ぶ工事現場用に、展示してるだけじゃなくて実際に販売してるところもあるから結構需要あるのよね、特にパワーアシストがついてるパワードスーツは土砂災害やら崩れた建物の瓦礫の早期撤去とか、重機が入れない場所でも重機に近い活躍が期待出来るとか。

まあ中には軍事利用とかを考えてるところもあるけど、それをやるなら自己責任って感じだから放置、そもそもうちが出してるものはコピー出来ないだろうし」

「以前よさそうなのを貸してーって言ってきて貸したアレ?」

「借りて返したアレ、頑張れば再現出来なくはないけどここより1000年以上進んだ技術のところの物だしねぇ、素材からして違うから使える物を使って再現したところで自壊するのが落ちかな?」

「一体どういう物を貸し出したの?」

「装着するタイプのパワードスーツ、ゲームやアニメ、映画なんかで出てくるのに近い形、実際に自分の手で掴んで足で歩いて動かすから違和感なく使える、でもしっかりパワーアシストもついてるから大体5トンくらいの物も楽々運べるし、空も飛ぼうと思えば飛べるし冷暖房に空気清浄機に水中でも活動出来るように酸素精製も完備、宇宙にも行こうと思えば行けるし深海1万メートルでも何の問題もなく活動可能、っていうパワードスーツ」

「オーパーツなんて物じゃないものをホイホイ渡して展示するんじゃないよ」

「大丈夫大丈夫、アシスト機能として10メーターくらい飛べますよって程度にしか説明してないし、積載量も1トンくらいまでってかなり控えめにしてあるし、動かすためには認証キーというか登録が必要だから、実際に身に着けて実演する時に抑えておけば誰も気が付かないし、あまり現実的じゃない物をいきなり見せても人は早々信用しない、でもうちならこのくらいはまあやるだろうなーって範囲でスペックを設定して実演すれば簡単に信じるものよ、実際それでごまかしてる部分が結構ある」

「それで信じるとかチョロいなぁ…あ、主様コーラ頂戴」

「20メータークラスの実際に動く装甲もばっちりなロボットとか、宇宙で生きていくためのスペースコロニーじゃないだけましだとは思うよー?ご主人様はそういうのも拾って収納してたはずだし」

「コロニーってその辺に落ちてるものなの?」

「生存者が一人も居なくなったコロニーは割とその辺の星に直撃したりしてるから、それらを拾い集めてたまにレストアしてるね、どうせ誰も回収に来ないから拾い放題、こっちじゃ出せないけど物は知ってるから再現して作ることは出来るよ?」

「作ってどうするのよ…宇宙に移住でもするの?」

「出来なくはないね、したところでそこからどうするの?ってのがあるけど」

「一応このゲームはシミュレーターも兼ねてるから、それ用のチャンネルでは毎日の様にロケットが打ち上げられてるけどね、デブリ回収用とか衛星のアップデート用とかロマンを求めての探査用とかの実験機をロケット花火の如く連射してるね」

「現実と同じ物理法則で飛んで、かつ一度作った機体は複製し放題、掛かるのは人件費と借りてる場所代くらいとなれば毎日打ち上げるよね、現実だと失敗すると十数億から無駄になって吹っ飛んでいく物が2機目からは実質無料で作れるし」

「現実のほうの資源も無駄にならなくて済むし環境にもいい、既存のロケット燃料じゃなくて代替品での実験もいくらでも出来るし、遊ぶだけがこのゲームじゃないってね。

まあ個人で宇宙に行ってやろうかっていう人は居るには居るし、個人ロケットをこっちのゲーム用チャンネルで作ってる人も居るし、個人じゃなくて実際に監視用として軍事衛星を作って打ち上げようとしたところもなくはないかな?打ち上げた直後に野良飛龍に打ち落とされたけど」

「こっちだとシミュレーター用のチャンネルと違って定期的なリセットはなくて、一度設置した物とかは破壊されたり回収されるまで残るけど、人より遥かに強い、何なら核兵器も効かない生物がうようよしてるところで設置したり打ち上げれるかっていうとまず無理よねって」

「ここで遊んでる人類からしたら完全にクソゲーだよねそれ、そもそもそういう物でどうこうするゲームではないけど」

「銃器のいいところは誰がどう使おうが威力は変わらないという事、けど言い換えれば通用しない相手には誰が使っても通用しないからこのゲームだと早々に頭打ち、闘技場も銃器が普及し始めたころには持ち込んでる人がいたみたいだけど今はもう初心者狩りくらいにしか使われてないみたいね」

「銃器を手に入れた初心者が剣と魔法のファンタジーって遊びに来た初心者を闘技場で狩る、そしてファンタジーって思っていた層が銃器を手に取る、その一方で銃器を使ってレートを上げた初心者は剣と拳のファンタジーで分からされる、っていうループが発生してるね。

魔法を使える人もちょこちょこ出てきてはいるけど、ほとんどはまだ火熾しとかコップ一杯分の水を出す程度だね、成長率に3倍とかそういう補正が掛かった世界だから続けていれば出来て当たり前なんだけど」

「そう考えれば結構リアルよりとは言いつつゲームとしては成り立ってる…のかなぁ?」

「普通の人間だと上限とかそれ相応の力をつけたら筋肉で重くなって鈍重に、ってのがあるけど、そういう上限も取っ払ってるからちゃんとゲームとして機能してるよー?普通の人である限りは伸びと成長が平均的ですよってだけで、種族を変えればその種族に応じた物が伸びやすくなるし、経験値とかステータスとかそういう数字が存在してないだけで鍛えればちゃんと育つからねー。

そして鍛えれば鍛えるほどに皆が待ち望んでいるであろう剣と魔法のファンタジーに近づいていくシステム、システムの都合上皆横並びの状態からスタートとはいかないけどね、それをやったら動きに違和感が出すぎてまともに歩けない人が続出するし」

「ボクにはわからない感覚だね、ボクはどんな姿でも自由自在に動けるし、2号だってそうだし」

「手足の長さが違う、筋肉の付き方が違う、五感の感じ方が違う他人の体を自分の体と同じように動かせるのかという話だね、体の形を自由自在に変えれたりするならどうって事はないだろうけど、そんな事はまず出来ない普通の人間だとねー」

「初期の初期の頃の闘技場イベントだと一時的に私と同じ身体能力に変えた人が自分の頭を蹴り砕いてたねぇ、歩く動作一つとっても筋肉の使い方が違うし、普通の人間がいきなり握力がゴリラと同等になった場合加減なんてまず出来ないよねって」

「あれは面白かったねー、運営に贔屓されて強くなってるんだろとか、運営に何かしらステータスを弄って貰ってるんだろとか見当違いな事を言って、じゃあ一時的に同じにして上げるねってやったら一歩も歩けず自分の頭を蹴り砕いて死亡っていう」

「それはリアルタイムで見てみたかった気がするなー、あ、唐揚げとってー」

「私これでも一応書類整理をしてるんだけどね…いつもの事だけど」

「ボクはゲームの配信中である意味お仕事中、立っている者は親でも使えっていうよね」

「私も座ってる…というのは野暮だね」

「野暮だね、それじゃ私は一旦管理室に戻って指示を飛ばしてくるかなー、それじゃまた後でー」

「はいはい、また後で」

成長

現実とは違い一部分を除き成長速度が倍以上に増えている、さらに上限も取っ払われているので鍛えれば鍛えるほどファンタジーに近づいていく

頭のつくりだけは現実準拠でブーストはかからない、ゲームによるブーストで秀才とはいかないのでちゃんと自力で鍛えよう

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